2025.06.22 ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE Rd.3富士24時間-決勝②-
公式リザルト:ST-5Rクラス 2位完走!
6月1日(日)決勝
■第7スティント
濃霧により度々セーフティーカー(以下、SC)が導入されるこの日。それも一度出されるとなかなか解除されない。このスティントを担う佐藤もまた、全開走行できる時間は極端に削られていた。3:15にドライバーチェンジし、3:40には再度のSCに阻まれる。そして4:50までその先導は続き、挙句そのまま赤旗中断となってしまった。トップとの差は6周。このまま中断時間が長引けばその分逆転のハードルも上昇する。ここまで天候に翻弄される24時間レースもまた珍しい。
レースが再開となったのはなんと7:30。辺りはすっかり明るくなっているが、霧はまだ晴れていない状況でのリスタート。佐藤は一周のみ回ってピットへ帰還し、柴田へステアリングを託した。
■第8スティント
7:35、柴田がコースイン。SC解除と同時に猛プッシュを開始する。これまで搭乗したドライバーのベストタイムを一周目から更新し、なおも2分6秒前半で2位の120号車を追う。
しかし120号車も柴田とほぼ同タイムで付かず離れずの展開。差にして1分40秒程度。捉えるにはそう簡単にはいかない様子である。
トータル周回数が300周を超えたところで前との差は1分20秒を切った。柴田は追撃の手を緩めない。317周目にはその差は1分を切るまでに短縮。その後も1秒ずつ削っていく。
324周を終えたところでルーティーンのピットイン。大宮にバトンを渡した。
■第9スティント
9:25、大宮がピットアウト。チームは速さ溢れる若手に託し、引き続き追撃態勢をとる。
レースも終盤に差し掛かっており、コース上はピックアップ(タイヤかすや路上に落下している細かいパーツの破片等)でコンディションが低下する中、344周回でいよいよ120号車 との差を30秒未満にまで縮めてきた。大凡一周ごとに1~2秒速いペースで追い続けており、このままの状況を維持できれば大宮のスティント中でのポジションアップも現実的なものとなる。しかしながら相手マシンも追撃を振り切ろうと必死にペースを上げ、そう簡単にはいかない。
11:10にピットイン時間を迎え、この時点で12秒の差となった。
■第10スティント
山本にドライバー交代。大宮のペースを継ぐ形で少しずつ120号車との差を縮めていく。
互いのピットインの影響で差は12秒台となったが、一周あたり0.8~1秒ずつコンスタントに詰めていく山本。しかし後方からの他チームマシンをパスさせることに手を焼く周回もあり、想定通りとはいかない。残り3秒程度まで詰めたが、そこからがなかなか縮まらず、拮抗し始めたところでピットイン。最後の二枠は柴田と大宮に託された。
■第11スティント
12:20、柴田にバトンが渡される。
ポジションアップを期待され、送り出された柴田はそれに応えるべく2分7秒台をコンスタントにマークしていく。120号車と比較して一周あたり2秒近く早いペースで、差はみるみる縮まり時間の問題かと思われたところで120号車がピットイン。ここでロトスタ号はクラス2番手にのし上がった。この時点で残り2時間程度であるが、24時間レースは何が起こるかわからない。各々が有事に備えてすぐに対応できる体制をとっており、万全の体制を維持してチェッカーを待った。
■第12スティント
13:35。24時間レースの最後のスティントを担うのは大宮。相変わらず期待通りのタイムを連発し、こちらがピットイン中に前に行かれてしまった120号車の追撃に入る。
ここからの猛追、そして最後までトップに立つという望みをかけた気迫の走りは5名のKOSHIDO RACINGドライバーの中でもひときわ目立っていた。ST-5Rクラスの他チームマシンはもとより、昨年まで同一クラスだったST-5Fクラスのマシンたちにも容赦なく挑んでいく。
そして気が付けばST-5クラス全体で前を行くのは88号車のみというところまで登り詰めていた。しかしながら88号車の村上モータースロードスターもまたドライバー陣が全員マイスター揃いの布陣でなかなか差が詰まらない状況。それでも最終的には当初6周あった差を3周差まで縮めるという驚異の追い上げを見せ、24時間の闘いは終焉を迎えた。
■チェッカー~フィナーレ
最終的にST-5Rクラス2位、ST-5クラス全体においても2位という輝かしい成績でレースを終えたロトスタ号。それだけでなく24時間ノーペナルティというクリーンなレース運びもまたその価値をより一層押し上げた。役目を終えてチームメンバーやスポンサー様に迎えられたその姿は皆に大きな感動を与えた。
今シーズン新規参入でありながら24時間レースでここまでの戦績を残せたことは誇らしい限り。これもひとえにチームメンバー全員の力と、お力添えいただいているスポンサーの 皆様、また支えてくださっているファンの方々からのエネルギーの賜物である。
しかし、ここはあくまでも通過点。より大きな目標に向けてKOSHIDO RACINGは邁進していく。