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2023.10.22 北海道クラブマンカップレース2023 Rd.2 VITA-01 RACE REPORT

北海道クラブマンカップレースRd.2 VITA-01

■開催日時:2023年6月18日(日)

■開催地:十勝スピードウェイ クラブマンコース

■ドライバー:上野 大哲(#11)、佐藤 元春(#12)、浅井 康児(#310)
市川 篤(#516)、工藤 大祐(#910)、

■マシン:恒志堂レーシングVITA 11号機、12号機、310号機、516号機、910号機

■参戦クラス:VITA-01クラス

■天候:予選/晴れ、決勝/晴れ

■路面:予選/ドライ、決勝/ドライ

■戦績

上野 大哲  予選:6/14位 決勝:3/14位
佐藤 元春  予選:1/14位 決勝:1/14位
浅井 康児  予選:7/14位 決勝:2/14位
市川  篤   予選:10/14位 決勝:8/14位
工藤 大祐  予選:8/14位 決勝:6/14位

 

6月の十勝。初夏の風が心地よい更別村において北海道クラブマンカップ第2戦が開催された。本戦は14台のVITA-01がエントリー。基本的には第1戦同様の顔ぶれとなったが、昨年の耐久レースで平中繁延選手と優勝を飾っている#6四倉選手が久々の参戦となるほか、昨シーズン大きなクラッシュに見舞われ、一時はレース復帰も危ぶまれるかと思われた#30の鬼塚選手が見事に復活し、初戦以上の盛り上がりをみせた。
今回のKoshido Racingはレギュラー参戦組である佐藤、浅井、工藤に加え、#516に社員ドライバーである市川と、#11には京都からの遠征となる上野の2名を加えた5台体制。
上野は過去にVITA OF ASIA(アジア1決定戦)をはじめ、スーパーFJにおいても日本一決定戦で優勝を飾るなど、実績の多いドライバーである。

<練習走行>

今シーズンからのタイヤ仕様変更にまだ適応しきれていないドライバーもいる中、Koshido Racingの面々は前戦の感触をもとにマシンも順調な仕上がりをみせていた。
6月16日、他チームが1分32秒台をなかなか切れない中、佐藤と浅井が安定の1分31秒台をマーク。十勝スピードウェイ初走行の上野も1分32秒フラットと、間もなく31秒台に入れようという勢いでタイムを刻んでいく。

工藤はベストなマシンセッティングを探りながらの走行。いろいろ試しつつではあるが、1分32秒台前半をしっかりキープしていた。一方、市川はセットが決まらないマシンに手こずり1分34秒台が限界の状況。エースドライバーの佐藤にマシンテストを託すが、やはり厳しい状態であることに変わりはなく、結果足回り総交換となった。接地性と動きがかなり改善されたが、次はミッショントラブルに見舞われる。予兆はあったものの、3速がなくなりタイムは更新できず。ミッション交換にて初日の走行を終えた。
公式スポーツ走行日の翌17日は、他チームのドライバーも徐々にペースを上げてくる。しかし、弊チームも例外ではなく、ほぼ全員が順当にタイムアップし、佐藤は唯一1分30秒台へ。浅井もコンマ6秒ほど短縮してくる。上野もしっかりとまとめ上げ、31秒台へ突入。市川はようやく万全の状態となり、32秒台を安定してマークするようになった。工藤は数々のセッティングを試す中で答えが見出せず、前日のタイム更新とはならなかった。

練習走行結果
佐藤 元春:1’30.976(6/17)
浅井 康児:1’31.298(6/17)
工藤 大祐:1’32.065(6/16)
上野 大哲:1’31.884(6/17)
市川  篤:1’32.479(6/17)

<公式予選> 

天候は晴れ。路面もドライ。初夏の日差しが照りつけ、気温は実測以上に暑く感じられる。コントロールタワーに予選開始2分前を告げる表示が出され、各マシン一斉にピットから飛び出していく。

まずは#12佐藤が1分31秒台をマークし、トップに君臨。そのままポールの座を確実なものとすべくタイムを維持し続ける。スリップストリームを使うことなく、単独走行でトップタイムを叩き出し、そのまま少しずつ更新していく。タイヤが最もおいしところを佐藤は逃さない。最終的に1分30秒441にてポールポジションを獲得した。
スポット参戦で活躍が期待される#11上野は、練習走行に引き続き1分31秒台を刻み、トップからコンマ5秒遅れの6番手につける。次いで最近好調ぶりをみせる#310の浅井が1分31秒976で7番手。ここまでが31秒台となった。コンマ5秒の中に7台がひしめき合う接戦である。ライバルチームは、マシンが今ひとつ仕上がらず不調にあえいでいた#778の大島選手が最終的には走りをまとめあげ、佐藤に次ぐ1分31秒742で2番手につけ、ディフェンディングチャンピオンの意地をみせた。表彰台の常連になりつつある#77村上選手は31秒805で3番手につけ、同じく近年好調の#17坂本選手は31秒823で4番手。久々スポット参戦ながら速さを見せつけた#6四倉選手は、前に超僅差の31秒841で5番手に食い込んだ。
8番手以降は32秒台の戦い。その先頭となったのは#910の工藤。1分32秒391で後方6台を従えてのポジションを獲得。#516市川は32秒550で10番手につけた。常に上位陣にいるはずの#61号機レジェンド平中選手はマシンの不調に悩まされ続け32秒679で11番手に甘んじている。前戦まで旧マシンで奮闘し、その速さを十分に周りに知らしめた今回唯一の女性ドライバーである関選手は1分33秒747と、こちらもチームメイトの大島選手同様にマシンが決まらず苦労している様子であった。

<決勝>

気温23℃。しかしながら予選同様に体感温度はより高く、レーシングスーツの中はサウナ状態である。それでも各ドライバーはこれから始まる12周のバトルにすべてをぶつけるべく暑さに気を取られることはない。スタート前はドライバー同士健闘を誓い合う恒例の握手から始まる。

自らのスタート位置にマシンを進め、チームメイトの激励を受けるドライバーたち。

14台すべての車両がフォーメーションラップを終え、グリッドに着いたところでシグナル点灯。各車クリーンにスタートを決める。順当に加速していくと思いきや、ポールポジションの佐藤がまさかの2→3速へのシフトミスにより5位に後退。他の車両はトラブルなく1コーナーへ。この時、トップが#778大島選手、2位に#17坂本選手、3位に#77村上選手、4位#11上野と続く。素早くシフトミスをリカバリーした佐藤は5位で前4台に食い下がる形で1コーナーを立ち上がっていく。しかしその後も順位が激しく入れ替わり、トップの大島選手は3位へ、変わって坂本選手がトップ、2位には上野が上がる。3コーナーに村上選手と並んでアウト側からターンインした佐藤は続く4コーナーでインに変わり、前へ。
前方では、坂本選手・上野・大島選手が1位争いを至近距離で展開されており、絡んで走ることでペースが上がらない先頭集団の後方に佐藤が一気に追いつく。7コーナーまでにはほぼ差がなくなり、最終コーナーまでには縦一列きれいに並んだ状態へ。メインストレートに戻ってきた銘々は坂本選手を先頭にスリップストリーム合戦を展開し、トレイン状態で2周目の1コーナー進入へ。佐藤が仕掛けるかというところであったが、大島選手が守りのラインで巧みに前に出させない。順位は変わらずそのまま各マシン2→3→4コーナーとクリアしていく。
トップ4台は2周終了時点でも順位変わらず。最終コーナーを立ち上がり、3周目へ突入するところで2周目同様スリップ合戦が勃発。ここで佐藤、大島選手のアウトに並び1コーナーでブレーキング勝負。ここでも大島選手がインを死守し前には出られず。その後もトップ集団は5コーナーまで拮抗したレース展開を見せる。そして6コーナー、緊迫した争いに動きが出た。上野が坂本に仕掛けるべくアウトから被せていく。しかしレコードラインをトレースした坂本の前には出られず、しかも若干速度が乗りすぎていたためアウトに孕み、コース外へ。その間に大島選手に前に出られ、3位に後退する。そこに4位の佐藤も並びかけ、 8コーナーに並んでターンイン。ここでは上野の前には出られずそのまま9~10コーナーへなだれ込む。最終コーナー立ち上がりで速度が乗せられなかった上野はメインストレートで佐藤に並ばれる。サイドスリップから出た佐藤は1コーナーの進入でベストなラインをトレースし、3位へ。
トップ争いをしている坂本選手と大島選手が激しく競り合ってペースが上がらない中、佐藤がベストな走行ラインをトレースし、前2台に一気に襲いかかる。後方からの猛烈なプレッシャーを受けつつも必死にインを守る大島選手。ここもディフェンディングチャンピオンの意地といったところか。
4周目の最終コーナーを上手くまとめた佐藤はしっかりと大島選手のスリップストリームに入る。5周目に入った直後、1コーナー進入のブレーキングでアウト側から刺し、2位へポジションアップ。そのまま前を行く坂本選手を追う。最終コーナーまでもつれ込み、立ち上がりから再びスリップを狙う。メインストレートで難なく前へ出たのち、インを牽制しつつ1コーナーでアウトいっぱいからブレーキング。そのまま車速を乗せて立ち上がり、トップに返り咲いた。
その後は後方との差を少しずつ広げ、得意の独走態勢へ。レース中のファステストラップを叩き出し、ポールポジションかつ1位フィニッシュと完全勝利をあげた。

7位スタートの浅井は無難にスタートを決め、ポジションキープ。1コーナーはミドルラインから進入し、一瞬後方から迫る工藤に先行を許すかと思われたが1コーナー立ち上がりで速度を乗せた浅井は7位のまま2コーナー、3コーナーと#6の四倉とサイドバイサイドのバトルを展開。ギリギリの競り合いが6コーナーまで続き、7コーナー進入にて何とか前に出る。その後は即前方を行く村上選手をロックオン。2周目のメインストレートでは行く手を阻まれ前には出られなかったが、その後も付かず離れずの展開が続く。村上選手とバトルを展開しつつもトップ集団を常に視界に捉えていたところ、トップ集団の争いが激化し、ペースが乱れたところで一気に差を詰める。上位6台がもつれている状況の中、常に仕掛けていく。しかし前には出られないという展開を繰り返し、村上選手も抜くに抜けない展開に苛立ちを見せているようだ。ここで4位につけていた上野がメインストレート、立ち上がりで急な失速。村上と浅井はそれぞれ前に出てワンポジションアップ。しかし後方の上野も背後につけており、なかなか前を負うことに集中できない様子で挙動を乱す姿も見られた。

6周目に佐藤がトップに返り咲き、その後方が混戦の様相を呈する中、乗じて浅井が争いに加わる。6周目から7周目に移ろうかというメインストレート、村上選手とサイドバイサイドのまま1コーナーアウトからブレーキング勝負を仕掛ける。ギリギリのところを前に出て4位にポジションアップ。その勢いのまま3番手の坂本選手に肉薄し、常に隙を伺うがなかなか隙を見せず、大島・坂本・浅井ともつれた状態で8周目へ。この時、すでに坂本選手のスリップに入っていた浅井は隣から仕掛けようと試みるも、そのさらに前方でラインを変えた大島選手に進路を阻まれ減速を余儀なくされる。しかし、ここで鬼のようなブレーキングで1コーナーに突入した坂本が姿勢を見出し、コース外へスピンアウト。浅井は3位に上がる。ここからは大島との一騎打ち。なかなか調子の上がらないマシンに手を焼く大島。昨年のようなスピードが得られていない中、浅井を必死に抑えようと巧みなラインでコーナーを抜けていく。8周目の最終コーナーを抜けた後、ピタリと大島選手のスリップに入った浅井は、メインストレートにて難なくパス。9周目にしてポジションを2位へと押し上げた。その後トップの佐藤を追うが、この時すでに大差がついており、また佐藤もファステストラップをマークする走りであったことから差が縮まることはなく、2位のままフィニッシュした。

上野もまたスタートを順当に決め、順位をキープしたまま加速していく。シフトミスで遅れてた佐藤をインからパスし、4番手へ。さらに1コーナー立ち上がりから2コーナーブレーキングで村上選手をパスし、次いで立ち上がりで大島選手もパス。3コーナーまで2位につけた。オープニングラップは1位の坂本選手のすぐ後方につけ、プレッシャーを与える。2周目、スリップストリームに入るもそこまで距離が縮まらず順位変動はなし。3周目で挙動を乱した坂本選手の隙をつき、テールトゥーノーズの状態へ。マシンを左右に振り、プレッシャーを与えつつも6コーナーで痛恨のコースアウト。そこから大島選手と佐藤に前に出られ、ポジションを4位に下げる。但しそのまま後方に沈むことなく、佐藤に食い下がる形でトップ集団に一気に指を詰めていく。ここはレース経験豊富な上野ならではの切り替えの早さといえよう。1位争いが混戦を極めており、ペースが乱れ、あわや追突というところまでの距離感でバトルが続く。

5周目最終コーナー立ち上がり後の4速から5速へのシフトアップにて痛恨のミス。その間に村上選手と浅井に前に出られ、6位へポジションダウンとなる。
7周目に入り、依然としてトップ争いは熾烈を極めている中、チャンスを逃すまいと村上・浅井・上野がチャンスを伺う。1位を取り戻した佐藤が単独で離れ、2位の坂本選手以下がワンミスで2位から6位まで一気に順位がひっくり返る状況。上野はシフトミス等の細かい失敗はあったものの、周回を重ねていくごとに走りの精度が増していく。坂本選手がコースアウトしたことによりポジションを1つ上げ、大島・浅井・村上。上野の2位争いが続く。9周目、 2位は浅井へと変わり、浅井が少しずつ3位以下を離す。そして雌雄を決したのは10周目。3位争いが激化し、1コーナーのブレーキングでスリーワイドの展開。最もインにいた上野が2台を一気に抜き去り表彰台の最後の一枠をものにした。

スタートをしっかり決め、トップ集団に遅れをとることなく追随する工藤。1コーナーターンインまででは順位変動はないが、アグレッシブな走りで前を行く四倉選手と浅井を脅かす走りを披露。1位から8位まで塊になってバトルが進行する中、途中5位争いをしていた四倉選手が7コーナー進入でラインを外し失速。その隙を見逃さず、工藤はインから前に出る。しかしそこからは四倉がピタリと後方につき、プレッシャーを与え続けていた。市川も後方から走行ラインを変え、仕掛けてくるが守りの走りを見せる。
工藤・四倉選手ともにトップ集団から離れず、このまま行かせはするまいと食い下がる。1位から6位までの集団からやや遅れたところを走行しつつ、依然としてすぐ後方には四倉選手が付け激しいバトルを展開。予選では四倉選手の方が早かったにもかかわらず、全く隙のないドライビングでポジションを守り通した。レースラップにおいてもベストなラインで攻め続けた結果、前を走る集団がジリジリと近寄ってくる。前方は常に激しいバトルが展開されペースが上がらない状況。そこを工藤は見逃さず、虎視眈々と隙を狙う。

5周目。前を行くのは、チームメイトの浅井と上野。遠慮はない。全力で抜きにかかっていく。周回を重ねていくうちに前との差、後方からのプレッシャーに焦りが生じ、オーバーオーバーステアが散見されるが、うまくねじ伏せ姿勢を破綻させることなくマシンをコントロールしていく。トップ集団は常に見えている。工藤は2022年シーズンからこのレースシリーズへの参戦を開始したが、2年目シーズンにおいて既にトップ集団を視界に常にとらえて走るところまで成長した。日ごろのマシンメンテからセッティングを自ら積極的にトライし、試行錯誤を重ねては1戦1戦増すごとに速くなっていく。それはチームメイトだけでなく、他のチームのドライバーも認めている。後半、四倉の猛追がより激しさを増したメインストレートでは、スリップストリームを取られまいと巧みにラインを変え、1コーナーで上ブレーキング競争にもち込せることのない鉄壁の走り。ただし後方警戒するとどうしてもペースが上がらなくなり前方との差が開きがちである。苦しい戦いを強いられるが2シーズン目にして、このメンタルの強さはなかなか獲得できるものではないだろう。工藤は前から離されることもなく、また最後の最後まで四倉選手を前に出すこともなく7位でフィニッシュ。今回常にバトルが展開されるレース運びであったが、工藤にとって大きな経験となった事は間違いないだろう。

10番手スタートのとなった市川。前にはチームメイトの工藤、そして昨年大クラッシュに見舞われ、脅威の復活を遂げた#30鬼塚が並んでいる。スタートは差し障りなく決め、1コーナーへ。久々のレースで緊張もある中、前走車に食らいついていこうと必死に516号機をコントロールする。最初のバトルの相手は鬼塚選手。クリーンな走りでラインを潰しあうこともなく、正々堂々とした駆け引きが続く。同じ黄色のマシン同士がせめぎ合い1コーナー立ち上がりから2コーナーのブレーキングにて市川が仕掛け、鬼塚選手の前へ。ベースが拮抗している両名であったためしばらく後方に気をとられていたが、前を行く工藤と四倉選手に追いつこうと食い下がる。ここでチャンスが到来する。行く手を阻まれた四倉選手がラインを外し大きく失速。そこに工藤が7コーナーのインから刺し、それに続く形で市川もかわし、8番手にポジションを押し上げる。

次に狙うのはチームメイトの工藤。4周目の6コーナー、工藤のインがわずかに空いたところを狙い、プレーキング勝負。しかし、ここは工藤に軍配が上がる。そのまま7コーナーまでもつれるがインとアウトが逆転し、続く8コーナーにて後続の四倉にも前に行かれ、再びポジションは9番手となる。

その後は工藤・四倉・市川のテールトゥノーズのバトル。メインストレートでは、ほぼ車間は空いていないトレイン状態。しかし、周回を重ねるごとに徐々に工藤と四倉選手に差をつけられ、単独走行となる。途中坂本のスピンによりポジションを1つ上げて8位となるが、その後特にミスをすることもなく無難に走り切り8位をキープしてチェッカーを受けた。序盤はトップ集団も視界に捉え、良い刺激を受けた市川。時点での課題を明確にしつつ、次なる参戦の機会を伺う。

かねてからの目標であった表彰台の独占をついに達成したKoshido Racing。佐藤も完全復活したと言える連戦連勝。シリーズタイトル奪還に向けて大きな一歩となった。

 

浅井も佐藤に肉薄する走りをみせ、今後の活躍が期待される。本戦より北海道クラブマンカップに参戦を開始した上野もビジターバトルとは思えない3位表彰台獲得。その速さを周りに知らしめることとなった。
トップ集団を見据える工藤も含め、Koshido Racingはさらに強くなっていくであろう。今後の躍進が期待される。

 

2023.10.18 SUZUKA CLUBMAN RACE 2023  MEC120 RACE REPORT

SUZUKA CLUBMAN RACE MEC120
開催日時:2023年7月2日(日)
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)
ドライバー:佐藤 元春/鶴田 哲平
マシン:VITA-01 15号機
参戦クラス:Ama-Ama
天候:予選/晴れ、決勝/晴れ
路面:予選/ドライ、決勝/ドライ
予選:クラス13位/25台
決勝:クラス7位/25台

鈴鹿サーキットで開催されるVITAレースに挑むのは2年ぶりとなる。そのステージはMEC120。つまり120分耐久レースである。

今回は恒志堂レーシングVITA15号機を持ち込み、オーナー兼エースドライバーの佐藤と今期シェイドレーシングからスーパー耐久に参戦している鶴田哲平の2名でのエントリー。鶴田は昨年のスーパー耐久シリーズ富士24時間レースの時の佐藤のチームメイトで、北海道クラブマンカップにもビジター参戦経歴を持つ。

 

エントリーリストに並んだドライバー名は富士チャンピオンレースシリーズでも見慣れた選手ばかり。そこに今回地元勢も加わり、戦いは激しさを増すことが容易に予測された。
鈴鹿戦は毎回練習走行本数が少なく、ビジターには厳しいレース。加えて7月上旬ということもあり、北海道の気候に慣れている佐藤には、試練となることが明白であった。

<練習走行>

練習走行は6月30日から。鈴鹿を地元とする鶴田のアドバイスのもと、佐藤は少ない走行本数をしっかりとものにすべく濃密な練習走行としたいところである。前回走行した時と大きく異なるのはやはりタイヤ。今シーズンから新たに導入された新コンパウンドのタイヤが鈴鹿サーキットではどう出るのか。細かい修正を積み重ねながら走行時間を有意義なものとしたいところであったが、佐藤が出て数周回で赤旗中断。ビジターにとっては試練が続く。

鈴鹿サーキットはランオフエリアのグラベルが深く、VITA-01程度の車速のマシンであればクラッシュすることなく止まれる一方で、逆に一度出てしまうと自力で戻るのは困難極まりない。それ故に車両改修によるセッション中断が頻発する。この日は夕方にも1セッションあり、ここでは鶴田がテスト走行に出たが、14時頃から強い雨に見舞われ、コースは完全なウェット状態になっていた。鶴田はウェット用の走行ラインを丁寧にトレースし、鈴鹿での15号機の動きを読み取る。しかし、ここでまたコース外逸脱車両が発生し、赤旗中断。早々に走行を終えることとなってしまった。

翌7月1日も予選前に練習走行枠は2枠設けられており、前日の課題をひとつひとつクリアしていく。

 

<予選>

14時5分スタート。気温は27℃前後。予選は佐藤が担当することとなった。しかし、開始前から佐藤が痛恨のミス。ファストピットレーン進入開始時間をわずかに読み間違え、予選結果から3グリッド降格のペナルティーを受ける。

純然たるタイムは2分28秒286でクラス13番手につけたが、グリッド上はクラス16番手スタートとなった。

予選タイム:2’28.286

 

<決勝>

天候が不安定であった練習走行とは対照的に決勝は快晴。とはいえども高湿度と33~34℃の高気温で、北海道育ちのドライバーには過酷なコンディションである。

1分前。スターティングドライバーの佐藤はエンジンスタートとともに静かにヘルメットのバイザーを下ろし、臨戦態勢へ。120分もの長く、暑く、熱い戦いが始まる。フォーメーションラップ、コース内は激しく混み合い、ヘアピン手前では一旦停止してしまうくらいの混雑ぶり。鈴鹿MECのVITA-01エントリー台数はPro-Ama、Ama-Amaクラスを合わせると33チームにものぼる。そこにv.Granzのエントリーも加わると総勢47チームとなり、コース上は大混雑の様相を呈していた。

さてフォーメーションラップもそろそろ終わり日立アステモシケインを抜け、全車一斉にフル加速を始める。うまく加速姿勢をつくった佐藤はすぐ前をいく47号車を1コーナーまでに捉え、イン側からパス。続く2コーナーではラインを外し、アンダー気味に飛び込でしまうが何とか順位をキープし、前を追う。
前方はVITA-01の長蛇の列。まるで盆休みの帰省渋滞のごとく車列は途切れない。2周目のスプーン、立ち上がりで79号車に並びかけアウトから130Rに並んで進入。ターンインする頃までに前に出た。序盤の混雑の中を1台1台確実にパスし、ポジションを押し上げていく佐藤。3周目にはヘアピンでインから立ち上がり重視のラインをトレースし、前車にプレッシャーを与えた。しかし、その先のスプーンコーナーで2台のVITA-01が絡み、早々のセーフティーカー(以下、SC)導入。約2周にわたるスロー走行ののちレース再開。車両は大混雑。SC明け、次の周回でのスプーンにてまたもVITA-01同士の接触。しっかりと目視していた佐藤は冷静にアウト側のランオフエリアからかわしていく。この頃になると前方だけでなく、後方から迫るv.Granzにも注意を払わなければならない。前後しっかりと見渡し、慣れぬコースで奮闘を続ける。

数周走行し、ここでまたもSC導入。例によって2周回ほどスロー走行に費やし、レース再開。再開直後に日立アステモシケインにてスピン車両がいたが、これも冷静にパス。細かいミスはあるが最終的に前との差を詰めていく。前方でバトルしていた111号車と77号車を後方から虎視眈々と狙っていたところ、77号車が一瞬失速。そこを見過ごすことなくシケイン立ち上がりで横に並びホームストレートで前へ。そのままの勢いで111号車へも襲いかかる。しかし、デグナー2個目にて痛恨のアンダーステアを誘発、再び77号車に並ばれてしまう。そのままサイドバイサイドでヘアピン、スプーン、130Rと抜け、辛うじて抑えポジションキープ。耐久でありながら魅せるバトルを展開した。V.Granzが絡むことで111号車との距離が一気に縮み、再び佐藤にチャンスが訪れる。スプーンでアンダーステアをうまく消し、裏ストレートで横に並びかけた。佐藤は130Rのイン側からパス。続いては117号車と27号車のバトルに後方から接近、130Rの侵入で大きく失速した27号車をシケインまでに捉え、横並びブレーキング勝負。きっちりと前出る。ここで再びSC導入。スプーン奥のアウト側にはらみグラベルにつかまった車両の回収にてスロー走行3周を要した。耐久レースのファーストスティントであるにもかかわらず、まるでスプリントレースのような走りを見せた佐藤。SC明をきっかけに給油とドライバーチェンジのためピットイン。鶴田へ交代となる。ピットイン時はペナルティーを誘発しないよう。チーフメカニックの藤巻と各ピット要員が綿密に打ち合わせをし、時間管理を徹底。無駄なく作業を終え、鶴田を送り出す。

鈴鹿を地元とする鶴田はピットアウト早々にダンロップコーナーで23号車を難なくパス。その後は前方クリアとなり、常に2分30秒を切るペースでコンスタントに周回を重ねていく。うまくオーバーステアを誘発し、タイトコーナーはコンパクトにまとめ、高速コーナーはコース幅いっぱいに使って車速をのせる。インアウト関係なく、マシンの動きを見ながら会心の走りを披露していく。数ラップを重ねて次第に前走車が近づき、即ロックオン。スプーンアウト側から213号車を、デグナーひとつめのインから19号車をパス。初乗りの15号機を攻め立てる。快進撃は止まらず、その後の周回ではスプーンを絶妙に立ち上がり、58号車を裏ストレートにてパス。格上クラスである5号車の中里選手・服部選手組のマシンをもデグナー進入のブレーキングで容易に仕留め、同周回のシケインのブレーキングでは4号車を、次周回のスプーン立ち上がりで47号車を、さらに次の周の同ポイントで51号車を捉える。鈴鹿は道幅が決して広いサーキットではなく、サイドバイサイドでの緊張感は必然的に高くなるが、鶴田は物怖じすることなく130Rのアウト側から17号車をオーバーテイク。S字コーナーでは25号車を、888号車はデグナー立ち上がりからヘアピンのブレーキングにてパス。v.Granzにうまくラインを開けつつもマシンを失速させることなく、怒涛のポジションアップに大きく寄与した。ピットインで前に出られた車両含め、交代後数周で11台をパスする快進撃となった。16周回したところでSCが導入され、明けるまでに3周を費やす。この時なんとクラス2位までポジションを押し上げていた。しかし、ドライバーチェンジ及び給油のため、鶴田はここでピットへ。MECのレギュレーションにてピットおよびドライバー交代は最低2回を義務付けられている。多くの台数がエントリーする今回のレースでは予期せぬSCも多く、ファーストスティントの佐藤から鶴田がセカンドスティントを長く引っ張る作戦となっており、残りわずかな時間ではあるが最後は佐藤にドライバーチェンジしてチェッカーを受ける方針となった。佐藤がピットアウトした時点での順位はクラス7位。残すところ数周とみられた佐藤であるが、最後の最後までアタックは止めない。耐久レースともなれば無事に走り切るために走りが保守的になりがちであるが、スプリントレースの如く攻め込んでいく。ピットイン中に前に出られた23号車をピットアウト直後からマークし、S字ではテールトゥノーズの状態まで詰め寄る。そしてスプーン進入のブレーキングにて前へ。まさに鶴田の勢いを佐藤がそのまま引き継がれたようであった。しかし23号車は周回遅れのため順位変動はなし。6位とは10秒余りの差があり、これを覆すには残り周回数が足りなかった。

最終的にそのままクラス7位でチェッカー。入賞まであと一歩というところであったが、チームとしては鈴鹿の地で大躍進したといえよう。

次回の鈴鹿遠征は今のところ予定はない。しかし、2年ぶりの参戦とは思えない善戦ぶりに、再び鈴鹿の地に戻って躍進する日は必ずくるであろう。

2023.10.17 Fuji Champion Race Series 2023                       FCR VITA & KYOJO CUP Rd.1     RACE REPORT

Fuji Champion Race (以下FCR) VITA-01 Rd.1/KYOJO CUP Rd.1

開催日時:2023年5月13日(土)~5月14(日)

開催地:富士スピードウェイ レーシングコース(静岡)

ドライバー   FCR-VITA:佐藤 元春、上野 大哲、兼松 由奈
KYOJO CUP:RINA ITO、織戸 茉彩、兼松 由奈

マシン  恒志堂レーシング レブニーズVITA :佐藤 元春・RINA ITO
恒志堂レーシング CLASS VITA:上野 大哲・織戸 茉彩
恒志堂レーシング YOSHIMI VITA:兼松 由奈

参戦クラス:FCR-VITA、KYOJO CUP

天候  FCR-VITA:予選/雨、決勝/雨
KYOJO CUP:予選/曇り、決勝/雨

路面  FCR-VITA:予選/ウェット、決勝/ウェット
KYOJO CUP:予選/セミウェット、決勝/ウェット

戦績   佐藤 元春(FCR-VITA) 予選:13/33位 決勝:14/31位
上野 大哲(FCR-VITA) 予選:2/33位 決勝:2/31位
兼松 由奈(FCR-VITA) 予選:24/33位 決勝:24/31位

RINA ITO(KYOJO CUP) 予選:7/22位 決勝:5/22位
織戸 茉彩(KYOJO CUP) 予選:16/22位 決勝:失格
兼松 由奈(KYOJO CUP) 予選:6/22位 決勝:18/22位

北海道でのレースを終え、5日後の5月12日金曜日。

タイヤの仕様が変わり、初のFCR-VITAおよびKYOJO CUPを迎えるメンバーたちが富士スピードウェイ入りをした。

5月13日のFCR-VITAおよび翌14日のKYOJO CUPでVITAへと乗り込むドライバーはこちら。

 

#15 恒志堂レーシング レブニーズVITA  佐藤 元春
#35 恒志堂レーシング CLASS VITA  上野 大哲

#610 恒志堂レーシング YOSHIMI VITA  兼松 由奈

※FCR-VITA/KYOJO CUPダブルエントリー

#15 恒志堂レーシング レブニーズVITA  RINA ITO

#35 恒志堂レーシング CLASS VITA  織戸 茉彩

以上5名となる。

上野はKOSHIDO RACING から初参戦。

タイヤが変わってから初の富士スピードウェイ走行となるが、レース前日にして走行枠は僅か二枠。

限られた練習時間の中、レースに向け各選手練習に挑む。

https://x.com/koshidoracing/status/1656827885917995008?s=46&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

練習走行日はドライで迎えたが、本戦はかなりの降水が想定される。

ドライ、ウェットどちらもぶっつけ本番という状況に不安を抱えながらも選手たちはニュータイヤの感触を掴むべく走り出す。

各選手ほとんど一枠しか走れない中、チームオーナーでありエースドライバーである佐藤がタイヤテストでの感触を共有し、万全の体制で挑む。

 

<5月13日 FCR-VITA Rd.1>

限られた練習が終わり、迎えたレース当日。

予報通り大雨が降る中での予選・決勝となった。

AM 9:25 より予選がスタート。

15号機 佐藤元春、35号機 上野大哲、610号機 兼松由奈の3名が予選に挑む。

31台かつ大雨、全車スピンも多く厳しい状況となった予選が終了。

3台とも無事に帰還したが、視界も悪く車の限界を探りながらの予選となり納得の行くタイムがなかなか出ない。

そのようなコンディションの中、上野がいち早く車の挙動を掴み、予選2位という非常に良いスタートを切る。

予選タイム

・佐藤 元春   2’21.803
・上野 大哲   2’18.519
・兼松 由奈   2’26.087

https://x.com/koshidoracing/status/1657198843795238912?s=46&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

 

13時15分決勝スタートであるが、雨が止む気配はなく予選と近しい状況で迎えることを見据え、各選手予選の走行を振り返りつつ決勝に向けて準備を進める。

ウェット路面への不安や緊張感はあるものの、各選手ひとつでも上のポジションを奪取しようと闘争心をあらわにしていた。

雨のレースのため、自身はもちろんのこと相手もミスと隣り合わせでの緊迫した走行を強いられる。リスクは平等であるが、逆に多くのチャンスが転がっている。

スタート時のクラッチミートにおける回転数など、佐藤から各ドライバーがレクチャーを受け、決勝に向けて気合を入れる。

https://x.com/koshidoracing/status/1657236667512786945?s=46&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

 

13時00分。コースイン。

決勝レースの出走は31台。雨が降る中、各車グリッドにつく。

サポートスタッフやメカニックがスタートまでの短い時間で選手とコミュニケーションをとり、選手の士気を上げる。

13時15分。グリッドウォークが終了し、各選手緊張感が高まるなかフォーメーションラップを終え、グリッドにつき、決勝レースがスタート。

KOSHIDO Racingの各ドライバーはスタートを決め、ライバルをパスしながらのTGRコーナーに向かって飛び込んでいく。

予選2位の上野がスタートで前の選手をパスしトップへ浮上。

予選の段階でスタートに好感触を得ていた15号機の佐藤が事前にチームメイトと打ち合わせしていたことが見事にハマったといえよう。

佐藤はロケットスタートを決めTGRコーナーに進入、イン側が混雑するのを予測し大外からオーバーテイク。幸先の良いスタートを決めた。コカ・コーラコーナーでイン側につけ、さらなるポジションアップを狙ったが、イン側の縁石にのり、トラクションを一気に失う。ここでスピンを喫してしまい、10台ほどのライバルに抜かれてしまう。しかしマシンは進行方向を向いており、素早いリカバリーをみせた。ただ、ここで加速というところで後方を走行していたマシンが佐藤に追突。幸い既に加速体勢に入っていたことから致命的な損傷とはならず、気を取り直してレースに復帰する。31台もの出走台数がいるため、順位を落としたところで未だ群衆の真っ只中にいる状況。低μ路に細心の注意を払いながらも着実にVITA-01を前に進める慎重なドライビングで、ポジションを取り戻すべく健闘をみせる。

最終コーナーは毎周、路面コンディションを考慮してのラインからの立ち上がり重視。ヘビーウェットの激しいウォータースクリーンをものともせずきっちりとスリップストリームを使い、ストレートでは着実に前の車との差を縮め、1コーナーブレーキングで前に出る。

コカ・コーラコーナーではスタート直後のスピンからイン側を危惧し、立ち上がりでコースアウト側を上手く使おうと試みたが、再度スピンを期する場面も。しかし、この時も上手くリカバリーし、見事360°フルターンで即戦線に復帰。度々マシンの挙動を乱す姿が何度かあったが、このコンディションの中前に追いつこうという力強さと丁寧さ、時にアグレッシブさを併せもつ走りを魅せた。

610号機の兼松も良いスタートを切り、イン側を位置取ることに成功。その後コカ・コーラコーナー・100R・ダンロップコーナーとリズムよく走るが、集団が崩れて隊列になり始めた13コーナー進入でリアの荷重が抜け過ぎてしまいスピン。その後も隊列が続き、コース復帰に手間取ったことから大幅にポジションを落としてしまう。その後巻き返しを試みるがこのコンディションでは一歩踏み出せず、スロットルを開ける右足に躊躇が見え隠れしていた。それでもラリーで培ったマシンコントロールの勘が徐々に戻り始め、TGRコーナーのブレーキングでは積極的な姿勢をみせる。オープニングラップでのスピン後は大きなミスなく走りをまとめ、少しずつ順位を上げる。過酷な路面状況に慣れてきた頃にはアドバンヘアピンをアウト側から大外刈りという大胆さも見せつつ、このレース中に着実にレベルアップを果たしていった。最終的にはスタート順位である24番手を取り戻し、無事にチェッカーを受けた。

一方、スタート直後1位に浮上した35号機の上野。トップ争いを繰り広げるが #470徳升選手のペースが非常に速く、一度は前に出たものの再びトップの座を明け渡してしまう。コカ・コーラやダンロップコーナー進入ではヘビーウェットとは思えない綺麗なライン取りで徳升選手との距離を詰めるが、1周のトータルではなかなか近づくことができない。とはいえどこの過酷なコンディションの中、素早いカウンターステアとスロットルコントロールでVITA-01の挙動を安定させ、3番手以下を寄せ付けないハイペースで一度も破綻させることなく走り切った素晴らしいドライビングは、流石は現役F4ドライバーとしか言いようがない。

ジリジリ離れる#470号車を視界に捉えつつ、難しいコンデションの中果敢に攻め続けるが、惜しくも徳升選手に次ぐ2位でチェッカーを受けた。しかしながら3番手とは15秒弱の差。いかにこの二人の走りが高次元であったかがわかるだろう。

 

https://x.com/koshidoracing/status/1657284629001551872?s=46&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

初参戦の上野が厳しい状況の中2位でゴールし、表彰台に登ることができた。

コンディションも悪く、スピンに見舞われてしまった佐藤選手・兼松選手にとっては悔しさの残るレースとなったが、3名全員が予選のタイムを上回るタイムでレースラップを周回し、短い時間の中でもしっかり成果として残すことができた。

今期からのタイヤの主な仕様変更目的はウェット性能の向上であったが、それでもウェットの状況でのレースは難しい。

ドライでは可能なライントレースやブレーキングでの駆け引きも相当シビアになるため攻めきれない場面もあるレースとなったが、次戦はライバルチームもタイヤの感触を掴み始めるであろう。今後は現状を一段階も二段階も超えることが勝利への条件となる。

 

<5月14日 KYOJO CUP Rd.1>

春とはいえ、まだまだ冬の寒さを感じる5月14日。気温は15℃。

前日のFCR-VITAに続きKYOJO CUP(以下KYOJO) に参戦する三姉妹ドライバーはこちら!

右から

15号機  RINA ITO 選手(長女)
610号機  兼松 由奈 選手(次女)
35号機  織戸 茉彩 選手(三女)

前日のFCR-VITAにも出場していた610号車兼松選手以外の2名は、タイヤ変更後初のレースかつ初ウェット。

三姉妹の長女であり、エースドライバーである15号機RINA ITO選手はさすがの落ち着きで妹たちを引っ張る。引っ張られた妹たちもレースモードへと変わり、真剣な表情だ。

 

前日レースに参戦した佐藤・上野より、路面状況のより劣悪なポイントやドライビングについてアドバイスを受け、いざ予選へ。

8時00分 予選

 

前日に引き続き大雨かと思われたが、予選開始の段階ではなんとほぼドライ路面。

https://x.com/koshidoracing/status/1657525077200748544?s=53&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

 

22台で開始となった予選であるが、決勝は雨予報で荒れることが予想されるため各選手少しでも前からスタートしたいところ。

前半あまり上位に食い込めていなかった三姉妹だが、後半に差し掛かりペースアップ。

RINA ITO選手、コースイン後渋滞気味でなかなかタイムが伸びなかったが、後半にようやくクリアラップが取れ、7番手タイムをマークすることに成功。

兼松選手はコースイン後から中盤まで全くクリアが取れず苦戦を強いられていた。粘り強くタイミングを探り続け、計測最終ラップに丸1周ライバル車のスリップストリームを有効活用し、6番手タイムをマークすることに成功。

昨年から参戦の織戸選手は途中まで単独走行が多くなかなかタイムアップができない。8周目後半、前走車のスリップストリームに入ることに成功し、チャンスをものにする。計測最終ラップに順位がアップし、16番手で予選を終えた。

予選タイム

・RINA ITO  2‘05.521
・兼松 由奈  2’05.500
・織戸 茉彩  2’08.001

 

12時15分 決勝

コースイン前にドライバー同士ポイントや注意事項を確認。決勝前に予報通り雨が降り始め、三姉妹も心配な様子。姉妹でお互いを高め合う。

チームオーナー佐藤よりスタートの極意を伝授し、各選手マシンに乗り込みいざ出陣。

https://x.com/koshidoracing/status/1657580962954498048?s=53&t=ISW3TJ7YJZPlYUjj9ikIZw

三姉妹、教え通りにばっちり回転数を合わせ、シグナルブラックアウト。

各機良い勢いでスタートを決める。

15号機RINA ITO、良い蹴りだしでスタートするが痛恨のシフトミス。しかしながら幸いウェットコンディションで周りのライバルたちも車速がのっておらず、かつTGRコーナーへのブレーキング直前であったため、それほど大きな影響とはならず胸をなでおろす。元々そのドライビングはアグレッシブであるが、本レースでは特にダンロップコーナー進入のブレーキングからターンインで積極的なアプローチをみせ、前との差を一気に詰める。しかし、ここからという2周目後半でSC(セーフティーカー)導入。長く続いたSCの先導は6周目まで続く。

7周目でようやく解除となり、レース再開。再開直後のコカ・コーラコーナー進入へのブレーキングで2台をパス。

その後#337斎藤選手、#86永井選手と張り合うがなかなか抜けない。11周目の最終コーナーで2位を走行していた#114翁長選手が大きくコースアウト。RINA ITOの目の前に復帰し、一時はストレートで前に出るが、その後のTGRコーナーブレーキングで再度抜き返されてしまう。その後の周回ではここぞとばかりにポジションアップを狙うが叶わず、5位入賞でチェッカーを受けた。

610号機の兼松はスタートを無難に決め、TGRコーナーに突入。立ち上がりでライバル車に詰まってしまい後方にパスされてしまう。コカ・コーラコーナー進入で長女RINA ITOにもオーバーテイクされてしまい、ポジションダウンするが、その後巻き返そうと長女に追いすがる。2周目のTGRコーナーでややブレーキングを深追いし過ぎたか、コースアウト。ここでさらに1台に前に行かれてしまう。1、2周目のミスを取り返そうと気合を入れなおしたところでSC導入。SC解除になりここからというところ、GR Supraコーナー立ち上がりで前を走る2台がスピンし、イン側へ。兼松は全力でかわそうとアウト側に回避を試みるが、スピン車両がアウト側に流れてきてしまう。車両の左側面にホイールのスポークが折れるほどの大ダメージを負ってしまい、規定周回数ギリギリクリアはしたものの、18位という結果でレースを終えた。

35号機の織戸。三姉妹でダントツのロケットスタートを決める。スタートで2台をパスするという素晴らしい出だし、このまま順位アップと思ったTGRコーナー。#36岩岡選手に接触してしまう。その接触がきっかけとなり、そのままスピン。リカバリーにかなりの時間を要してしまう。これによりライバルたちとは大幅な差が生まれてしまい、追いつこうと意地の走りを見せるがほどなくしてSC導入となる。SC解除後から、1周目の接触によるペナルティーが出されるが、経験の浅い織戸はそれに気付くことができないまま周回を重ねてしまう。裏を返せばそれだけスピンした遅れを取り戻そうという強い気持ちで走っていた。ペナルティーに気付かず規定周回を過ぎてしまったため、裁定は失格処分。KYOJOに出場し始めて2シーズン目の初戦、本人の中でもたくさんの葛藤があった。このような経験を経て、さらに強く速く賢いドライバーへと成長していくであろう。

失格になったとはいえ、その走りを振り返ってみると、ライバルたちがスピンやコースアウトで戦線を離れていく中、着実にラップを重ねられる走りを身に着けていたことがわかる。路面状況を常に注視し、最も水が掃けているラインを確実にトレース。前走車が巻き上げる水しぶきにも臆することなく積極的にスリップストリームを狙い、走りの組み立て方としては大きく成長したことを印象付けた。

ウェットコンディション、スピン・クラッシュ多数と全体的に少し荒れたレースとなってしまったが、三姉妹は毎戦高め合い成長を見せてくれる。ギリギリの状態で走るからこそトラブルは起きてしまう、そこを今後さらに洗練させていくことでまだまだ成長し、ファンやスポンサーの皆様の期待に応えてくれることは間違いないだろう。そんな期待を抱かせる面々の走りであった。

 

KOSHIDO RACINGは地元十勝スピードウェイだけでなく、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットをはじめとした幾多のビジターレースにこれからも挑戦し、チーム内やライバルたちと高め合うことで日々進化していく。