RACING
北海道から全国へ、そして世界へ!
子供たちへ「希望」と「勇気」を与えるために走り続けたい。
今回は、2021年7月24日に鈴鹿サーキットにて行われた、
鈴鹿クラブマンレース Rd.4&富士FCR-VITA交流戦と、
翌25日に行われたKYOJO CUP Rd.2の模様をレポートしていく。
2021.07.27 2021年7月11日 北海道クラブマンカップレースRd.2
5月16日に行われたRd.1に続き、十勝スピードウェイで開催された北海道クラブマンカップレースRd.2に我々恒志堂レーシングチームが参加した。
参加するレーシングドライバーは、
佐藤元春選手(12号車)
浅井康児選手(310号車)
いとうりな選手(35号車)
田代良二選手(516号車)
※Twitterの一部では512号車と間違えて紹介しています。申し訳ありません。
の、4名である。
2021年7月11日
十勝スピードウェイ
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2恒志堂レーシング、ナラシ&練習走行中 pic.twitter.com/ukPJLFD092
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 9, 2021
2021年7月11日決勝
北海道クラブマンカップレース Rd.2恒志堂レーシングは、快晴の中を練習走行中!
十勝スピードウェイは晴れていますが風があり、上着が必要なくらい涼しいです。 pic.twitter.com/3r5IKvdyCj— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 9, 2021
決勝前々日の練習は、十勝地方のスッキリとした晴れ空の下で実行した。
7月だというのに時折厚めの上着が必要なくらいの涼しい風が吹き、屋外での活動には過ごしやすい気候だ。
十勝スピードウェイを、VITA-01が疾走しています。
霧雨がだんだんと強まってきました。 pic.twitter.com/Rc3EjvqMu6— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 10, 2021
翌日、7/10は公式練習が行われたのだが、あいにくの霧雨がサーっと路面を濡らす天気となり、その後も降ったり止んだりを繰り返していた。
当日の天候はいかに……と、ドライバーもクルーたちも心配する中での気合の練習走行。
雨でも風でも、中止になるほどの荒天に見舞われない限りは、戦わねばならない。
セグウェイに乗る @chobby2 に轢かれそうになる @T0K1CH1KU 。
そこに着陣する @risa_sato0328 と、お子さんたち。
ピットがさらに賑やかになってきました。 pic.twitter.com/XyTpfBCPxP— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 10, 2021
先ほどの走行チェックをしていたら、大量のシャボン玉が飛んできて、急にメルヘンになってしまった @loverina24 と、チームメンバーたち。 pic.twitter.com/bX33kixIE9
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 10, 2021
そんなシビアでストイックな状況に置かれる、モータースポーツではあるが、合間にはこうして佐藤選手の奥様やお子様が加わって、ほのぼのとしたやり取りが交わされる風景もある。
こういう時、映像撮影をしていて良かったなと個人的に思う。
恒志堂グループ代表 @chobby2 に、今日の練習に対する意気込みを聞きました! pic.twitter.com/NVQSCPUh9A
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 10, 2021
練習に対する意気込みをインタビュー。
実は、このレースに参加する数日前に佐藤選手から、
「今回は優勝をするから、ドキュメント方式で撮影してほしい」とオファーされた。
優勝を目指すのは毎度勿論のことではあるのだが、そのように事務所の筆者の席まで来て改まって言われたものだから、少し驚いた。撮影のコンセプトにまで言及するので、今回は相当気合が入っているのだな、と思った。
このインタビューでも、ポールトゥウィン、つまり予選で1位を獲得し、決勝でもトップのままゴールを目指すと言っている。これは、いつにも増してホットなレースを目の当たりにすることになるかもしれない、と考えていた。
7/11 予選・決勝当日となり、各選手に意気込みを聞く。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
佐藤元春選手(@chobby2)の、レース前インタビューです。 pic.twitter.com/vZAFSoo25Z— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
いとうりな選手(@loverina24)の、レース前インタビューです。 pic.twitter.com/AjPNKZmioR— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
浅井康児選手(@ek9rocker)のレース前インタビューです。 pic.twitter.com/4h7aQuUSgr— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
田代良二選手のレース前インタビューです。 pic.twitter.com/FTNuk63G7d— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
レース当日は、前夜に降った雨の影響で、朝の内は路面が少々濡れていた。
しかし、何度か見てきたレースで経験済みだが、朝濡れていたとしても決勝本番までには乾ききることがほとんどなので、それほど憂慮はしなかった。
いよいよ始まる、予選走行。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
予選走行前の、
35号車 いとうりな選手(@loverina24)
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
516号車 田代良二選手
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)練習の成果を見せつける時が来ました! pic.twitter.com/fOifbu3ofe
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
戦に全てを懸ける武人の如き表情。
この出走前の皆の顔を撮るのが、個人的に好きだ。
ピットから車両が走り出す頃、ピットロードがドライになっていることに気付いた。これならば、コース上も乾ききっているだろう。
あとは、皆の良い走りを祈るのみ。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
予選走行開始!
前夜に降った雨による路面の濡れは、ドライになりました。
曇り空ですが風がなく、前日より暖かいです。
気持ち良い走りに期待しましょう! pic.twitter.com/ghPAI4zQbE— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
予選走行中!
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
512号車 田代良二選手
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
35号車 いとうりな選手(@loverina24) pic.twitter.com/Ylh5aBJFm6— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
予選結果
佐藤元春選手(12号車)
ベストラップ1:32.476
→ポールポジション(1番グリッド)
田代良二選手(516号車)
ベストラップ1:33.043
→5番グリッド
浅井康児選手(310号車)
ベストラップ1:33.153
→6番グリッド
いとうりな選手(35号車)
ベストラップ1:33.667
→10番グリッド
タイムは12番グリッドまで1:33台で、非常に拮抗したタイムでの戦いだった。そんな中、佐藤選手がポールポジションを宣言通りに勝ち取り、ピット内は大きく沸き立った。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
予選走行終了!
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
予選を1位で決めました!
決勝はポールポジションからスタートです!!決勝は12時50分から行われます! pic.twitter.com/3trPaeasDS
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
<予選結果>
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
→1番グリッド(ポールポジション)512号車 田代良二選手
→5番グリッド310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
→6番グリッド35号車 いとうりな選手(@loverina24)
→10番グリッド決勝は12時50分から! pic.twitter.com/L7K8OMMdth
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
撮影から駆け足で戻りながら、ピットを撮った様子。
「有言実行」という言葉に、信憑性が付いた瞬間を見た。
やれば出来る、やらねば成らない、成らないのは行わないからである、という趣旨の言葉はこの世にいくつもあれど、実際に有言してからの実現という行為は、何物にも代えられないものだと感じた。
佐藤選手の言う通り、肝心なのは決勝。
ピットクルーたちの整備の手に、いつにも増して力がこもっているのが見て取れた。
決勝は、午後からなのでそれまで暫しの休憩。
決勝前、集合写真撮影の場面です。
いよいよ、12時35分にコースインし、12時50分から決勝レースがスタートします! pic.twitter.com/t546mhrTYR— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
今回もアドバイザーとして参加してくださっているレーシングドライバー平中克幸さん(@K_Hiranaka)と、田代良二選手と、浅井康児選手(@ek9rocker) pic.twitter.com/3Mm6cZsIZ8
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
決勝レースの時間が近づく中、平中克幸さん(@K_Hiranaka)と、佐藤元春選手(@chobby2)が、予選の走行データを見ています。真剣そのもの。 pic.twitter.com/5zso8xPz6s
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
迎える決勝の瞬間。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
512号車 田代良二選手
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
35号車 いとうりな選手(@loverina24)いよいよ、決勝! pic.twitter.com/zeu844eTPK
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
ポールポジションに着く、佐藤選手。
先頭に位置する車両には、各媒体のカメラマンなどがいつも以上にやってきて、ちょっとした撮影会になった。
身内は勿論のこと、周りからも期待されているんだなと、当たり前ながらも改めて感じた出来事だ。
グリッド上での撮影を終え、ついにスタートの瞬間。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
512号車 田代良二選手
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
35号車 いとうりな選手(@loverina24)決勝スタート! pic.twitter.com/6je0CruEcO
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このとき、このカメラでは捉えていないが、2番グリッドの平中繁延選手がスタート前にグンッと進んでしまい、後程反則スタートの判定を取られ、ドライビングスルーペナルティを課されることとなった。
恒志堂レーシングチームのスタートは概ね良好だったが、5番グリッドスタートの田代良二選手(516号車)がミッショントラブルで、1コーナー到達前に17位まで順位を下げてしまう。
1LAP1コーナー時点で、佐藤選手(12号車)は1位キープ、浅井選手(310号車)は5位、りな選手(35号車)は8位といった状況。
8コーナーを回る頃には、りな選手(35号車)が7位へアップ。
田代選手(516号車)は13位まで上がるが、6コーナーに差し掛かったところで痛恨のスピンにより、再び順位を17位に落としてしまった。
2LAPを回った頃、12号車佐藤選手と平中選手の2台がトップ争いをし、間を空けて集団が追いかけるといった形になっていた。
5位の浅井選手は一進一退の攻防を繰り広げ、7位に位置するりな選手は前の30号車鬼塚益生選手と6位を奪い合う激しい状況。
4LAPに入るメインストレート、平中選手のマシンがドライビングスルーペナルティのためにピットレーンに進入し、これにより佐藤選手はトップ独走状態へ。
浅井選手は4位へと上がるものの、背後にはピッタリと鬼塚選手が付いているので油断はできない。
そこから100メートル強の距離を置いて、りな選手が6位に位置していたが途中で555号車松橋智史選手に抜かれて7位まで後退。
最下位まで落ちていた田代選手は、14位まで順位を上げた。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
512号車 田代良二選手
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
35号車 いとうりな選手(@loverina24)ポールポジションからスタートダッシュを決め、2位へ間隔を空けて、1位を維持して12号車佐藤選手が走ります! pic.twitter.com/vrvzfE2Tyn
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
依然として1位の佐藤選手、しかし背後にはそう遠くない距離にライバル車両が存在し、いまにも首元へナイフを突きつけてきそうな勢い。
4位を激しく奪い合う浅井選手と、7位のりな選手が後を追う。
8LAP、レースが終盤へと差し掛かる頃、4位の浅井選手に鬼塚選手が肉薄しサイドバイサイドを繰り返す。
1コーナーでは、何とか抜かれまいと浅井選手がコクピット内で体を前後に揺らす様子も見られた。
そして、レースの展開が大きく動いた9LAP、浅井選手を抜いた鬼塚選手が2コーナーを抜けた地点で大きくスピンし、それを避けようとした松橋選手も同じ場所でスピンしてしまう。
これにより、りな選手は5位に浮上した。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
512号車 田代良二選手
310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
35号車 いとうりな選手(@loverina24)10LAP目、1位のまま佐藤選手走ります! pic.twitter.com/r5y9S9BFyV
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
11LAPまでに田代選手は13位までアップ。
1位佐藤選手、4位浅井選手、5位りな選手という並びを維持したまま、迎えた最終ラップ。
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2
佐藤選手、優勝!!12号車 佐藤元春選手(@chobby2)
→1着310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)
→4着35号車 いとうりな選手(@loverina24)
→5着512号車 田代良二選手
→12着 pic.twitter.com/KwdHdnaLWU— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
佐藤選手、宣言通りに優勝!
華麗なポールトゥウィン、予選から決勝を先頭走者のままで走り切った。
途中、順位ダウンとなるような危ぶまれる瞬間が無く、常に安定した走りを見せてくれた。
ピットロードに戻ってきた佐藤選手(@chobby2)。
そして、写真撮影の様子です! pic.twitter.com/LadOh0QQqG— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
表彰台の様子です! pic.twitter.com/aVdrMtrQJR
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
お子さんを抱いての表彰台。
レース前にシャボン玉でたくさん応援してくれたのも、勝利に結びついたかもしれない。
最終着順は、
佐藤元春選手(12号車)
→1着
浅井康児選手(310号車)
→4着
いとうりな選手(35号車)
→5着
田代良二選手(516号車)
→12着
浅井選手、りな選手は非常にライバル車と競り合う形が続いたが、後半順位をアップできた。
田代選手は、スタート直後のギアチェンジに手間取った以外は素晴らしい追い上げ、良い走りを見せてくれた。
2021年7月11日
2021 北海道クラブマンカップレース Rd.2優勝した佐藤選手(@chobby2)のコメントです。
今回、レース前に撮影に関する提案を受けまして、
「優勝するから密着取材のようなコンセプトで頼む」といったものでした。まさに有言実行!
詳細は後日、恒志堂YouTubeでアップします! pic.twitter.com/rjtD0NdTna— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) July 11, 2021
佐藤選手の優勝コメントをご覧ください。
この中でも言及している通り、優勝宣言により自分を追い詰めてからの1位というのはなかなか達成できないものだと思う。
このレースの詳細については、後日YouTube動画にて報告するので、そちらもお楽しみに。
今後とも、恒志堂レーシングの応援をよろしくお願いいたします。
今回は、2021年6月5日~6日にかけて行われた、富士チャンピオンレースの模様をお伝えしよう。
富士チャンピオンレースとは、元々新人育成を目的としたレース「富士ホリデーレース」として始まった。
レースにデビューしたのが富士だというレーサーは多く、新人ドライバーの登竜門的存在となり、何度か改称と開催時期の変更を経て、今ではルーキーだけでなく10年以上出場を続けるドライバーも増えてきているのだという。
FCR-VITAに佐藤選手と中川選手、KYOJO CUPにはいとうりな選手と兼松由奈選手が挑む。
富士スピードウェイ、練習走行。
走行前のマシンチェック、準備万端!
712号車、中川隆吾(@higeryugo)
610号車、佐藤元春(@chobby2) pic.twitter.com/cIguFUoxY0— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
▲6月5日のFCR-VITAに向けて練習する様子。
練習走行の様子をモニターでチェックする、いとうりな 選手(@loverina24)、兼松由奈選手(@yuna_unagi)、サポートの山本裕之さん(@RDS_Hiro)。 pic.twitter.com/HNIi0Af1K2
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
▲6月6日のKYOJO CUPに参戦するおふたりも、練習をチェック。
富士スピードウェイにて、本日は練習走行を行います。
日本ハムグループが今回から、新たに応援してくださっています。ロゴも加わりました!
皆様、応援よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/awKlK9WfD5— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
▲日本ハムグループ様が、新たにスポンサーしてくださることに。
世界的に見ても、長めな1,475mのロングストレートを走り抜ける、佐藤元春(@chobby2)、中川隆吾(@higeryugo)のVITA-01です。 pic.twitter.com/LsrRqCUfYL
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
この動画にもあるが、1.5kmにも及ぶ非常に長めのメインストレートを誇っており、ここでは熱いサイドバイサイドや複数台でのワイドが見られることだろう。
富士スピードウェイ、約1.5kmのロングストレート走行を撮影。 pic.twitter.com/kHexWoajwj
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
▲この動画は観客席の上方から撮影。距離の長さがわかることと思う。
富士スピードウェイ、練習走行。
第2コーナーから、コカコーラコーナーへと抜けていくシーン。 pic.twitter.com/jgPhc5BIRk— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
TGRコーナー(第1コーナー)を抜け、第2コーナーからコカコーラコーナーへと続く直線を撮影した。
コースの一部の撮影だけでも、ここまでズームしないと映像に捉えきれない。さすが全長約4.5kmの大きなサーキットだ。
練習走行直前、いとうりな選手(@loverina24)と、兼松由奈選手(@yuna_unagi)。
兼松由奈選手の緊張感が、画面越しにも伝わってくると思います!そして、余裕のいとうりな選手のスマイルにも注目。 pic.twitter.com/361aNZl8v6— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
練習走行、いとうりな選手(@loverina24)。
撮影していると、眼前でスリップする車両が!
このADVANコーナーは、フルブレーキングが必要となるため攻略難度が高めのようで、スピンするマシンを何度か見かけました。 pic.twitter.com/cy6ZU8hObL— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
富士山からの、兼松由奈選手(@yuna_unagi) pic.twitter.com/57mOhQVDDY
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
初日の練習走行は天気に恵まれ、路面コンディションも良好ということで、非常に有意義な予習になったそう。
ただし、翌日6月4日(金)と、KYOJO CUP決勝の6月6日(日)の天気は雨予報となっており、選手とピットクルー、スタッフの皆はそれが大きな懸念点となっていた。
実際に、6月3日(木)の練習走行を終える頃には、すっかり富士山が見えなくなるほどに雲が厚くなり、翌日の天気が悪くなるのを示唆していたのだ。
迎えた翌日。
富士スピードウェイ、練習走行。
猛スピードで水しぶきを上げながらコカコーラコーナーを攻める佐藤元春(@chobby2)のVITA-01、恒志堂レーシング610号車。 pic.twitter.com/e0qbsvsg0j— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
富士スピードウェイ、練習走行。
練習走行を終えた佐藤元春(@chobby2)ピットイン。
ビッシャビシャになりながらも、雨天状況の富士の走りをチェックしてきました。風邪をひかないように、乾かします! pic.twitter.com/77wlV0Yl7a— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 3, 2021
雨の中、気合のウェット走行練習を敢行するも、降水確率90%以上という予報の通りどんどん雨脚が強まっていくサーキット。
最終的には、早めに練習を切り上げ、翌日の決勝に向けてコンディションを整えておくことにした。
練習後、佐藤選手の乗車したVITA-01は、バケツで水をかぶせたかのように水浸しになっていた。
本日の富士スピードウェイ、昨日の雨の影響でモヤが少々残っております。路面は少し濡れたままになっているようです。 pic.twitter.com/xw3vTvlgAn
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 4, 2021
晴れて、日が差してきました!#富士スピードウェイ pic.twitter.com/DwbaOYGLXn
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
朝のうちは、前日の大雨の影響で路面がウェットで、コース上にモヤがかかっている状態だったが、佐藤選手と中川選手がミーティングに参加している間に晴れてきた。
ほかのレースプログラムが行われ、多くの車両が走行するタイヤとの摩擦によって、ドンドン路面が乾いていったのだという。
天候が味方するか否かというのも、レースでは重要なファクターになるのだな、と実感した。
富士スピードウェイ
予選 9時20分~
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6
)
予選に挑む佐藤元春(@chobby2)のコメントです! pic.twitter.com/fD57V58BFb— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
富士スピードウェイ
予選 9時20分~
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6
)
これから予選に向かう、中川隆吾(@higeryugo)のコメントです! pic.twitter.com/oP5H9gxp4E— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
こちらは、予選と決勝に挑むふたりのインタビューの様子。
路面はドライになりつつあり、あとは練習通りに気合の走行をして、ぜひ入賞して頂きたいところ。
コースの様子を直前に見に行くと、路面は完全に乾いていた。
富士スピードウェイ
予選 9時20分~
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6
)
GR Supraコーナーを抜けて、パナソニックコーナーに向かう610号車(緑)佐藤元春(@chobby2)と、35号車(ピンク)中川隆吾(@higeryugo) pic.twitter.com/dO7IjG3jFn— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
予選の走行は荒れることなく、ジェントルな雰囲気の中で行われた。
結果は、610号車佐藤選手が13番グリッドからスタート、35号車中川選手が12番グリッドからのスタートとなる。
富士スピードウェイ FCR-VITA
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6)610号車 佐藤元春(@chobby2)
35号車 中川隆吾(@higeryugo)決勝スタート!
開始、1分間でスピン、スリップ、続発。
大波乱の様相を呈しております……。 pic.twitter.com/SOwRZSYl2T— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
決勝がスタートし、コカコーラコーナーで接触があったのかスピンする車両が現れ、それを避けるために後続が慌ててハンドルを切りコースアウトが多発する事態になった。
やはり、決勝ともなるとドライバーの皆さんに気合が入るのか、練習や予選よりも攻めた走りをしているように感じたのは気のせいではないはず。
https://twitter.com/higeryugo/status/1401043013577547776
上の動画は中川選手の35号車から見た様子。
ファーストラップではこのような危なっかしい場面を見ることもあったが、その後は安定したレース展開となり、35号車と610号車が連れ添って順位を上げていく形に。
富士スピードウェイ
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6)LAP8の様子。
610号車 佐藤元春(@chobby2)
35号車 中川隆吾(@higeryugo) pic.twitter.com/7NAGdHuSU8— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
富士スピードウェイ
決勝 11時55分~
(決勝生中継 https://t.co/ISDMcsAdl6)610号車
佐藤元春(@chobby2)
→ポジション13から、6位着35号車
中川隆吾(@higeryugo)
→ポジション12から、8位着素晴らしい走りでした!! pic.twitter.com/ovgc14hDxq
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
両車ともに大きく順位を上げてのゴールとなり、特に佐藤選手は13グリッドからスタートし、着順6位と大健闘。
富士スピードウェイ
決勝レースを終えて……。6着 610号車 佐藤元春(@chobby2)
8着 35号車 中川隆吾(@higeryugo)ふたりのコメントをお届けします!
最後の、おちゃめなポーズ、息ピッタリの奇跡ww
(;'∀') < 台本無しですよ pic.twitter.com/nfDJW1EibY— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 5, 2021
レース終了後のコメント。息ピッタリの最後のポージングにも注目。
何事も継続と学び、共に育つを掲げる佐藤選手と中川選手、恒志堂としての姿勢が伝われば幸いです。
諦めずに何度でも挑戦していくという意志のもと、さらなる順位アップのために戦ってまいります。
翌日、2021年6月6日。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP決勝!いとうりな選手(@loverina24)
兼松由奈選手(@yuna_unagi)
に、意気込みを聞きました以下、生放送もされるので、ぜひご覧ください!
予選
11:00~11:25 https://t.co/CMsXpXhX2l決勝
15:25~16:00 https://t.co/EEVCDrj8NK pic.twitter.com/8qvSASaERC— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
いとうりな選手と、兼松由奈選手にインタビュー。
りな選手はVITA-01のレース経験者ですが、兼松選手は今回が何もかも初めてづくしということで、カメラ越しにも緊張が伝わってきていた。
そんな中、朝から降り始めた弱い雨が、富士の路面をまた濡らしているのが気がかり。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP決勝!#610(緑)いとうりな選手(@loverina24)
#35(ピンク)兼松由奈選手(@yuna_unagi)
予選のためにコースインするふたりの様子です。
取材もいっぱい来て、注目されています。決勝
15:25~16:00 https://t.co/EEVCDrj8NK pic.twitter.com/NB4XjuNWTP— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
予選、コースインしていく場面。
りな選手が先陣を切り、そこへ佐藤選手のアドバイスを受けながら兼松選手が後を追うように発進していく。
雨によって、前日と打って変わって路面はウェットになり、スリップにだけは気を付けてもらいたいと願うばかり。
こうして撮影に関わるようになる前は、テレビなどでスピンやクラッシュを見ても、凄いことだな怖いな、と対岸の火事のような感覚でいましたが、いまはただただ無事でレースを終えてピットに戻ってきてほしいな、と考える。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUPウエットな路面の中、公式予選を終えました!
#610(緑)
いとうりな選手(@loverina24)
→No.11グリッド#35(ピンク)
兼松由奈選手(@yuna_unagi)
→No.15グリッド決勝
15:25~16:00 https://t.co/EEVCDrj8NK pic.twitter.com/4HIUHi9GXm— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
ご覧の通り、非常に滑りやすい状況の中で走り切った。
610号車りな選手が11番グリッド、35号車兼松選手が15番グリッドからのスタートとなり、いざ決戦の時を待つ。
この時点では路面が濡れていたが、午前中に予選を行い、それから時間をおいて午後15時25分から決勝ということで、それが功を奏することとなる。
時間が経つと雨はやみ、路面は完全にドライになったのだ。ああ、お天道様ありがとう!
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP#610(緑)いとうりな選手(@loverina24)
決勝前のコメントです。
路面が乾いてアゲアゲになった!
セクシーアンドキュート❤決勝
15:25~16:00 https://t.co/EEVCDrj8NK pic.twitter.com/wRsb9RsH2K— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP#35(ピンク)兼松由奈選手(@yuna_unagi)
練習での疑問は常に先輩に聞いて、
勉強熱心な様子でした。
乾いたと伝えたら喜んでます。
頑張れ!かわいい!頑張れ!決勝
15:25~16:00 https://t.co/EEVCDrj8NK pic.twitter.com/IsSn4fYbSh— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
両者ともに、コースが乾いたということでテンション爆上げの図。
インタビューする自分も嬉しくなって、いつもより多く撮影しながら話しかけてしまった。
ともあれ、かくして決勝の時は近づき、気持ち的にも環境においてもベストコンディションの中で思う存分に戦えることとなった。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP#610(緑)いとうりな選手(@loverina24)
#35(ピンク)兼松由奈選手(@yuna_unagi)決勝スタートの様子。
りなさん、いきなり抜き出るので
カメラ慌ててます(;'∀') pic.twitter.com/AeXq6UtBjM— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
そして、迎えた決勝レーススタートの瞬間。
りな選手の610号車があまりにも良いスタートを切り、カメラが一瞬見失ってしまった。
本来いると思わしき辺りに存在しないので、あれ?となってしまい……慌ててカメラアングルが追いかけている。
一気に、2台の間をすり抜けていく姿は、上方から見ていても気迫十分だ。
第1コーナーでさらに2台の間を縫っていくという、圧巻の全力走行を見せてくれた。
その時の模様は、恒志堂のYouTubeチャンネルに動画としてアップしているので、そちらもご覧いただきたい。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP#610(緑)いとうりな選手(@loverina24)
#35(ピンク)兼松由奈選手(@yuna_unagi)LAP.8 ADVANコーナーを走る、VITA-01です。
首位集団の順位以外は大きく変わらず、手堅い走りを見せてくれました。 pic.twitter.com/dj9o1MX5uC— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
スタート後、先頭集団の4台ほどが競り合う状況が続き、それを追うようにりな選手がついていく。
少し離された後方を走るも、兼松選手は練習の時よりも確実に速く走れるようになっており、レースのペースに取り残されることがなくなっていた。
富士スピードウェイ
本日(2021年6月6日)
KYOJO CUP#610(緑)
いとうりな選手(@loverina24)
No.11グリッドスタート→6着#35(ピンク)
兼松由奈選手(@yuna_unagi)
No.15グリッドスタート→12着順位を上げてのゴール、お見事でした。
お疲れさまです! pic.twitter.com/26osARzj18— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 6, 2021
ゴールのあとに修正があり、正式順位は、
いとうりな選手11番グリッドスタートで、5位にてゴール。
兼松由奈選手は15番グリッドスタートで、10位でのゴールで確定した。
富士スピードウェイ
2021年6月6日
KYOJO CUP昨日、収録した決勝後のコメントです!
#610(緑)
いとうりな選手(@loverina24)
No.11グリッドスタート
正式着順は、5位で確定いたしました!
お疲れ様です! pic.twitter.com/qRaJElFjYZ— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 7, 2021
富士スピードウェイ
2021年6月6日
KYOJO CUP昨日の決勝後に収録したコメントです!
#35(ピンク)
兼松由奈選手(@yuna_unagi)
No.15グリッドスタート
正式着順は、10位で確定いたしました!
お疲れ様です! pic.twitter.com/F797afw9EQ— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) June 7, 2021
富士のレースは天候が変わりやすいという話を事前に聞いていたが、今回も例外ではなかったようだ。
しかしながら、刻一刻と路面状況が変化する中、皆さん素晴らしい走りを見せてくれたと思う。
FCR-VITAの佐藤選手、中川選手、そしてKYOJO CUPのりな選手、ジャンプアップでのゴールがとても見事だったと思う。
VITA-01でのレース、決勝、初めてという兼松選手も、インタビューで言及していますが、無事に無傷での完走、何よりだった。
まだまだ、今年のレースシーズンは始まったばかりなので、来月7月にある十勝スピードウェイでのレースを始め、これからも恒志堂レーシングの挑戦する姿をレポートして参ります。
これからも、応援よろしくお願い致します。
2021.07.14 2021年5月16日 北海道クラブマンカップレースRd.1
今回は、2021年5月16日に十勝スピードウェイで行われた、北海道クラブマンカップレースRd.1の様子を、当日撮影した動画を交えてレポートしていく。
レースが行われた十勝スピードウェイは、北海道河西郡更別村という場所にあり、北海道地図でいうと右下のほうに位置する。
のどかで自然がたくさんあり、農家一戸辺りの所有する土地の広さが十勝管内で最大を誇っていて、北海道内どころか、全国でも有数の畜産農業地帯となっている。
全国に先駆けて真っ先に5G通信網が配備されたというニュースがあったが、「なんで更別に?」と思う人が多くおられるだろう、しかしながら更別村は無人トラクターが公道を走っていたり、ドローンでの測量システムの実証実験が行われていたりと、実は日本のITの最先端技術が取り入れられている地域でもあるのだ。
数年後にはアメリカのシリコンバレーみたいになっていたら面白いし、夢がある。
話がかなり脱線してしまったが、レースのレポートに入ろう。
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!第1コーナー、パワフルなコーナリングをするKOSHIDO RACINGのVITA-01たち。#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/HxCZRpBMhj
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 14, 2021
北海道内唯一となる国際自動車連盟(FIA)公認サーキットで、5,100mのグランプリコースを備えており、3,400mのクラブマンコースと1,700mのジュニアコースに2分割して使用している。
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!No12.佐藤元春(@chobby2)
No712.いとうりな選手(@loverina24)
No310.浅井康児選手
No777.大島良平選手(@BrunaRacing)
日高山脈を背に、練習走行!#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/oxGZoV7AS1— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 15, 2021
ワンテイクで、練習中の4台をまとめて撮影することができた。
この8番コーナーは左への20Rのキツめの角度で、さらに直前の7番コーナーが右曲がりの25Rという逆カーブだということから、スピンする車両をたまに見かける難所だ。
アクセルワーク、ブレーキング、コーナーを抜けての立ち上がり、といった複合的な操縦スキルが要求されるだろう。
レースを撮影していたら、別のカメラマンに遭遇しました。
……あれっ!? 平中克幸選手(@K_Hiranaka)!?恒志堂カメラマン(@hiroyuki_215)の一眼レフを借りて撮影していたようです笑。 #十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/Bd8vKBy83Z
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 15, 2021
アドバイザーとして、平中克幸選手が同行してくださっている。
ご自身もレーシングドライバーであり、各地を戦って回っている身でありながら、こうしてスケジュールが合う限りは我々に朝から晩まで同行してくださり、様々な面から助言をして頂ける、これは本当にありがたいことだ。
恒志堂レーシング、スタッフ一同、本当に感謝しております。
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!風越星名(@sena_kazekoshi)を激写する人がいるから、誰かと思えば。
いとうりな選手(@loverina24)でした笑。さすが、頭身を高く撮る手法、スマホを逆さにして下から煽って撮ってます! イイヨイイヨー pic.twitter.com/qMojXJjk7t
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 15, 2021
レースや練習走行の合間の、ホッと一息ついた瞬間は、こういった選手の素の表情を捉えることができる。
いとうりな選手、見た目からクールな人なのかなと思いきや、結構気さくでお茶目な性格で自身も”自分は男の子です”というくらいに活発な人だ。
この、風越星名を撮影する姿、凄いシルエットになっていたので思わず休憩中だった筆者はカメラの電源をオンにした。
予選に向け、各選手のインタビューをしたので、その様子をご覧いただきたい。
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!12号車 佐藤元春(@chobby2)の予選前インタビュー。#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/BvGlqKszJy
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!35号車 いとうりな選手(@loverina24)の予選前インタビュー。#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/6HmJS8FMrQ
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!310号車 浅井康児選手(@ek9rocker)の予選前インタビュー。#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/cqbRGaYwBC
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!777号車 大島良平選手(@BrunaRacing)の予選前インタビュー。#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/9i95Z7m8qf
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
朝から濃いめの霧が立ち込める、十勝スピードウェイ。
路面がウェットではないもののドライとは言えない状況で、各選手は慎重なアタックを強いられることとなった。
ベストではないコンディションではあっても、恒志堂レーシングの面々は自分らしい走りを全うし、己の中での最高の成績を目指すスタンスで勝負に挑むという意気込みだ。
そういった姿勢が、チーム一丸となって必要以上に気負うことなく表彰台を狙う……という良い雰囲気を作り上げているように思う。
撮る側も、過度な緊張をせずに撮影に集中することができるので、個人的にも有難い環境だと感じている。
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!各選手、マシンに乗り込み走行準備完了!#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/DV18on3AzR
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!予選、レース開始! 恒志堂レーシング、4台のマシンが走ります!#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/LLVCPFEjYo
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
『2021 北海道クラブマンカップレース 第1戦』
(2021年5月16日)にKOSHIDO RACING参戦!霧の予選走行。
No.12佐藤元春(@chobby2)
No.777大島良平選手(@BrunaRacing)
No.310浅井康児選手(@ek9rocker)
No.35いとうりな選手(@loverina24)#十勝スピードウェイ #北海道クラブマンカップレース pic.twitter.com/zFMO2AkxVN— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
予選結果
12号車 佐藤元春選手 3番グリッド
310号車 浅井康児選手 5番グリッド
777号車 大島良平選手 8番グリッド
35号車 いとうりな選手 9番グリッド
以上の並びでのスタートとなる。
霧が完全には晴れない中、恒志堂の車両を含め15台のVITA-01による戦いの火蓋が切られた。
決勝レーススタートの瞬間です! pic.twitter.com/v5JuTvWbJU
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
上記、レース撮影初心者の自分が最初に見て不思議に思ったのが、正式スタート前にゆるりと1周だけ走って、再びスタート位置に戻り、改めて本気のスタートをする……というところ。
例えばマラソンだったり、短距離走だったりすると、まずスタートしたら本気の一本勝負なので、ウォーミングアップのようにまず1周してね、とはならないのだが、レースの場合は「あ!始まった!」と思ったら、周回してゆるーりとスターティンググリッドに戻ってきて、仕切り直し。という風になる。初めて見たときは「フライングでもして、またやり直しになったのかな?」と思ったのだが、違った。
よくよくこの撮影後に調べてみると、レースにおいては最初にフォーメーションラップといって、通常は必ずスタートする直前に行われるものなのだという。
このフォーメーションラップは、路面状況をドライバーが確認をしたり、スタート前に冷えてしまったタイヤを蛇行や急加減速をして温めたり、ランナーが体を温めるかのように実行される。
そして、改めてグリッド入りをし、正式な本番スタートとなるのだ。
まるで、車両たちが身震いをしつつ、手足をポキポキと鳴らして戦いに備えているかのよう。
決勝レース、恒志堂レーシングの4台が一丸となって表彰台を目指して走ります!
間髪入れずに来るので、カメラワーク必死です笑。 pic.twitter.com/C8Pmz5xBks— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
決勝レースの展開は、ほぼほぼスタートの形のまま順位が変わることなく、接触やスピンといったトラブルもないままにゴールした印象。
硬派な、それでいて紳士的な、単純にスピード同士のバトル、という感じを受けた。
スタートしてから、各車グリッドの順番を維持したまま走行。
いとうりな選手の35号車が、発進直後に8番から6番手にアップした以外は、ほとんど変化のない展開となった。
中盤、LAP5に突入しファーストコーナーに差し掛かったタイミングで、佐藤選手の12号車がアウトから1台に抜かされて4位となる。
終始、佐藤選手の赤いVITA-01と青いライバル車との差し合いが繰り広げられた。
そのまま各車、最終LAPまで多少の前車との距離を縮めたり広げたりという状況はありつつも、大きく競り合う場面も見られなかった。
結果は、
12号車 佐藤元春選手 4着
310号車 浅井康児選手 5着
35号車 いとうりな選手 6着
777号車 大島良平選手 9着
という結果となった。
皆様お疲れ様です。
レース後、撤収作業の合間に弊社代表の佐藤選手にインタビューすることができた。
恒志堂レーシング、
北海道クラブマンカップ第1戦に参加しました!
表彰台を逃してしまいましたが、
まだまだ継続は力なりのマインドで挑戦し続けます!皆様、応援を引き続き宜しくお願いいたします! pic.twitter.com/D1PdJQ0Btd
— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 16, 2021
話にある通り、ライバルたちのミスが無かったということもあり、スタートからゴールまで非常にハイペースなレースだったように思う。
撮影をして回るうちに、あっという間に終わっていたかのように感じた。
また、7月11日には北海道クラブマンカップレースの第2戦が行われるので、それに向けて恒志堂レーシングはたゆまぬ努力を重ねていく。
引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
2021.07.13 2021年5月9日 OKAYAMAチャレンジカップレース Rd.2
今回は、自分(恒志堂 映像撮影・編集担当 寺澤)が同行したOKAYAMAチャレンジカップレースの模様をお伝えする。
レースには、映像撮影と編集、さらに以下の恒志堂レーシングTwitterアカウントのリアルタイム更新という役目のために参加した。
モータースポーツについては、お詳しい方からすれば拙い知識しか持ち合わせていないので、現地でレーサーの方やピットの方などに勉強させて頂きながらのレポートになる。
以下、現地にて更新した動画付きでレポートしていく。
KOSHIDO RACING、OKAYAMAチャレンジカップレースに参戦。
写真左、レーシングドライバー 平中克幸氏(@K_Hiranaka)
写真右、恒志堂代表 佐藤元春(@chobby2)
気合と情熱十分のタッグで挑みます! pic.twitter.com/tELD9HJ8Zr— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 7, 2021
このレースは2時間耐久のルールとなっており、途中でドライバーを交代しながら戦う。
弊社代表の佐藤選手とプロレーシングドライバーの平中克幸選手が、タッグを組んで参加した。
何週目でピットインするか、交代するか、燃料やタイヤは大丈夫か、といったピットクルーとの綿密な打ち合わせ、連携が必要となる。
ちなみに、佐藤選手は今回、岡山国際サーキットでのレースが初めてである。
引用:http://www.okayama-international-circuit.jp/guide/course.html
コースは主にメインストレートとバックストレートの2本の直線、ヘアピンコーナー、リボルバーコーナーなどのバンク角が大きいテクニカルコーナーが待ち構えている。
それに加えて、写真や映像では分かりにくいと思うが、コース中で最も標高が高い地点と低い地点の差はなんと29mもあるのだ。
直線、コーナー、坂と、様々な状況に対処する能力がドライバーには求められるだろう。
『OKAYAMAチャレンジカップレース(2021年5月9日)』に向けた、公式練習!
コースで最も高い(標高275m)ホッブスコーナーを鋭く駆け抜ける!
バックストレートに入る直前の、アトウッドカーブは一番低く(標高246m)、その差はおよそビル10階相当の約29mもあります!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/6czoZ5A0pz— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 8, 2021
この動画では、車両はコーナリングしながら登坂している。
コースをよく分かっていないと、上がってるの?下がってるの?という事態になりかねない。
明日2021年5月9日本番の『OKAYAMAチャレンジカップレース』に向けて、本日「KOSHIDO RACING」公式練習中です!
佐藤元春(@chobby2)、VITA-01で全力走行!
それを見守るレーシングドライバー平中克幸氏(@K_Hiranaka)、この姿まさにバディ……!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/YHZUGa8rXK— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 8, 2021
上の動画は、リボルバーコーナーを抜けて、パイパーコーナーに向かう様子だ。
直線はグッと上りになっており、ヘアピンをを抜けると緩やかな下りになっている。
『OKAYAMAチャレンジカップレース(2021年5月9日)』に向けた、公式練習!
レースの醍醐味のひとつ、直線コースを加速して駆け抜けるVITA-01!
運転するのは佐藤元春(@chobby2)、平中克幸選手(@K_Hiranaka)が敵味方の戦力をクルーと一緒に観察して分析します!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/Qii3xM858w— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 8, 2021
メインストレートの全長はおよそ600m、この限られた直線でトップスピードを出せるのかどうかが、上位を狙う鍵となるだろう。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)予選走行スタート!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/TvOqzDEGNP— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
予選走行! 平中克幸選手(@K_Hiranaka)が乗るVITA-01、バックストレートからヘアピンコーナーへ!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/Z0MDgwEPGA— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
予選走行、まずは平中選手による第1スティントが開始される。
複数の車両が混み合う形となり、接触やスピンが多発し、赤旗が振られる場面を多く見かけた。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)の走行中、レッドフラッグでレースは一時中断。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/oYueVuqY2M— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
パイパーコーナーからレッドマンコーナーへの直線を駆け抜ける、佐藤元春(@chobby2)。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/SLabCV8lvO— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
その後、佐藤選手へとバトンタッチし、赤旗を振られレースを中断しながらもアタックを敢行。
他車のトラブルに集中力を削がれかねない状況ながらも走り切り、予選での順位は12位となった。
決勝は、12番グリッドからのスタートとなる。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
佐藤元春(@chobby2)が乗る緑のVITA-01、いよいよレーススタートです。クルーが見送ります。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/docd2tmhK4— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
2時間耐久レーススタート!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/QOYkdISEBF— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
予選の荒れ模様からして、決勝も荒れるかもしれない……。と、予想するも、意外にも決勝では赤旗が振られる場面がなかった。
そのため、非常に堅実な、マシンとドライバースキルのガチな戦いが繰り広げられることとなる。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
密な状況の中、佐藤元春(@chobby2)のVITA-01、慎重にすり抜けていきます。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/IQtymvr5Ic— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)が、VITA-01に乗り込んでスタート!
2時間耐久レース、まだまだ続きます。
ピットクルーの雰囲気も良いです。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/4EXrspYN0L— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
第1スティントを佐藤選手が走り切り、平中選手にたすきを渡すシーン。
ピットタイム3分4秒、レース開始40分経過のタイミングで第2スティントをスタートさせた。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)が、モスエスへのコーナーを攻める!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/JyqAqteNvm— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)、VITA-01でバックストレートを全力で走り、ヘアピンコーナーを攻略します!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/9eV1knZSD2— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
第1スティントの佐藤選手は20周、第2スティント平中選手は23周のタイミングでピットイン。
ここで第3スティントを佐藤選手にドライバーを交代。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)ピットイン、佐藤元春(@chobby2)と交代するシーンです!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/yDKu5jEyKu— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
佐藤元春(@chobby2)による、第3スティントがスタート! 2時間耐久レースのゴールは、後少しです!
この「エンジン回せ」の合図からの、VITA-01の発進。格好良いですよね。#岡山国際サーキット pic.twitter.com/M9UNqXOJ41— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
サーキットに西日が差し始める頃、ピットタイム3分ジャストでコースインした。
ドライバーのレーステクニックが勝利に重要なのは勿論であるが、このようなピットクルーによるレース前のマシンセッティング、レース中の迅速で精密な給油やメンテナンスも、非常に重要な要素となっている。
皆の応援とサポートを背に受け、ラストスパートに向けて全力で走る佐藤選手がチェッカーを担う。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
佐藤元春(@chobby2)、ついにファイナルラップ!
現在、順位は5位!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/xvmi2rW8hN— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
佐藤元春(@chobby2)ゴール!
ここで、ゴールの瞬間ピントも何も合わない痛恨のミス……。
5位でフィニッシュです!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/k0VNmYseIw— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
結果は、惜しくも表彰台に届かなかったが、5着でゴールという結果になった。
走行後、ふたりのドライバーにそれぞれインタビューをした。
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
弊社社長、佐藤元春(@chobby2)のコメントです。
惜しくも5位となり、表彰台は逃しましたが、これほどの台数の混戦の中、走りきりました!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/YDkW3Ourup— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
本日、2021年5月9日
『OKAYAMAチャレンジカップレース』
平中克幸選手(@K_Hiranaka)のコメントです。
レッドフラッグ振動が頻発した練習でしたが、決勝では佐藤元春(@chobby2)と共に、鋭い走りでライバル車に肉薄しました。また次回のレースも、お願いいたします!#岡山国際サーキット pic.twitter.com/LhdFPVMqg9— KOSHIDO RACING (@koshidoracing) May 9, 2021
惜しくも5位、されど5位。
先述の通り佐藤選手は岡山初参戦でありながらも、順位をアップさせる走りを見せてくれた。
そして、平中選手はデータと経験から的確な助言をチームに与えてくれ、ドライバーとしても間違いなく順位に貢献してくれた。
我々は、次回こそは表彰台、優勝を目指すといった目標を掲げ岡山を後にした。
以下、弊社YouTubeチャンネルに投稿したダイジェスト動画もあわせてご覧ください。
引き続き、恒志堂レーシングの応援をよろしくお願いいたします。
Fuji Champion Race VITA-01 Rd.4/KYOJO CUP Rd.4
開催日時:2021年1月30日(土)
開催地:富士スピードウェイ レーシングコース(静岡)
ドライバー(FCR-VITA):佐藤 元春、中川 隆吾
(KYOJO CUP):高橋 純子、RINA ITO
マシン:恒志堂レーシングVITA 610号機(佐藤 元春・高橋 純子)
恒志堂レーシングVITA712号機(中川 隆吾・RINA ITO)
参戦クラス:FCR-VITA、KYOJO CUP
天候(FCR-VITA):予選/晴れ、決勝/晴れ
(KYOJO CUP):予選/晴れ、決勝/晴れ
路面(FCR-VITA)予選/ドライ、決勝/ドライ
(KYOJO CUP):予選/ドライ、決勝/ドライ
佐藤 元春(FCR-VITA) 予選:14/24位 決勝:7/24位
中川 隆吾(FCR-VITA) 予選:12/24位 決勝:19/24位
高橋 純子(KYOJO CUP) 予選:10/12位 決勝:11/12位
RINA ITO(KYOJO CUP) 予選:6/12位 決勝:6/12位
全世界がCOVID-19による脅威にさらされ、各国でレース開催が危ぶまれた2020年シーズン。
トップカテゴリーであるFormula1ですら何戦かの中止がアナウンスされる中、無観客レースを
前提にFuji Champion Race(以下FCR)は開催される運びとなった。
参戦クラスは例年通りFCR-VITAとKYOJO CUP。Koshido Racingは今シーズンから全戦2台体制
でのエントリーとなった。ドライバーラインナップは、FCR-VITAにおいては610号機にチーム
オーナー兼ドライバーの佐藤、712号機に中川、KYOJO CUPでは610号機に高橋、712号機に
RINA ITOという布陣。
また、ドライビングアドバイザーとして、Koshido Racingの母体である有限会社恒志堂がスポン
サードしている平中克幸選手と大湯都史樹選手も駆けつけ、それぞれのドライバーの技術支援に
あたった。
FCR-VITA 610号機 佐藤 元春
FCR-VITA 712号機 中川 隆吾
KYOJO CUP 610号機 高橋 純子
KYOJO CUP 712号機 RINA ITO
<FCR-VITA公式予選>
これまでFCR-VITAとKYOJO CUPの最終戦はシーズン年内に行われていたが、今期は年明けに
ずれ込み、2021年1月の開催となった。そのため標高545~580メートルに位置する富士スピード
ウェイの外気温は常に一桁。北海道から遠征しているKoshido Racingの面々においても、長時間
外の風に当たっていれば身に染みる寒さである。
そんな寒空の中、8:25に予選がスタートする。
晴れ渡る空と富士の稜線をバックにセクター3を駆け抜ける610号機
この時の気温は4℃。前述の通り、これまでのFCRにはないほど低い気温であることから、各車
タイヤの熱入れを入念に行いつつ、アタックラップに備える。
1周のアウトラップを終え、1コーナーに飛び込んでいく610号機の佐藤。しかし、フロント
タイヤはブレーキングでいとも簡単にロックし、VITAは白煙を上げながらまっすぐに滑走を
始める。空は快晴であり、路面温度も日差しによってじわじわと上昇しているようであったが、
タイヤにはまだまだ熱が入っていないようだ。幸い、フラットスポットが形成された様子は
なく、前車との間隔に余裕があったためすぐに姿勢を立て直し、再びタイヤのコンディション
づくりに集中する。その後も何度か1コーナーへのブレーキングでタイヤロックが見られたが、
ターンインまでに挙動を回復させ、大事には至らず。如何に毎周、攻めた走りでタイムを削り
取ることに挑み続けているかということを、このブレーキングが如実に物語っている。
4輪すべての挙動が安定し始め、ターンインのステアリングの切り込みも鋭くなっていく。
オーバーステアを上手く封じられる絶妙なスロットル開度を保ち、その後はマシンの姿勢を
乱すことなく周回。2分2秒台…1秒台とラップを重ねるごとに徐々にタイムを短縮し、6周目に
予選ベストとなる2分0秒939をマークしたところで14番手につけた。日本最長のストレートを
持つ富士スピードウェイにおいて、今回は不運にもスリップストリームを使える機会が与えら
れないまま予選時間終了が迫る。この時点で610号機の周りにはたくさんのライバル車がひし
めき合い、その後はクリアラップの獲得すら難しい状況。アウトラップ及びインラップを除い
て8周回したことになるが、実質的に6周回でアタックラップは終了していた。
一方の712号機中川。こちらは富士スピードウェイの走行が今回で2度目と、まだコースその
ものへの経験が十分でなかったこともあり、佐藤以上に慎重なペースでVITAを走らせる。
アウトラップから2周目、3周目と佐藤の後ろに付けつつマシンの動きを探り、同様に2分2秒台
から1秒台へとコンスタントにタイムを削っていく。
初めて富士スピードウェイを走行した際には「どこを走ってよいのかわからない」と悩みを
吐露していたが、2度目にして早くも走行ラインは確たるものへと変貌していた。100Rでは
美しい弧を描き、ダンロップでは力強く立ち上がり、セクター3を無駄なくまとめる。この時の
中川には既にそのような走りが身についていた。
最終的な結果は2分0秒857と、エースの佐藤をも上回るタイムを刻み、9周回を経て12番手へと
付けた。
<FCR-VITA決勝>
スタート時刻は11:00。気温は予選時から1℃だけ上昇し、5℃。天候・路面コンディションとも
に大きな変わりはない。
610号機の佐藤は路面温度の低さを考慮し、3500rpmにてクラッチミート。順当にスタートを
決め、1コーナー進入までに#47 フジタ薬局アポロ電工MT VITAの徳升選手をパス。しかし、
1コーナーへのアプローチ中に7番手スタートのペトロナスBeFlat VITAの並木選手がタイヤ
ロックにてコース外に飛び出してしまい、これによって生じた混乱に佐藤も巻き込まれ、2台
に一気に抜かれてしまう。
スタート直後の1コーナー。早くも波乱含みの様相
気を取り直してコカ・コーラコーナーに向けて加速するが、そこでまた3台が絡むスピンと
接触があり、減速とライン変更を強いられることとなる。
続くコカ・コーラコーナーでも3台が絡むアクシデント
結果、上手くすり抜けて100Rへと突き進むが、この2つの混乱によって前との差を大きく
空けられてしまった佐藤。ここから巻き返しを図るべく、周囲の状況を注視しながら1台ずつ
攻略を開始した。
712号機の中川は、レッドシグナル消灯に素早い反応を見せ、絶妙なスタートを決める。
1コーナーでの混乱の最中に幅寄せを受けるなど、少なからず影響も受けたが、順位を落とすこと
なくコカ・コーラコーナーへ。すぐ前方を走行していた#5 ワコーズEDニルズVITAのタナカ
選手が進入のブレーキング中に挙動を乱したところをすかさず捕らえ、この時点で8位に順位を
上げる。このままトップ集団に食らいついていくか…そう思ったのも束の間、続くアドバン
コーナーで#37 KeePer VITAの翁長選手と#55 RaiseUP VITA-01の小西選手が接触。スピンを
喫し、コース中央で止まっていた翁長選手を避けるべく、中川は全力で回避行動に移る。
咄嗟の判断でアウト側へステアリングを切る中川
コースのアウト側へスピンしながら緊急回避し、互いのテールをかすめる程度に留めたことは
まさに神業であった。ただ、これにより一気にペースを乱した中川は、続くダンロップコーナー
で並走していた#47の徳升選手と接触、ダメージは残らなかったものの、混み合うコース内で
なかなか前に出られないといった状況から脱せずにいた。セクター3で前を走る2台のライバル車
に食らいついていった中川は、メインストレートでスリップストリームに入る。1台をコント
ロールライン付近でパスし、もう1台を1コーナーのブレーキングで刺そうとイン側にラインを
変えた際、さらに前方にいた#55の小西選手に追突してしまう。小西選手は前の周回で翁長選手と
接触した際に足回りにダメージを負い、スロー走行していたのだった。直前まで前走車の
スリップストリーム圏内にいた中川は、小西選手がスロー走行していたことに気づくことができ
なかった。その結果、スロットル全開で1コーナーを立ち上がった際に55号車のテールを押す格好
となってしまった。中川はこれが原因でレース後にコントロールタワーに呼び出されることと
なったが、状況を察したオフィシャルがペナルティなしの裁定を下し、順位変動はなかった。
今回のFCR-VITAはオープニングラップからまさに波乱の連続である。
最初の1コーナーでの混乱にこそ巻き込まれた佐藤であったが、その後はスピン車両の間隙を
ついて徐々に順位を上げていった。荒れるレースを見据え、自分の走行ラインを確保すると
ともに、確実にチェッカーを受けるべくVITAを走らせる。アドバンコーナーにおいては、チーム
メイトの中川が緊急回避にてコースアウトする中、着実に安全なラインをトレースし、ここでの
混乱もクリア。
その後はしばらく#522 佐藤工業IDI Racingの福岡選手の後を追う。つかず離れずの展開に、
佐藤も福岡選手もペースが上がっていく。1コーナー進入で大きくイン側にラインを変え、揺さ
ぶりをかけるも動じない福岡選手。鉄壁の走りで佐藤を前に行かせない。コース上での駆け引き
が続く中、福岡選手の前を走っていた#11 D.D.R vita01の瀧井選手との差も次第に詰まり、三つ巴
の戦いへと変化。4周目の最終コーナー立ち上がりをきれいにまとめた福岡選手と佐藤は、2台縦
並びで瀧井選手のスリップストリームへ。1コーナーまでに揃って瀧井選手をオーバーテイクし、
ここでまたひとつ順位を上げた。
#522 福岡選手とのバトルが続く
その後は再び福岡選手とのバトルが数周にわたって繰り広げられたが、タイヤを温存していた
ためか、終盤福岡選手のペースが上がり、軍配。佐藤は7位でチェッカーを受けた。
不運に見舞われ、大きく順位を落としてしまった中川であったが、すぐに気持ちを切り替え、
前走車を追いかける。元々高速域からのフルブレーキングを得意としているが、現在はそれに
加えてテクニカルセクションであるセクター3においても速さをみせており、ここでのライバル
車への差の詰め方が著しい。結果、メインストレートではしっかりスリップストリームに入る
ことができ、1コーナーまでに難なく前に出られる。2周にわたって#24 ENEOS☆CLA☆PMUの
見崎選手とのバトルを演じてきたが、5周目の1コーナー進入ブレーキングにてクリーンにパス。
続く6周目には前を行く#61 BBR VITA-01の山崎選手の一瞬の隙を突き、コカ・コーラコーナー
でインをかすめ、11番手までポジション回復を果たした。
#24 見崎選手との1コーナーブレーキングバトルを制す中川
ところが9周目のGR Supraコーナー。一瞬油断からステアリングとブレーキング操作を誤り、
単独スピン。これにより再び順位を落とし、19番手でチェッカーを受けた。
このレースで最も悔やまれるスピン
大波乱のFCR-VITA最終戦であったが、Koshido Racingの2名のドライバーは無事に完走する
ことができた。佐藤に至っては、その冷静なレース運びから予選順位を大きく上回る成績を
残し、今後に期待を寄せる走りを披露した。中川もトップ集団に十分加われるだけのラップ
タイムを刻んでおり、経験の少なさを感じさせない見事な走りだったといえよう。
610号機 佐藤元春 車載
https://www.youtube.com/watch?v=y1xazE9D5DQ
712号機 中川隆吾 車載
https://www.youtube.com/watch?v=X2ahwtHTLuM
<KYOJO CUP公式予選>
FCR-VITAが幕を閉じ、間髪入れず女同士の熱いバトルが始まる。短いインターバルであった
が、メカニックたちは全力でマシンのコンディションを整え、出撃に備える。
KYOJO CUPは午後からのレースプログラムとなっているが、気温は依然として低く、午前中
のレース時とコンディションはほとんど変わらない。レース前々日の練習走行時には北海道を
彷彿とさせるような降雪がみられ、KYOJO CUPが始まる今まさにこの時においても、コース脇
に雪が残っていたほどである。
610号機の高橋は本レースでKYOJO CUPへの参戦から一旦離れることになっていた。
悔いを残すまいと、気合十分でコースイン。とはいえど、慎重なレース運びを信条としている
高橋は決して無理をせず、確実にタイヤのコンディションを作っていく。アウトラップを終え、
2分5秒台での周回から徐々に詰めていく。特にタイヤに大きな入力がかかるセクター1において、
最終的にはそこだけで1秒以上も短縮していた。時折シフトミスをする場面もあったが、大きな
ミスもなく予選時間を走り切る。スピンすることもなく、一見攻めていないような走りにも見受
けられるが、セクター2や3においても着実にタイムを詰めており、自己ベストを更新する
2分3秒220というタイムで結果は12台中10番手。決勝では変わらずミスなく走り切り、上位を
狙うことが期待された。
712号機のRINA ITOはピットアウト前、マシンをシェアする中川と新品タイヤでの走り方につい
て入念に確認し合っていた。
712号機の動きについて互いの経験からベストなドライビングを探るRINA ITOと中川
アウトラップではマシンを小刻みに左右に振り、動きを確かめつつ、深いブレーキングでタイヤ
に熱を入れていく。路面の状態を探り、アタックラップ2周目からは一気にVITAを攻め立てた。
元々全日本ラリーへの参戦も多数経験してきたRINA ITOは、悪路走破においても高い能力を
発揮する。現に、2020年のKYOJO CUP初戦では大雨の中2位表彰台を獲得。多少滑りやすい路面
でもものともしない走りを披露する。
肝心なタイムの方も、序盤から2分1秒台を連発。しかし、ドライブするVITAは驚くほどに姿勢が
安定しており、走りに余裕さえ感じられた。Koshido Racingからエントリーする以前より他の
エントラントにて参戦していたこともあり、富士スピードウェイをVITA-01で走行することは
かなり慣れている彼女ならではといえよう。さらにアタックをかけたRINA ITOは、タイヤの美味
しいところを使い終わっているであろうアタックラップ7周目に2分0秒918をマーク。6番手で予選
を終えた。
<KYOJO CUP決勝>
時計は15時をまわり、日も少しずつ傾き始め、西日が眩しい時間帯となった富士スピードウェイ。
予選後もドライバー・サポート人員の皆に余念がなく、全力で決勝レースの準備に勤しむ。
ドライビングアドバイザーの大湯都史樹選手も、予選での走行データを解析し、高橋、RINA ITO
両ドライバーにアドバイスを送る。
AIMによるロガー解析から、わかりやすくアドバイスする大湯選手
そして迎えた決勝時刻。スターティンググリッドでは恒例のドライバー激励。
北海道代表として、佐藤とともに610号機で富士を走り続けてきた高橋純子選手
速さと走りの力強さを兼ね備えた712号機 RINA ITO選手
フォーメーションラップを終え、改めてそれぞれのスターティンググリッドにつく面々。12人の
競女たちによる戦いの火蓋が切られた。
610号機の高橋は、ややホイールスピン気味のスタートで11番手スタートの#7 ORCワコーズ
AFC・VITAに先行を許す形となる。その後のコカ・コーラコーナーでは、進入のブレーキング時
にややシフトロック気味となり、痛恨のスピン。
エンジンの再始動に時間を要してしまったこともあり、前との差はかなり開いてしまう。
しかし、この体たらくで終わるわけにはいかない。高橋は自分との戦いに切り替え、自己が持つ
タイムの更新と向き合い続ける。
決して諦めず、同じミスはしない。何かを吹っ切ったようにアグレッシヴなドライビングを見せる。
スロットル全開率は明らかにこれまでよりも上がっていた。
痛恨のスピン。この後再スタートまで時間を要してしまう
それでもドライビングそのものはラフなものではなく、タイヤの感触をしっかりと確かめながら
マシンを前に進める繊細さを失っていない。踏めるところは踏み抜き、抑えるところは抑える。
メリハリのある操作で、タイムは狙い通りに更新されていった。
ひとつでも高みに上がるべく、攻め続ける高橋
どのセクターも均等に詰めていき、8周目には自己ベストとなる2分2秒903をマーク。順位は
最後尾となったが、ここまで走り続けてきた成果は自己ベストの更新という形で証明した。
一方の712号機RINA ITOは、タイヤが冷えていることを考慮し、スタートは低めの回転で
クラッチミート。
これが功を奏し、1コーナー進入までに#522 佐藤工業 IDI Racingの岩岡選手の前に出る。大荒れ
に荒れたFCR-VITAの決勝レースとは異なり、 オープニングラップは各車トラブルなく周回。
この時点で5位のRINA ITOは、4位の#86 Dr. DRY VITAの猪爪選手を射程に捉え、追いすがる。
1位から4位まではほとんど差がなく、数珠繋ぎ状態。それに追随するべくVITAに鞭を入れるが、
猪爪選手との差は徐々に開き始める。
しかしある一定のところからは差が開かない。トップ集団の4台がもつれていることでラップタイ
ムがそれほど伸びていなかったためである。これを見たRINA ITOは俄然猛追。予選時と同等の
ペースで走り続けた。しかし、前走者がいないためスリップストリームが使えず、その差はなか
なか埋まらない。逆に後方から追い上げてきた岩岡選手が徐々に迫り、6周目のメインストレート
でスリップストリームに入られてしまう。7周目の1コーナー進入で真横に並びかけられるが、
ここはイン側でポジションを死守。ブレーキングでは一歩も引かない。立ち上がりからラインを
クロスし、コカ・コーラコーナーでアウトから再度仕掛けてくるが、ここでも辛うじて抑え
切った。100Rからアドバンコーナーでは速度を保ち、300Rからセクター3にかけても上手く
処理し、再びメインストレートへ。依然として後方にピタリと貼りつかれている状態であったが、
岩岡選手自身のミスもあり、8周目は抑え切った。
1コーナーで並びかけられながらも、ブレーキングで順位を死守するRINA ITO
9周目、急に712号機のリアタイヤがタレ始める。立ち上がり加速が一気に鈍り、最終パナソニッ
クコーナーで一瞬もたつく。その隙に一気に間合いを詰めてきた岩岡選手はスリップストリーム
を利用し、メインストレートで前へ。このまま行かせてなるものかと、RINA ITOは1コーナーの
ブレーキング競争でアウト側からしっかり並びかける。クロスラインで立ち上がり、コカ・コーラ
コーナーにむかって再度真横に並ぶが、アウト側にいたため、踏ん張り切れず岩岡選手に先行を
許した。しかし、続く100Rではテールトゥノーズでプレッシャーをかけ続け、ダンロップ
コーナーにおいても522号車の懐に飛び込むブレーキングを見せる。
1コーナーをクロスラインで立ち上がり、前に出るチャンスをうかがう
コカ・コーラコーナーにてイン側から再度仕掛けるRINA ITO
100Rではピタリと522号車をマークし、プレッシャーをかける
ただ、ここからは下ってきた分を一気に駆け上がる登り区間のセクター3。リアタイヤを消耗した
712号機には苦しい展開が待っていた。最終コーナーでミスなく立ち上がっても、次の1コーナー
でブレーキング競争に持ち込めるまでのストレートスピードは稼げない。岩岡選手のミスを誘う
べく、厳しい条件下で必死にプッシュを続けるが、一歩及ばず0.082秒差で6位でフィニッシュとなった。
惜しいという言葉だけでは括れない僅差の6位
高橋はベストラップでは8番手のタイムをマークし、RINA ITOは最後の最後まで手に汗握る展開
の白熱したレースを魅せてくれた。
今回のKYOJO CUPにて一旦参戦を休止する高橋純子選手
610号機 高橋純子 車載
https://www.youtube.com/watch?v=wiW8sG-4fT4
712号機 RINA ITO 車載
https://www.youtube.com/watch?v=c8jtTXMIogY&t=2s
~レース後、チームオーナーコメント~
予選はうまく前車のスリップを使うことができず、思うようなアタックができなかったため、
結果的に24台中14番手という結果で終わりました。1秒以内に10台以上がひしめき合っている
状況だったので、チャンスは必ずあると考え、決勝は気持ちを切り替えてひとつでも順位を
上げようという意識で臨みました。
決勝はスタート時のクラッチミートもミスなく、1コーナーで前走車集団が団子状態となって
いるところをアウトからかぶせていこうとしたところ、インから2台に先行されてしまいま
した。1コーナーの攻め方としては課題が残る形となりましたが、寧ろそこからは冷静になり、
いつもより集中力が研ぎ澄まされ、周りがよく見えるようになりました。コカ・コーラ、100R、
アドバンコーナーと、コースアウトやスピン、クラッシュする車両を見極め、自分は安全・
確実に順位をジャンプアップさせることができました。
おそらくオープニングラップで10位以内には上がっていたと思います。レースラップも前走車を
見る限り自分のペースの方が早かったため、無理にオーバーテイクを仕掛けるのではなく、
メインストレートでスリップストリームを使って確実に前に出ようという作戦をとりました。
しかし、1コーナーでイエローフラッグが出てしまったことでそれが適わなかったり、タイミ
ングよくオーバーテイクポイントが使えなかったことが残念であったとともに、もっと早くに
仕掛けておくべきだったと痛感しました。
ただ、イエローフラッグはいずれ解除されるわけで、それまでにしっかりと前走車の動きを
見て、どのタイミングで仕掛けようかと考えていました。やはりセクター3でチャンスが到来し、
前走車がオーバーステアを出した瞬間に大きく距離を縮めることができたので、スリップスト
リームを使って前に出ようと考えていたところ、その作戦が功を奏し、次周の1コーナーでオー
バーテイク、7番手までポジションアップすることができました。
6番手を走行していた522号車の福岡選手が、これまで温存していたのか最後の2~3周でペース
を上げたため、ついていくのがやっとの状況でした。ただ、いつ相手がミスするかもわからない
ため、最後まで虎視眈々と狙っていましたが、最終的にはとどかず7位でチェッカーを受けました。
レースラップや全体的なレース運びを通し、トップ集団とバトルできるようなレベルになってきた
ので、次戦では表彰台目指して頑張っていきたいと思います。
Koshido Racing 佐藤 元春
開催日時:2019年7月16日(火)
開催地:袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ(千葉県)
ドライバー:佐藤 元春、 竹谷 和浩、 船越谷 和彦
マシン:#55 VITA-01
天候:予選/雨 決勝/雨
路面:予選/ウエット、決勝/ウエット
予選(佐藤 元春):1/8位
決勝:4/8位
モータースポーツ事業全般の企画やプロモ―ションを手掛ける株式会社ファーストレスポンダーと
フェラーリジャパンが共催する本レース。ドライバーはフェラーリチャレンジレースへの参戦者
やF1/XXオーナー等が対象となる。マシンはウエストレーシングカーズ製のVITA-01のワンメイク
とされ、イコールコンディションでのバトルを通してフェラーリオーナー間交流が図られる。
フェラーリのモータースポーツ部門を率いる「コルセ・クリエンティ」のトレーラー
Koshido Racingからはチームオーナー佐藤、北海道クラブマンカップ及び富士チャンピオンレース
に佐藤とともに参戦している竹谷、過去に北海道クラブマンカップレースでSAURUS Jrをドライブ
していた船越谷の3名体制で挑む。佐藤・竹谷はもとより、先日VITA-01初走行で好タイムをマーク
した船越谷という今回の布陣。優勝への期待が高まる中、千葉へと向かった。
予選(9:30~10:30)
7月15日より現地入りしていた面々であったが、その日の走行時間は一切なく、当日の朝、シート
合わせから始まる。
天候は雨で路面はウエット。朝一、空を見渡した様子では、一日中雨天であることが容易に分かる
ほど厚い雲と雨脚にさらされていた。
長めにとられた予選時間は、VITA-01に不慣れな各ドライバーの練習時間も含むものであり、60分
間が設けられている。まずは袖ヶ浦の走行経験がある佐藤がコースイン。とは言ってもこれだけの
豪雨に見舞われると、もはやドライ路面とは走行ラインを大きく異にするため、これまでの経験が
頼りとなる。
1周目、セーフティーカー先導のもとでゆっくりと周回したが、コースのあちらこちらに大きな
水溜りができており、VITA-01のカウルの下からは多量の水しぶきが上がっている状況。セーフ
ティーカーはピットに入る様子はなく、そのまま2周目へ。セーフティーカーとの間合いを空け、
やや速度をのせてみるが、今にもハイドロプレーニングを起こすのではないかというコンディショ
ンである。
結局3周目もセーフティーカーはそのまま先導を続け、4周目にようやくレーシングスピードでの
走行が可能となった。水溜りの少ない箇所を選び、グリップを感じながらペースを上げていく
佐藤。しかし、油断するとあっという間に水の膜に四輪とも持っていかれ、コースアウトして
しまう。フロントタイヤで跳ねた水がカウルを通してドライバーに降りかかるなどいう場面も
あり、コンディションは過酷さを増していた。
奥に行くほど回り込んでいる5→6→7コーナーでは、奥目にクリッピングポイントをとるべく進入
でアウト側にマシンを振るが、常にオーバーステアとの闘いを強いられる。少しでもカウンター
が遅れるとたちまちスピンモードへ移行するが、同時にブレーキングも開始するため、ハイリスク
である。それでも徐々にマシンを手懐け、ラップタイムを削っていく佐藤。ドライバー交代ぎり
ぎりに1分32秒515をマークし、竹谷にステアリングを託した。
十勝のVITA-01レースではすっかり上位陣の顔ぶれとなった竹谷は慣れないコースということも
あり、インラップを丁寧かつ慎重に走行。しかし、マシンの特性とコースの特徴を1周で掴んだ
のか、2周目にはアタックを開始。その周を1分36秒台で周回し、3周目には1分35秒台と、確実に
タイムを短縮していく。
ヘビーウエットコンディションへの適応力も高く、いざ4周目といったところで他車のスピン・
コースアウトにより赤旗中断。余儀なくピットに戻った。車両が回収され、再びコースに繰り出す
竹谷。赤旗解除後ドライバーチェンジの時間が迫る中、1周のみ与えられたアタックラップにて
1分34秒238を記録し、走行を終えた。
十勝スピードウェイでの初VITA-01練習走行ではドライ路面でしか走行できていない船越谷。
マシンに乗り込み、コースインしようとしたちょうどこの時、雨脚が強くなった。
ここはやはり慎重にならざるを得ないであろう。数周にわたってマシンとコース、そしてウエット
路面の感触を確かめるべく、非常に丁寧にマシンを進めていく。しかし、過去にSAURUS Jrで
戦っていた経歴をもつだけにマシンへの順応性は非常に高く、3周目にはペースも上がり、オー
バーステアが出るくらいまで攻め込む姿が見られた。挙動にも慣れ、ペースを上げようかといっ
た矢先、再び赤旗中断となってしまい、ピットの中へ。解除されたとき、既に予選終了時刻を
迎えていたが、5分間の延長措置が取られた。コースに戻ってすぐ、ペースを上げようと奮闘する
船越谷であったが、他車が一斉にピットアウトしていったこともあり、コース上は混雑。周りに
合わせたペースを強いられ、タイムを伸ばすことは叶わなかった。
結果、佐藤が自身のスティント終了間際に記録した1分32秒515が全体のトップタイムとして残り、
見事ポールポジションを獲得した。
予選結果(ラップタイム)
佐藤 元春:1’32.515
竹谷 和浩:1’34.238
船越谷 和彦:1’36.924
決勝(11:00~15:04)
予選を終え、決勝スタートまでの時間は30分弱ほど。その間、予選結果を基にチームをマネジ
メントする中川により綿密な作戦が練られ、各員に伝達がなされる。彼もまたレース参戦経験は
豊富で、北海道クラブマンカップにおいては表彰台を獲得するなど、VITAレースに関しての見識
が深い。
予選の状況を基に、決勝での走行を組み立てる中川
また、佐藤よりVITAでは初レースとなる船越谷にアドバイスがなされる。
スターティングドライバーは佐藤が担当することとなった。10時50分コースイン。ホームストレー
トの1番グリッドにマシンを進める。言わずもがな天候は土砂降りのままである。
11時2分、フォーメーションラップがスタートし、各車コース状況を確認しながらゆっくりとVITA
を走らせる。雨量が多く、1周終えてもセーフティーカーはピットに戻らず先導のまま2周目へと
突入。
レーシングスピードでの走行を拒むかのように、袖ヶ浦の雨は一向に弱まらない。あちらこちらに
広がる水溜りがつながって川を形成し、ミッドシップのVITAにハイリスクなコース状況をつくり
出していた。
結局セーフティーカー先導が終わったのは4周後。その頃雨脚も若干弱まり、各車一斉に加速して
いく。佐藤は他車の追随を許さないと言わんばかりに1分32秒台のペースで後方とのマージンを
拡げていった。しかし、そんな予選さながらのレースラップも長くは続けられなかった。6周回
したところで再び雨量が増加、セーフティーカーが導入かと思いきや、そのまま赤旗中断となって
しまった。
その後リスタート予定は12時ちょうどとアナウンスされたが、コースコンディションの見極めから
正式にスタ―トが切られたのは12時30分。ドライバーは竹谷にチェンジしていた。佐藤が築いた
マージンはゼロになってしまったが、竹谷もまた悪天候にはめっぽう強いドライバーであり、善戦
が期待された。
リスタートもセーフティーカー先導となり、3周回したのち本スタートが切られた。意気揚々と
加速していく竹谷であったが、最初の1コーナーでのブレーキングポイントを見誤り、スピンを
喫してしまう。それに続く形で2位を走行していたマシンもスピン。
そのさらに後方を走っていたマシンには抜かれてしまったが、スピン後の的確なステアリング
ワークと対処により素早くレースに復帰したため、ポジションは2位をキープすることができた。
遅れを取り返すべく前を猛追する竹谷。しかし、5→6→7コーナーでトップを奪ったマシンがスピ
ン。これを慎重にかわし、再びトップへ浮上する。その後はマシンコントロールに集中し、再スピ
ンすることなく周回を重ねていったが、7周目に#77のチーム77にトップを奪われる。
チーム77は予選で佐藤のタイムのコンマ1秒落ちの僅差につけており、今回実質的なライバルチー
ムといえる。その中で3名いるドライバーのうち、都筑選手はポルシェカレラカップジャパンで
シリーズチャンピオンに輝いており、スーパーGTにもスポット参戦している経歴を持つレーシン
グドライバーである。その卓越したマシンコントロールは十分にKoshido Racingを脅かす存在で
あった。
先行を許した竹谷であったが、その後は離されまいと一定の間隔を保って追従する。
しかし、コースのいたるところでスピンが続出。12時44分、またもやセーフティーカー導入と
なる。
ここで給油を済ませ、船越谷にドライバーチェンジ。いよいよ船越谷のVITA初レースが始まった。
但しコースインした時はまだセーフティーカー先導中であるため、ゆっくりと隊列の後ろに加
わる。
アウトラップ後も3周にわたってスロー走行を強いられ、スロットルを全開にできたのは4周目
から。ところどころブレーキングでオーバーステアとなりながらもしっかりとコントロールし、
VITAを手中に収める船越谷。ラップタイムも1分35~36秒台を堅実にマークし、レースペースを
作り上げていく。ちょうど雨脚も若干弱まり、タイヤのグリップを感じ取りながら前を行く#77
との距離を詰める。危うく接触か、という位置まで肉薄するようなシビアな戦いが続いた。
なかなかにアグレッシブな走りで、確実にプレッシャーをかけ続ける船越谷。7周にも及んだ
テールトゥノーズのバトルを制し、ついにトップを奪還する。直後にピットインし、ポジション
を再び2位としたが、その走りは見事というに他ならないものであった。
次スティントはファーストドライバーに返り、佐藤が出撃。1スティント目の赤旗中断の鬱憤を
晴らすべく、ピットアウト直後から予選タイムのコンマ2秒落ちというハイペースで飛ばす。
その次の周には予選タイムを2秒以上超える1分30秒449という驚異的なタイムを叩き出し、1位を
猛追。やはりここまでのペースともなるとトップ返り咲きは時間の問題であった。2周後、最終
コーナー立ち上がりを上手くまとめた佐藤は一気に前走車との間合いを詰め、1コーナー進入まで
に難なくトップへ。その後も1分31秒台のタイムを安定して重ね、スティント後半には30秒台を
連発。こうなると次に狙うはレース中のファステストラップである。完璧な勝ちに拘り、プロ
ドライバーに真っ向勝負をかける佐藤は、慣れない袖ケ浦でしかも悪コンディションにもかかわ
らず、すべてのコーナーでVITAを攻め立てる。ロック寸前のシビアなブレーキング、路面状況を
見定め、4輪のグリップを最大限に活かし切るライン取り、パワーオーバーステアを出さない丁寧
な立ち上がりでのアクセルワークと、タイムを詰めるべく集中して走り続けた。しかし14周目の
1コーナー、一瞬の判断ミスがもたらしたブレーキロックによりコース外へオーバーラン。大きく
コースから飛び出したわけではないが、場所が悪くスタックしてしまう。
コース復帰からそのままピットに戻り、ドライバーは竹谷へとチェンジ。この時点でマージンは
30秒。再び差を拡げるべく奮闘する。しかしコースインしてすぐ1コーナーで予選3位の#74が
スタックしており、2分後またもセーフティーカー導入。解除されたのは約10分後。竹谷もまた、
佐藤に続くペースでラップを刻み、1分31~32秒台で周回する。ここで迫ってきたのは実質的な
ライバルともいえる#77。じわりじわりと差を詰め、何度も並びかけるが、竹谷も走行ラインを
巧みに変え、易々と前には行かせない。雨の中、見ている側にも緊張を強いるようなサイドバイ
サイドの戦いが続いた。一旦は前に出られるが、竹谷は行かせてなるものかと追いすがり、
一瞬の隙をついて1コーナーのブレーキング競争で再び抜き返す。
その後はギリギリのところでおさえていたが、2コーナーのクリッピングポイント付近で一瞬荷重
が抜け気味になっているところで#77と接触。2台ともにスピンを喫してしまう。#77はランオフ
エリアに吸い込まれていってしまったが、竹谷は幸いコース上にとどまった。これもまた、姿勢が
崩れた後の的確なステアリング操作がもたらした結果である。即時リカバリに転じた竹谷は動じる
ことなく戦線に復帰。ラストに1分31秒台を刻み、船越谷にステアリングを託した。
ラストスティントの船越谷であったが、ピットイン・ドライバーチェンジの間にポジションを5位
に下げてからのコースインとなった。走行を許された残り時間は実質5分ほど。少しでも順位を
挽回すべく、持てる力を発揮して攻め込んでいく。この日、自身のベストとなる1分34秒698を
マークし、4位のマシンへと肉薄。その走りが結実したか、ファイナルラップで前走車がスピン。
その横を冷静に通り抜け、4位にポジションアップし、ゴール。
終始このレースはセーフティーカーに左右される展開であり、その中での順位変動も目まぐるしく
起こった。ピットタイミングもあり、終盤に順位を落とす形となってしまったが、ペース的には
チームとして相当にハイレベルなものであったと言える。今後も耐久レースでの各ドライバーの
活躍が期待されるところである。
~レース後、チームオーナーコメント~
予選及び決勝と、非常に強い雨の中の走行となりましたが、悪天候の中でのトレーニングはこれ
までかなり積んできたため、自分としてはコンディションが悪い方が自信がありました。今回、
フェラーリチャレンジで常に表彰台に上がっているような速く、強いドライバーも複数人エント
リーしている中で、予選でポールポジションを獲得できたのは、これまでの雨の中のトレーニン
グの賜物であると思います。
途中でセーフティーカーが何度も導入されるようなレースだったため、それを見極めたピット
タイミングによって大きく順位が変わるレースでした。最も悔やまれるのは、自分がファステ
ストラップを刻みながらアタックしている途中、1コーナーでコースアウトしたこと。それに
よってスタックしたがために、それまで築いていたマージンをすべて失ってしまい、トップを
譲ることになってしまいました。やはりあのようなコンディションのレースこそ周りのクルマの
状況を見て、自分の持てる100%以内の力でドライビングすべきだったと痛感しています。少な
からずあれはチームで勝利するというよりも自分がファステストラップを記録したいという単独
での行為に起因したものであり、今後はやはりレースに勝つということに重きをおいて臨みたい
と思います。普段、北海道クラブマンカップで共に戦っている竹谷選手と、VITA-01では初レー
スとなる船越谷選手と一緒に走ることができ、良い意味で結束力が固まりました。この3名とは
これからもレースを続けていきたいと思います。
Koshido Racing 佐藤 元春
Blancpain GT World Challenge Asia Rd.3
開催日時(RACE1):2019年7月6日(土)
開催日時(RACE2):2019年7月7日(日)
開催地:富士スピードウェイ(静岡)
参戦チーム:Kizashi Koshido Saccess Racing
ドライバー:近藤 保 ・ 佐藤 元春
マシン:Lamborghini Huracan GT3
参戦クラス:GT3 AM(アマチュア)
天候:レース1~予選/曇り、決勝/曇り レース2~予選/曇り、決勝/曇り
路面:レース1~予選/ドライ、決勝/ドライ レース2~予選/ドライ、決勝/ドライ
レース1~予選:クラス4位/5台(全体21位/31台)
決勝:クラス3位/5台(全体18位/31台)
レース2~予選:クラス5位/5台(全体24位/31台)
決勝:クラス5位/5台(全体19位/31台)
SROモータースポーツグループがオーガナイズする本レース。2014年から開催されており、スポ
ンサーはスイスの高級時計メーカーであるブランパンが務める。
富士スピードウェイでの開催は、スプリント各地域戦として「GTワールドチャレンジアジア」と
しての1戦として扱われ、日本では他に鈴鹿サーキットにて開催されている。現在、ヨーロッパや
アメリカにて開催されており、グローバルシリーズへの位置づけを確立しつつある。
これまで富士チャンピオンレースシリーズをはじめとし、Ferrari challenge Trofeo やCARGUY
スーパーカーレース、マクラーレントラックデイ等、富士スピードウェイにおいて数々のレース
や走行会に参加してきたKoshido Racingであったが、ブランパンGTシリーズは今回が初。これま
でとは違った雰囲気に、ドライバーもチームスタッフもより一層レースへの意気込みの高まりを
感じていた。
富士スピードウェイのピットはブランパン参戦車両のみで埋め尽くされており、その関心の高さ
をうかがわせる。
ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ、メルセデス、アウディといった名立たるメーカーが
ピットを埋め尽くす。マクラーレンからも1台であるが、720S GT3で参戦していた。
今回のチームはKIZASHI×恒志堂。ドライバーは佐藤の良き友であり、良きライバルでもある
チームKIZASHIオーナーの近藤選手とタッグを組んでの参戦。
但し、ブランパンシリーズはエントラントをチームではなくマニュファクチャラーに移行されて
いるため、Saccess Racingからのエントリーとなっている。
<DAY1> 7月5日(金) フリープラクティス(45分間×2本)
ブランパンGTのフリー走行枠はこの日2本が設定されている。翌6日にも予選の直前に30分間の
走行枠が設けられているが、これをドライバー2名で走るとなるとひとりあたり僅か15分となって
しまうため、ここで可能な限りマシンに慣れ、コース攻略を組み立てておきたいところである。
そのための基本的な準備時間をとるために、ドライバーの佐藤と近藤は7月3日から現地入りして
いた。ここでコックピット内の説明やシート合わせを入念に行う。
7月4日には新ドライバーを対象とした筆記試験があり、佐藤・近藤とも受験必須である。日本での
開催とはいえ、国際規格のレースだけに問題はすべて英語表記。今年、海外レースを経験している
二人は難なく解読し、無事にパスした。内容的にはレースにおける事例やとるべき行動など、
難しい問題もあったようだ。
そして7月5日、ようやくフリー走行の日を迎える。この日の天候は曇り、路面コンディションは
ドライ。
12時40分、練習走行1本目が開始される。まずは佐藤がコースイン。走り慣れた富士スピード
ウェイとはいえ、初乗りのマシンということで慎重な走り出しである。2周目、まだタイヤに熱が
入っていないためか、オーバーステアが顔をのぞかせる。
4周目を過ぎたあたりから挙動が安定し始めるが、GR Supraコーナーではテールが落ち着かない
様子が続いた。まずは1分49秒807をマークし、そこから1周重ねるごとに約1秒ずつ短縮して
いく。一旦ピットへ戻り、状況をメカニックに伝える佐藤。コーナー進入においてアンダーステ
アが強く出現すること、またクリップから出口にかけてオーバーステアがみられ、特にセクター
3で顕著にみられることが伝えられた。時間に余裕があったため、ひとまずそのままコースに
戻り、周回を重ねる。最終的に1分46秒892をマークし、近藤にステアリングを譲った。
近藤もまた慎重にコースインし、少しずつウラカンGT3の挙動を感じ取りながらペースを上げて
いく。アタック1周目は初走行で様子見ながらではあるが、1分48秒221をマーク。そこから徐々に
詰めていこうというところであったが、2周目のアドバンコーナーを立ち上がろうとスロットルを
開けた瞬間、スピンで走行ラインを塞いでいるポルシェが近藤の眼前に現れる。近藤は緊急回の
ために自らもスピンを余儀なくされ、イン側のランオフに飛び出す。コース復帰しようとエンジン
を再始動し、リバースギアに入れるが、その場でスタックしてしまう。その後まもなくレッド
フラッグが出され、走行は終了となった。
走行後の感想としては、まずタイヤのグリップ感が薄く、印象としてはタイヤが硬いと感じられ
た。それもそのはず、鈴鹿サーキットでの10時間耐久レースで使用しているタイヤと同じもので
あるため、耐久性には優れていてもここ一発のアタックではグリップ感が薄くなるのは当然のこと
である。
スピン車両を発見し、自らもスピンさせて緊急回避する近藤
この時ちょうどTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレース参戦のため富士スピードウェイに訪れて
いた平中克幸選手がアドバイザーとしてピットに訪れ、サクセスレーシングの坂本氏へタイヤ変更
のアドバイスがなされた。
その後、佐藤と近藤にもドライビングについての指南がなされる。まず近藤へは走行中の目線が
近いこと、そしてブレーキングの初期踏力が足りないという点である。
佐藤へはブレーキを余しており、そのためにコーナリング姿勢に持ち込む際の荷重が足りていない
こと、基本はオーバー寄りのセッティングのはずなので、進入のブレーキングでうまく飛び込めて
いないために荷重不足に陥ってアンダーを誘発しているという分析であった。このあたりはやはり
初乗りのマシンでの走行であるが故に、マシン特性を掴みきれていないところが最もな原因と言え
るであろう。ドライバー双方に共通してブレーキングに課題が残り、その後の練習走行に向けて
自らの走行を振り返った。
平中克幸選手による両ドライバーの走りの分析がなされ、アドバイスがとぶ
練習走行1本目の反省点を踏まえ、いざ2本目へ…といきたいところであったが、ここでトラブルが
発生する。エンジンに火が入らないのである。懸命に原因を検索するメカニック。しかし、ウラ
カンのエンジンは一向に咆哮をあげることはなく、練習時間が刻一刻と迫る。
2本目の練習走行の時間となったが、この時点でもまだ走行ができるか不明瞭な状態であった。
調査を進めていった結果、ミッショントラブルと判明し、メカニックは必死に修復に励む。
しかし、この日与えられた走行時間内での修復は難しく、その後の練習を諦めざるを得ない状況と
なってしまった。本レースウィークは、練習走行1本のみ、近藤に関しては実質1周のみという
厳しい状況でのスタートとなった。
メカニックの懸命な作業が続いたが、この日の走行は断念することに
<DAY2> 7月6日(土)
Official Practice(8:00~ 30分間)
レース1当日の朝を迎える。サクセスレーシングのメカニックたちの懸命な作業により、ウラカン
は再び戦える状態を取り戻していた。
この日はレース1の予選だけでなく、翌7日に行われるレース2の予選も一緒に行なわれるが、パラ
パラと雨が落ちている。8時から練習走行が組まれているが、今日のレースは誰もがウエットコン
ディションになるであろうと考えるような雲行きである。
この8時からの走行が最後の練習となるが、雨は止まず路面はウエット。レインタイヤでの走行と
なった。
今回は前日にほとんど練習できていない近藤が先行してコース入りする。マシンに慣れる時間も
極端に少なかった上にウエット走行を強いられたが、終始危なげない走りでラップを重ねていく。
アタック数周のラップタイムは2分をオーバーしていたが、次第にマシン特性と路面状況を掴み、
1分57秒329というタイムを刻んで佐藤に交代した。
前日に練習できてはいるが、ウエット路面という点ではまた走り方を変えなければならず、手探り
状態でマシンをピットアウトさせる佐藤。アウトラップを終え、計測周回に入ったところ、なんと
前日に引き続き再び赤旗終了を強いられる。2度の赤旗に阻まれ、満足に練習できないまま本番を
迎えることになってしまったサクセスレーシング。それでも前日に気になっていたコーナー立ち
上がり時のオーバーステアは車高調整により落ち着きをみせ、乗りやすくなったという佐藤の
コメントから、予選・決勝での躍進が期待された。
ここで練習走行は終えることとなったが、すべきことは走ることだけではない。
タイヤ交換やドライバーチェンジでも大幅に順位が入れ替わる可能性があるのがレースである。
ピットストップはピットレーン進入からピットアウトまで概ね97秒を要し、タイヤ交換なしだと
作業41秒で戻れる計算。ドライバーチェンジの他にタイヤ交換ありとなると10秒くらい余分に掛か
る見込みである。ドライバーだけではなく、メカニック・チームスタッフ全員で勝ちにいくべく、
各々が常にベストを尽くせるよう走行時間終了後の合間を縫ってピット作業の練習が行われた。
QUALIFYING 1(11:12~ 15分間)
練習走行では完全なウエット路面だった富士スピードウェイであったが、レース1の予選開始時に
は曇り空ではあるものの、ドライコンディションへと変わっていた。ここは近藤が担当すること
となる。
ドライ路面での練習不足から、コースイン直後のペースは抑え気味にマシンの動きを探りつつ
周回。後方から迫る他クラスの車両を上手くパスさせながら、アウトラップでウラカンと対話を
続ける。挙動を乱すことはなく、タイヤを傷めるようなステアワークもない。丁寧な走りでライン
をトレースしていく。
コースインから4周回時点での近藤のタイムは1分47秒台前半。これに対し、アマチュアクラスの
トップが1分44秒3。この時点ではトップにセクター2とセクター3で1秒づつ離される展開であった
が、5周目に1分46秒403をマークし、クラス4位につけた。本当はまだまだ詰められたはずである
が、予選1枠15分という短い時間が、練習時間の短い近藤に重くのしかかった。
QUALIFYING 2(11:34~ 15分間)
レース2の予選は佐藤が担当。直前に近藤が走行していたこともあり、タイヤはまだ熱を帯びてお
り、コースイン直後から攻めの走りを見せる。朝一の短い走行の中で、コーナー出口でのマシンの
動きが落ち着いていることを感触として得ていた佐藤。アタック1周目から初日の練習走行での
タイムを更新する。
1分45秒台で周回を続け、アタック5周目には1分44秒509まで詰めたが、周りのライバル達も順次
タイムアップしたことから順位はクラス5番手にとどまった。
今回のレースウィークはドライバーすべてが練習不足を強いられたが、その中でも佐藤、近藤は
ブランパンシリーズ初参戦ということもあり、そのハンデの大きさは言わずもがなといったところ
である。しかし、トップとの差は約2秒2。堅実な走りを続ければピット作業や相手のミスで順位が
入れ替わる可能性があるだけに、追い上げが期待された。
RACE 1(15:45~ 60分間)
レース1は近藤がスターティングドライバーを務めることとなった。
スタート方式はローリング。フォーメーションラップを終え、ホームストレートに戻ってきた各車
は周囲のライバルたちをけん制しつつ、スタートの瞬間を待つ。
グリーンシグナルが点灯し、各車スロットル全開。闘志をむき出しにしたGT3、GT4車両たちが
一斉に咆哮をあげ、1コーナーに向かって一気に加速していく。まずまずのスタートを決めた近藤
はアウト側1台分を残し、ライバルたちがひしめく中に飛び込んでいく。しかし、フォーワイドの
最もアウト側から仕掛ける形となった近藤はイン側から押し出され、減速を余儀なくされる。
何とか接触を避け、その後に続くコカ・コーラコーナーに向かっていくわけであるが、依然として
コース上の混雑は変わらず予断を許さぬ状況。そんなスタート直後のごった返している中、コカ・
コーラコーナーを立ち上がったところで1台のメルセデスがスピンし、コースの真ん中で停車。
後続車は慌てて回避動作に徹するが、すぐ後方を走っていた777号車CARGUY Racingの488GT3は
何とか避けたものの姿勢を崩し、スピンを喫してしまう。
これにより近藤は順位をひとつ上げたが、2周目にもダンロップコーナーで他クラスの2台が絡んで
止まっているところをすり抜け、3周目では一度は前に出られたプロクラスの99号車をGR Supra
コーナーでスピンしている間に交わす。4周目でもまたアドバンコーナーでスピンしているプロ・
アマチュアクラスのR8をパスし、同一周回内でスローダウンしている同クラス128号車のウラカン
の前に出た。毎周回ミスやトラブルに見舞われるライバルたちを尻目に状況を見定め、着実に周回
を重ねていった近藤が順位を上げていき、気付けばクラス3位に浮上していた。一旦は777号車に
前に出られ、ポジションを下げたが、13周目にはスピンしている60号車の前に出たことで再び順位
を取り戻す。
スタートして数周の間、周囲は荒れた展開に
自身のスティントも後半に差し掛かると走りが鋭くなっていく近藤。ミスすることなく予選と変わ
らぬペースで走り切り、1分46秒台を安定して刻んでいく。14周を走り切ったところで総合順位を
16位とし、ピットイン。ここで佐藤にステアリングを託す。
佐藤はこのレースウィークにおいてドライコンディションでの走行時間が少しとれていたことも
あり、ピットアウト直後からペースを上げていく。交代後2周目に60号車のポルシェに前に出られ
たものの、その後離されまいと追い縋る。60号車の方がラップタイムで1秒ほど速いが、引っ張ら
れる形で佐藤もペースが上がっていき、次第にピット作業中に前に出られた128号車のウラカンを
射程圏内に捉える。
128号車のウラカンを射程圏内に捉える佐藤
4周目の最終コーナーで上手く間合いを詰めた佐藤はそのままスリップストリームへ。同じウラ
カン同士であるため、コーナー立ち上がり直後は速度差が現れないが、コントロールラインを越え
た辺りからその距離はじわじわと縮まり、1コーナーでのブレーキング競争へ。
ここで辛くも前に出た後は、その差を徐々に広げていく。佐藤もまたノーミスで周回を重ね、
近藤が築き上げたポジションをキープ。タイムは予選時の2~3秒落ちと上がらなかったものの
堅実な走りが実を結び、クラス3位表彰台の結果をもたらした。
3位ゴールの瞬間
健闘をたたえ合う佐藤と近藤
初参戦で表彰台という快挙にチーム全員が歓喜した。
サクセスレーシングにとって良い流れの中、レース1は幕を閉じる。レース2に向け、チームとして
の結束をより強めることができた。
<DAY3> 7月7日(日)
RACE 2(13:05~ 60分間)
健闘を誓い、スタート前に固い握手を交わす佐藤と近藤
レース2は佐藤がスターティングドライバーを務める。このレースの予選も佐藤が担当しており、
好タイムをマークしていたものの、その時一緒に予選アタックしていたドライバーが強豪揃いで
クラス5位のポジションからのスタート。総合順位によるグリッドでは24番手と、スタート直後に
前方がごった返すことは必至であった。
そしてスタート。レース1同様にローリングスタートで各車一斉に加速する中、佐藤も遅れること
なく前を追従する。
1コーナー進入において早めに減速を始めた60号車のポルシェを一時はパスするも、立ち上がりで
車幅の半分以上をアウト側の縁石にのせていた佐藤は、加速体制に移るのが遅れたことで再び前に
出られてしまう。しかし、まだタイヤに熱が入らない状態ながら、真後ろについてプレッシャーを
かけ続け、アドバンコーナー進入で積極的にインを窺うなど、アグレッシブに攻める。練習走行時
に見られていたセクター3での挙動の乱れは見られなくなっており、3周目の1コーナーではついに
60号車を捉え、クラス4位に浮上。しかし同一周回のGR Supraコーナーで痛恨のスピンを喫し、
そのポジションを再び譲ることとなってしまう。復帰にやや時間がかかってしまったが、全開で
追撃を開始。GT4車両に至ってはアウト側から抜きにかかるなど、自らのミスを取り返すべく攻め
続けた。その後は大きなミスもなく、1分46~47秒台で周回。16周を走りきったところでセカンド
ドライバーの近藤にチェンジする。この時点で残り26分。
ライバルチームのピットインのタイミングで一旦は4位にポジションアップするが、これは暫定的
な順位であり、コースに戻った時点では再び5位となっていた。レース1にてドライ路面での感覚に
かなり馴染めてきた近藤は、1分48秒台前半での走り出しをみせる。
その後さらに詰めていこうというところでコース上にはセーフティーカ―の姿が。この時点で残り
13分。追い上げるには好都合な展開となった。しかし、6分間にわたって先導し続け、リスタート
となった時には残り7分。この短い時間で前を捉えるべく、再びペースを上げる近藤。セーフ
ティーカー導入前のタイムをさらに1秒近く縮めながらラップを刻み、60分が経過した。
クラス順位は5位のままでのチェッカーとなったが、レース1同様に堅実な走りを続けたことが功を
奏し、総合順位では19位にポジションアップしてのゴールとなった。
~レース後、ドライバーコメント~
今回初めてウラカンGT3での出場ということもあり、フリープラクティスで挙動をしっかり身体に
馴染ませようと思っていたところ、車両トラブルにてフリープラクティスでの練習時間が思った
ようにとれませんでした。そのため、ほぼぶっつけ本番での予選アタックとなりました。最初に
乗った状態では非常にリアが出やすく、ピーキーな状態だったため、もう少し後ろを落ち着かせる
方向性でセッティングしてもらいました。リアウイングを立たせたことによってリアの挙動が
落ち着き、コーナーリング中の姿勢は安定したものの、やはり若干アンダーステアが強くなった
ことと、ストレートスピードが落ちることによってメインストレートや300Rが活用できない状況
となりました。どちらを選ぶか悩みましたが、最終的には多少オーバーステアの方向に変更して
予選アタックに入りました。 ぶっつけ本番ではありましたが徐々に慣れることができ、自分とし
ては実力を発揮できたと思っています。但し、ヨーロッパ・アジアのプロドライバーたちが多く
出場しているレースであるが故に非常にレベルが高く、今の自分の実力では太刀打ちできるような
ものではありませんでした。
ブランパンアジアに関しても個人のスプリントレースではなく、チーム力が非常に生かされるもの
です。エンジニアやメカニックとより上手く連携できれば、もっと上を目指すことができたのでは
ないかと思います。レース1に関してはピットイン、そしてドライバー交代を無駄なく終えること
ができ、初出場3位表彰台は非常に嬉しいものでした。
レース2は自分がファーストスティントを担当したのですが、周りがほぼすべてプロという厳しい
状況での戦いとなり、GT3クラスの中では最後尾から追い上げという形になりました。脇阪薫一
選手を1コーナーでオーバーテイクできたことはよかったものの、プロドライバーから受ける
プレッシャーというものは凄まじいものがあり、スープラコーナーで圧力に負け、スピンを喫し
てしまいました。そのプレッシャーに対する精神的な耐性や、可能な限り自分のレーシングライ
ンを保つ走りが可能となるようなトレーニングが必要であると感じております。プロの方々と同じ
場でバトルができたことで非常に勉強になったので、今後の自分のレース活動に活かしていきたい
と思います。
Koshido Racing 佐藤 元春
2019.6.23
北海道クラブマンカップレースRd.1 VITA-01
開催日時:2019年6月23日(日)
開催地:十勝スピードウェイ クラブマンコース
ドライバー:佐藤 元春(#12)、鶴賀 義幸(#310)、常松 巧(#516) 竹谷 和浩 (#712)、
大島 良平(#777)
マシン:恒志堂レーシングVITA 12号機、310号機、516号機、712号機、777号機
参戦クラス:VITA-01クラス
天候:予選/曇り、決勝/晴れ
路面:予選/ドライ、決勝/ドライ
佐藤 元春 予選:3/17位 決勝6/17位
鶴賀 義幸 予選:1/17位 決勝1/17位
常松 巧 予選:8/17位 決勝7/17位
竹谷 和浩 予選:4/17位 決勝:3/17位
大島 良平 予選:10/17位 決勝:9/17位
Koshido Racingとしては参戦3年目となる北海道クラブマンカップレースVITA-01。昨年までの4台
体制から、今期はさらに1名のレギュラードライバーと1台のマシンンが増え、5台体制でのエント
リーとなった。 エースカーは例年通りチームオーナー兼代表である佐藤元春が搭乗。昨年までの
グリーンを基調とした610号機に代わり、今期新たに準備された12号機を投入。“音速の貴公子”と
呼ばれたF1ドライバー、故アイルトン・セナが駆る往年の名車、マクラーレン・ホンダMP4/6を
イメージしたカラーリングが施された(TOP画)。 310号車には、富士スピードウェイにて開催
されている富士チャンピオンレースシリーズ(以下、FCR) VITAに昨年まで参戦し、常に上位争
いを繰り広げていた鶴賀義幸がそのシートに収まる。2019年の北海道シリーズをKoshido Racing
からのエントリーで戦うことになった鶴賀は、現在TOYOTA GAZOO Racing86/BRZレースにエキ
スパートクラスのドライバーとして活躍しており、ビジターながらその活躍が期待された。
310号機 鶴賀 義幸選手
今年新たに投入されたVITAには516のナンバーが与えられ、これまでのKoshido Racingにはない
イエローを基調としたカラーリングが施されていた。ドライバーもまた、今期新たに加わった
常松巧がレギュラードライバーとしてこれをドライブする。 チーム代表の佐藤とは旧知の中である
常松は、これまで様々なスポーツカーやチューニングカーをドライブし、十勝スピードウェイの
コースレコードホルダーの経歴を持つベテランドライバー。こちらも大きな期待を背に2019年
シーズンを戦う。
516号車 常松 巧選手
712号車はチーム代表の佐藤と同様、3シーズン目を迎える竹谷和浩が担当。今期の竹谷は十勝
スピードウェイだけでなく富士スピードウェイにも遠征するなど、その活動の場を拡げ、より多く
の経験値を得ている。昨年の本シリーズ最終戦では見事優勝を飾り、今年もその勢いは衰えること
を知らない。 そして777号機もまた、昨年同様に大島良平がドライブすることとなった。参戦2年
目の大島は日頃よりレーシングカートに勤しみ、またサーキット走行の度に自身の走行データ解析
に励んでおり、そのドライビングスキルは理論で裏付けされつつある。様々な走行経験からヒント
を得てVITA-01での戦いにフィードバックし、成長してきた。
<DAY1> 6月21日(金) 練習走行
佐藤、竹谷、常松の3名は公式練習走行の前日から現地入りし、セッティングと修練に励んでい
た。この日は通常のフリー走行枠を利用。エースカーである12号機はアドバイザーである平中克幸
選手がセッティングを担当し、佐藤は参戦2年目までドライブしていた777号機のセッティングを
煮詰めていた。竹谷は712号機を、常松は516号機の感触をそれぞれ確かめつつ、今期初戦に向けて
のコンディションづくりに励む。
12号機のセッティングにあたる平中克幸選手
今年の北海道クラブマンカップレースシリーズの開幕は例年より遅めであり、4月から5月にかけて
練習に充てる機会が得られていた。今期から搭乗の常松は4月のVITA初乗りで1分33秒427を記録。
十勝スピードウェイレコードホルダーの経歴をもつことを裏打ちするかの如く、初乗りでは驚異的
なタイムである。これまでの経験が存分に活かされていることはその結果が物語っているといえ
よう。そして臨んだ今回の練習走行であるが、より速く走るために考えたが故の迷いが生じ、
序盤のタイムは1分34~35秒台にとどまっていた。
自らの走りを振り返り、悩む常松
それでも4スティント目には33秒台へと押し上げ、さらに走りをまとめ上げた結果、最終スティン
トでは1分33秒853まで短縮した。 竹谷の712号機はシーズンオフ中にエンジンオーバーホールを
受け、4月に入念に慣らしを重ねた後で本格的に始動。5月にはFCR VITAの第1戦を佐藤とともに
戦い、2年ぶりの富士スピードウェイでもそれを感じさせない走りを披露していた。そんな好調の
竹谷は1スティント目から1分33秒台を連発。やはり昨シーズンからVITAの走らせ方を掴んでいる
様子で、本人もその手応えを感じていた。最終スティントではついに32秒台へと突入し、平均的な
ラップタイムも33秒前半をマークし続けていた。 佐藤が数スティントをかけて仕上げた777号機
は、フロントの接地性を高める方向でセッティングが進められ、翌日の大島良平に託されること
となる。その後、佐藤は平中選手の手によって詰められたセッティングを確かめるため、本来の
12号機にてコースイン。1分33秒台を安定して刻み、限られた時間ではあったが、1分33秒103を
マークし、この日の練習走行を終えた。
練習走行結果
#12 佐藤 元春: 1’33.103
#516 常松 巧 : 1’33.853
#712 竹谷 和浩: 1’32.924
<DAY2> 6月22日(土) 公式特別スポーツ走行(30分間×3本)
朝から大雨に見舞われた2日目。コース上のあちらこちらで川となって大きな水溜まりを形成して
いる。天気予報でも一日中雨が降り続くことが明らかとなっており、終日ヘビーウェットでの
走行を強いられた。 この日は常松が都合で参加できなかったが、鶴賀の到着に加え、大島良平の
合流により、4台での練習走行となった。
全車タイヤのエア圧を高め、しっかりと接地面圧を上げてコースイン。それでも常にハイドロ
プレーニングとの戦いとなっており、練習走行といえど常に緊張が強いられた。
車載から見るコースの様子。路面の大半は川や水溜りで覆われている。ここで頭角を現したのは
310号機の鶴賀。FCRの舞台となる富士スピードウェイは天候変化が激しく、雨天走行となること
も多い。それもヘビーウェットとなることが少なくないことから、今回その経験が大いに活かされ
ていたことは容易に想像できる。 タイムはファーストスティントで他の3台から抜きん出て2秒近
く速いペースを保持。ウェットではコントロールがシビアなVITAを、まったく危なげなく前に
進めていくドライビングは圧巻であった。
佐藤もまた、雨の中での走行経験は豊富である。というのも彼は練習魔なのである。これまで課題
を見つけては時間をつくり、ただひたすらに、ひたむきに練習し続けてきた。その中で幾度となく
雨の日もあった。勿論、レース本番においても台風が迫る富士スピードウェイをVITAやGT3マシン
で走り切るなど、過酷な状況での経験を積んできた。それを裏付けるかの如く、最初こそ慎重な
走り出しであるが、セカンドスティント、サードスティントと走行を重ねるごとに着実にタイムを
上げていく。路面がグリップするところを即時分析し、ラインを工夫しながらマシンを前に進める
佐藤。最終的には鶴賀と遜色ないタイムをマークするに至った。
ここ何戦かでマシンコントロール精度を飛躍的に高め、悪条件下ではチーム随一の力を発揮する
竹谷。ファーストスティントの1コーナー進入でオーバーランし、痛恨のコースアウトを喫したも
のの、その後の立ち直りは早く、臆することなく攻め込んでいく。セカンドスティント開始直後に
はコースアウト前と変わらぬタイムで周回し、雨量が減ってきたタイミングでベストラップをマー
ク。コースセクションごとにタイムを見ると、比較的アグレッシブに攻め込むセクター1やセク
ター3が速い竹谷であるが、ヘビーウェットの繊細なステア操作も兼ね備えているところがこの
コンディションにおいても強さを見せる所以である。
その場でのロガー分析から走り方を随時変え、いかなるコンディションにおいても貪欲に速さを
求める大島良平。脚回りのセッティングがやや荷重をのせて曲げるタイプの777号機は、他の
Koshido Racing VITAに比べて初期のステア操作における機敏性に劣るが、ウェット路面での操作
性には優れている。 この日ははるばる筑波よりガレージBe:Flat代表の関口氏も応援に訪れ、777
号機のセッティングについてともに考え、方向性を探った。関口氏は鶴賀とともにFCRを戦い、
VITA-01のセッティングにも非常に長けている。なお、今期鶴賀がVITAを降りたあとも他のドラ
イバーと組み、FCR-VITAの第1戦では見事ポディウムの頂上に導くことに成功している。
セカンドスティントでは試験的にECUを載せ替え、いつも以上によく廻るエンジンへと変貌。
シビアな挙動の12号機に乗る佐藤に肉薄する場面もあった。とはいえ雨量は多く、ラフにブレーキ
ングしながらコーナー進入しようものならたちどころにオーバーステアを誘発してしまう。走行中
ブレーキバランサーに手をかけ、挙動を安定させる姿も見受けられた。加えて素早いカウンター
ステアが功を奏し、スピンモーションに移行することなくマシンを前に進める。大島良平は冬季の
雪上走行会においてもその的確なステア操作により好タイムを記録していたことから、コンディ
ションの悪化をものともしない実力を兼ね備えているといえよう。
素早いカウンターステアによりコントロールを破綻させることなくコーナーをクリアしていく
大島良平
公式特別スポーツ走行結果
#12 佐藤 元春: 1’48.669
#310 鶴賀 義幸: 1’48.371
#712 竹谷 和浩: 1’49.089
#777 大島 良平: 1’48.731
<DAY3> 6月23日(日) 予選(9:35~9:55)
曇天ではあるが前日の雨はすっかり上がっており、コース上はドライ。但し、ひとたびコースを
飛び出せば、多分に水分を含んだグラベルや芝が容赦なくVITAをスタックへと誘い込むであろう
ことから、油断は禁物といった状況。筆者の記憶が正しければ昨年の第1戦も同様のコンディショ
ンであったと思われる。気温16.8℃、湿度59%と、走行に関してのコンディションは悪くはない。
2019年の十勝初戦のエントリーは17台。予選時刻を迎え、その各車が次々とコースインしていく。
Koshido Racingからまず最初に飛び出していったのは310号機鶴賀。前走車がウォームアップ走行
している中、早々にペースを上げ、クリアラップを確保。1分34秒台、33秒台と着実に詰め、
アタックラップ3周目には1分32秒155のトップタイムを叩き出す。その後様子を見ながら走行して
いたが、32秒台前半を連続で記録し、少しばかり時間を残してピットへ戻った。以降も記録を更新
されることはなく、ポールポジションを獲得。
エースカーの佐藤もアタックラップ2周目にして1分33秒307をマーク。12号機もそれに呼応するか
の如く、余力を残している様子。しかし、佐藤がさらに詰めようとアタック3周目に入ったところ
で問題は起こった。ガス欠症状が出現したのだ。元々軽量のVITAはちょっとした燃料搭載量の差に
よって動きが簡単に変わってしまうため、一発のタイムを狙っていく予選では極限まで給油量を
絞る。無論、これまでのデータから算出された量を直前に入れるわけであるが、わずかな気候の差
によって燃料消費量は変わってしまう。今回それが災いとなったか、想定よりかなり早い段階で
アタックを終了せざるを得ない状況となってしまった。結局アタックわずか2周目にマークした
タイムがそのまま予選記録として反映され、3位で終えることとなる。佐藤は悔しさを滲ませた。
一昨日の練習走行から一日おいた516号機の常松は、アタックに入ってすぐ前走車のスピンに巻き
込まれそうになったものの、間一髪でかわし、リズムを崩すことなくアタックに復帰。
1コーナー進入は慎重なブレーキング姿勢を見せるが、コース幅を有効に活用したスムーズなライ
ン取りが特徴である。特に最終コーナーのライン取りはひとつのコーナーであると錯覚するような
美しいラインをトレースしていく。エンジンパワーがそれほど大きくないVITA-01は、ステアリン
グ舵角を与え過ぎると失速に直結してしまう。故に常松のドライビングはロスの少ない走りと言え
る。目立ったミスもなく、1分34秒618をマークし、予選8位につけた。
712号機の竹谷は前日のウェット走行の感覚が抜けず、アタック序盤はかなり苦労していた。しか
し、徐々にそのライン取りやブレーキングは精彩さを取り戻し、周回を重ねるごとにタイムが短縮
されていく。1分35秒台から1秒ずつ縮め、アタック4周目で1分33秒476をマーク。その後も貪欲に
タイムを追うべく攻め込むが、次の周でスピンを喫してしまう。上手く感覚が戻りつつあることを
感じていた竹谷は間髪入れずコースに復帰。記録更新を狙うが、ここで12号機の佐藤と同じくガス
欠症状が出現。手応えを感じていただけに、こちらも無念さを隠せないまま予選終了となった。
ポジションは4番手となったが、決勝のグリッドは2列目からのスタート。上位が狙える位置で
あり、決勝に向けての意気込みが強く感じられた。
777号機の大島良平は、セッティング変更後初のドライ路面走行となり、若干戸惑いながらの走り
出しとなった。これまでとコーナー進入での向きの変わり方が大きく変わっており、各所でテール
スライドさせながら走行している姿が目立つ。それでもウェット走行の時と同様、カウンターステ
アに移行するまでの動きが素早いため、スピンモードに陥ることなく、ドリフト状態を維持した
ままコーナーをクリアしていた。しばらくオーバーステアと戦い続けるうちに現状のセッティング
に順応し始め、コーナー進入初期の操舵角が小さくなっていく。それとともにリアの動きも落ち
着き始め、無駄のない操作へと変化していった。結果、タイムは1分34秒台後半から35秒台前半を
コンスタントに刻むという形で反映され、安定した走りをみせた。
~以下、公式予選終了後ドライバーコメント~
佐藤 元春
予選は3位という結果となったが、アタックラップ3周でガス欠症状が出てしまい、やむなくそこで
予選を終えることになってしまった。個人的には非常に残念な結果だったが、レースではまだまだ
ペースを上げられるので、決勝では予選ポールポジションの鶴賀選手と一緒に表彰台に登れるよう
に頑張りたい。
鶴賀 義幸
5月に練習した時からフィールは良かったので、このまま思った通りに攻めればタイムは出るだろ
うと思って挑んだ。ニュータイヤを入れたことで自己ベストを更新でき、ミスもなく走れたので
よかった。チームオーダーが出ていたためその後も走行を続けていたが、戻ってみたところトップ
タイムを記録できていて驚いた。ポールポジションから出られるので、決勝もこのままぶっちぎっ
て勝ちたい。
竹谷 和浩
昨日一日中ウェット走行を続けたことでドライの感覚がリセットされてしまい、本当はあと3、4周
重ねたかったがガス欠症状が出てしまった。4周目に1分33秒4が出てから、もう2、3周詰めたかっ
たが残念。決勝は12周と長いので、ドライの感覚を取り戻しつつ、攻めたい。
常松 巧
タイヤを新品としたが、まだ車に順応できてないという状況。タイムも予想以上に伸びず、1分33
秒台に届かなかった。それでも予選中に車の特性を把握できたので、決勝では完走を目指して、
できれば6位以内を目標として頑張りたい。
大島 良平
曲がるセッティングに変更してもらったが、それに慣れ切らない。ウェット路面の昨日は気持ちで
踏めたが、今日は曲げるセッティングに上手く適応できず、ブレーキングを終えてからアクセルを
踏むまでの空走時間が長くなっている。向きは変わるようになったが、ボトムスピードが遅くなっ
ている。これからロガーデータを確認して、どこが悪いのか考えて決勝に挑みたい。
決勝(14:35~、12LAP)
午後になり、順当に気温が上昇しているが、予選時のコンディションから大きな変化なく決勝の
時刻を迎える。
今年の十勝初戦での健闘とクリーンなバトルを誓い、恒例儀式から始まるKoshido Racingの面々。
予選での失敗を踏まえ、各車ゆとりをもって給油を済ませ、ピットアウト。グリッド上にはチーム
オーナー佐藤の計らいで、ドラゴンクエストの登場人物であるセーニャとベロニカに扮したスタッ
フがレース前のひとときを盛り上げた。
そしてフォーメーションラップへ。限られた時間の中で可能な限りタイヤに熱を入れるべく、各車
速度を上げていく。ホームストレートに姿を見せる頃には、最後の仕上げと言わんばかりにエンジ
ンを唸らせ、リアタイヤをしっかりと潰しにかかる。 すべてのVITAがグリッドに再整列し、ほど
なくしてシグナルブラックアウト。ポールポジションの鶴賀はそつなくスタートを決め、そのまま
の勢いで1コーナーへ。一瞬、後続車をけん制したと思いきや、その後はじわじわと2位との差を
広げていった。それとは対照的に、予選3位の佐藤はスタートで大きく出遅れる。4位スタートの
竹谷にイン側から並ばれ、1コーナー進入においてアウト側から精一杯粘るも、先行を許した。
スタート直後に横並びとなり、そのまま1コーナーへ向かう佐藤と竹谷
8番手スタートの常松も若干出遅れ、11番手から好スタートを決めた#89M.A.R.T☆STEP・VITA-01
の後藤選手にかわされ、9位へポジションダウン。その後10番手の大島良平にも並びかけられる
が、アウト側コース一杯に踏みとどまり、並走のまま3コーナーまでもつれる。インとアウトが
反転する4コーナーにて前に出たことで、9位をキープしたままレースは進む。
常松、大島良平、後藤選手の三つ巴の戦い
上手く前に出られた竹谷ではあるが、その後ろは佐藤がすぐ後ろに食らいつき、コーナーの度に
揺さぶりをかけられる。予選のタイムでは佐藤が前をいっていただけに、2コーナーを過ぎた辺り
から一気に差を詰め、オーバーテイクのチャンスをうかがう佐藤。2周目のホームストレートでは
スリップを使って抜きにかかる。しかし、1コーナーのブレーキングでインに飛び込めるほどの
アドバンテージは作れず、一歩退いては再びインフィールドで竹谷をも猛プッシュしていた。
しかし、竹谷の強靭な精神力はマシンコントロールの破綻を許さない。テールトゥノーズのバトル
となると必然的に守りのラインを走行することが多くなり、大きくペースを落とすのが通例である
が、わずかにラインを外すことはあってもオーバーテイクされるほどの隙を与えることなく走り
続けた。この竹谷と佐藤のバトルは4周にわたって繰り広げられるわけであるが、ここでレースは
動く。ホームストレート上で上手くスリップストリームを使い、何度も竹谷に並びかけた佐藤で
あったが、実はそのすぐ背後に1台迫るマシンがいた。#61 HDC日本平中自動車の平中繁延選手で
ある。彼は2台のバトルを後方から静観し、虎視眈々と隙が生まれるのを待っていた。4周目の
1コーナーでインから仕掛けた佐藤が一瞬失速したその時を見逃さず、すかさずインに飛び込む。
そのまま2コーナーで前に出ると、竹谷の追撃にかかった。 背後が平中選手に変わった後も変わら
ずひるまぬ竹谷。ここのバトルが始まることで佐藤が再び間合いを詰め、ここでも三つ巴のバトル
が展開される。この戦いは終盤までもつれ、10周目のコントロールタワーを過ぎた直後、佐藤の
後ろにもう一台の迫るマシンがいた。#30 十勝レーシングスクールSilent 01の鬼塚選手である。
上手くスリップストリームから抜けた鬼塚選手は1コーナー進入で難なく佐藤の前へ。佐藤はさら
にポジションをひとつ落とし、6番手となる。しかし、同一周回の4コーナーで平中選手が痛恨の
スピンを喫し、ポジションを再び5位へと戻す。3位以下はレース全般にわたって拮抗した戦いが
繰り広げられ、目まぐるしく順位が変動した。 その集団からやや後方を走る常松は、スタート
直後に前に出られた後藤選手が2周目の1コーナーでアウト側にはらんだ隙を見逃さずポジション
を取り返す。その後は1分35秒台前半をキープした堅実な走りでポジションを守り続けた。
走行ラインも周を重ねるたびに無駄のない、スムーズなラインへと変化していき、レースラップ
でも34秒台をマーク。挙動も終始安定しており、途中スピンからのコース復帰に時間を要した平中
選手をパスしたことで、予選順位から1ポジションアップの7位でチェッカーを受けた。
常松を追いすがる大島良平は、2周目の1コーナーで痛恨のコースアウト。練習走行の時と同様、
素早い対処によりマシンの姿勢を大きく崩すことなく復帰できたが、常松との距離が開いてしまっ
たことに加え、#48 さくらBreeze 01の山口選手に前に行かれてしまい、苦しい展開を強いられ
る。しかし、走行ラインに関しては常松同様、周回を増すごとに無駄のないものと変化していき、
ブレーキングポイントも奥へと詰めていく。そのため、コーナー進入から立ち上がり直前までは
一気に差が縮まっている。このままバトルにもちこみたいところであるが、エンジンパワー不足が
足枷となり、ホームストレートはもとより5コーナーや8コーナー等の立ち上がりに控える短いスト
レートにおいても777号機は後れをとってしまう。そのような展開を繰り返しているうちに前方で
後藤選手と山口選手のバトルが始まり、その間大島良平も一気に差を詰めていった。ストレート
スピードに勝る#48の山口選手は、8周目のホームストレートで#89の後藤選手を難なくパス。
以後もペースの上がらない後藤選手に肉薄していった。3台の差が詰まり、三つ巴のバトルが始ま
ろうとしていた矢先、山口選手が9周目の最終コーナーの進入でスピン。 ぎりぎりでかわした大島
良平はポジションを10位に戻し、前を行く後藤選手に照準を合わせる。しかし、この緊急回避の
間に大きく水をあけられた大島良平。残り周回数でのポジションアップが難しい状況であることは彼が最も痛感していたはずであるが、諦めることなく走り続けた。するとファイナルラップの4コーナーで#61平中選手が痛恨の2度目のスピン。ここで前に出たことでポジションを9位とし、フィニッシュした。
減速によるロスを最小限にし、わずかな間隙を縫って#48の前に出る大島良平
スタートからトップを走り続けてきた310号機の鶴賀は、レースラップを常に1分33秒台で走り切る
完璧なレース運びをみせる。2位の#3さくら眼科☆OWLwithRS-a01古井戸選手に7秒もの差を
つけ、ぶっちぎり状態でのトップチェッカー。
竹谷、鬼塚選手、佐藤が繰り広げる3位争いは、ファイナルラップの8コーナーで最後のチャンス
とばかりに竹谷を捉えようとイン側から仕掛けた鬼塚選手が立ち上がりでバランスを崩し、失速。
そこに一気に肉薄する佐藤であったが、前に出るまでには至らず、もつれたまま最終コーナーへ
飛び込む。ラインの自由度を確保できなかった佐藤はそれが引き金となり、ラストのストレート
速度が伸びず、フィニッシュラインの直前で#95幸伸建設Y’s・ステップ☆VITA01の坂本選手に
パスされ、6位でレースを終えた。竹谷はそのまま逃げ切り、3位チェッカーを受け、レースは幕を
閉じた。
鶴賀の優勝、竹谷の3位表彰台と、チームとしては2019年シーズンを勢いづかせたといってもよい
今回のレース。一方でそれぞれに課題が見えたドライバーやマシンもいたことは事実であり、
各々が次戦に向けて再び全力で向かうことになるであろう。
優勝の鶴賀義幸と3位の竹谷和浩
~レース後、チームオーナーコメント~
前日までの練習ではマシンの仕上がりもよく、自分のコンディションも非常に良好でした。予選
アタックでは不意のガス欠症状が出現したことで、クリアラップでのアタックが1周しかできませ
んでした。言い訳にはなってしまいますが、よりタイヤがベストな状況でアタックできなかった
ことが悔やまれます。今後、再度気温や湿度を確認した上での燃費計算をする必要があると考え
た次第です。結果的には予選3位ということで、自分の思うような走りはできなかったものの、
予選順位としてはトップを狙える位置につけることができました。 決勝は、結論から申し上げま
すとスタートミスが最大の失敗であり、先行を許した原因であります。ペース的には自分の方が
速いことはわかっており、1コーナーで何とか仕掛けましたが、竹谷選手をオーバーテイクする
には至らず、そのタイミングで後続車が距離を縮めてきたことで常に3~4台のバトルが続くよう
な状況でした。その状況下で後半、上手くスリップストリームを使われ、鬼塚選手と坂本選手に
先行を許す形となってしまいました。これらはスタートミスを誘発したことと、いち早く前走車
をオーバーテイクし、前に出られなかった自分の実力不足にあると思います。
次戦に向けてはスタート練習をしっかり行い、シグナルへの反応速度を高めること、そしてリア
へのトラクションをしっかりと確保したスタートができるようにトレーニングに励みたいと思い
ます。今後も引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。
レース自体は全員が非常にクリーンな戦いで集中して臨むことができ、楽しいレースを繰り広げ
ることができました。ライバルの皆様に感謝申し上げます。
Koshido Racing 佐藤 元春