RACING

北海道から全国へ、そして世界へ!
子供たちへ「希望」と「勇気」を与えるために走り続けたい。

2025.06.22 ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE Rd.3富士24時間-練習走行-

■5月27日(火)

レースウィークでの走行練習はこの日が初日。チームオーナー兼Aドライバーの佐藤は他のドライバー陣よりも一日早く現地入りし、実戦機ではなくスペアマシンのND5ロードスターにて富士スピードウェイに来ていた。

スペアマシンといえど内装は最低限でロールケージが張り巡らされたレース仕様車両。スリックタイヤに交換し、この日は4本の走行枠に挑んだ。
1本目から感触は良好で、タイヤ内圧が安定してからはコンスタントに周回を重ねていく。タイムは2分5秒前半から6秒台を刻むようになったところでガス欠症状が出始め、走行を終えたが、佐藤は2分4秒台はみえるところまできているとコメントしている。
給油をはさみ、タイヤが冷えて内圧が低下した状態でも決勝でのドライバーチェンジ直後を想定した走行訓練に臨んだ。
佐藤はこの一日でND5ロードスターの理解を深め、レースへの良い足掛かりをつかんだ。

■5月28日(水)

<搬入>

今回は24時間レースということもあり、大量のスペアパーツが必要となる。スペアマシンは前日までに自走で搬入させ、可能な限り積み込めるスペアパーツと復活を遂げた610号機(通称ロトスタ号)をトランスポーターに積み込んでKOSHIDO RACING一行は富士スピードウェイに乗り込んだ。
到着と同時に積み込まれた荷物を手際よく降ろすメカニックやスタッフ。2時間ほどで大凡のピット設営は完了し、午後からの走行に備えた。

<練習走行>

佐藤に加え、佐藤、浅井、山本、大宮と各ドライバーが到着。この日のメニューはタイム出しというよりもマシンチェック、ブレーキの焼き入れとタイヤライフ測定、燃費計算に費やされた。走行枠は50分間×3本。あとは柴田によるマシンセッティング。そしてその後に各ドライバーが搭乗し、フィーリングを確認するという流れ。
走行前にはドライバーとエンジニアによるミーティングが行われ、決勝の周回ペースの目処が伝えられる。上記の作業をこなしつつドライバー全員が指標タイムに合わせていくという形となった。

走行はユーズドタイヤにてスタート。このタイヤは前日の5月27日にAドライバーの佐藤が練習走行に使用したものをそのまま履いてスタートした。柴田が2分7秒台をマークし、各ドライバーもそれに続く形で2分8秒台をマークしていく。マシンはまた少し動きに変化がみられるようであったが、概ねトラブルなく走行を終了した。

■5月29日(木)

レースウィーク三日目の走行枠は、一本あたり90分の長丁場を二枠と、夜間練習走行60分の一枠の行程。日中の二本の走行枠はスーパー耐久専有として設けられており、コース内の状況は一変。前日までの少ない台数での走行枠とは異なり、一気に混走車両が増えた。しかしターゲットタイムは前日と変わることはない。いかに後続の他クラスを上手くパスさせ、タイムを落とさない走りをキープできるかが肝となる。

<Session1>

佐藤、浅井、柴田、大宮の順で搭乗。それぞれ決勝想定テストとし、柴田はいつも通りマシンのバランスチェックも任された。マシンの動きにはまだ課題が残っており、全ドライバーが同様の考えでセット変更を望んだ。柴田と佐藤でその方向性をエンジニア・チーフメカニックに伝え、決勝に向けたセッティングが進められる。

そのような状況下ではあるものの、大宮は何かを掴んだか順調にタイムを短縮し始める。5月8日の夜間走行練習で初めてロトスタ号に触れ、ドライビングの組み立てを強いられたものの少ない時間でそれを見事に形にしてきた。

<Session2>

まずは柴田がマシンチェックで10分間ほど走行。やや鋭くターンインするとイン側のリアが浮き気味でロックしやすいが、動きとしては悪くないという印象。2分7秒台半ばで周回し一通りのチェックを終え、浅井に交代。浅井はこれまでタイヤが厳しい状況での走行機会が多かったが、今回は新品のセットでロトスタ号本来の性能と向き合う機会となった。タイムを徐々に短縮し、2分7秒フラットまで詰める。その後も同7秒台半ばで安定して周回し、ドライバーとしてのポテンシャルの高さを見せつけた。次は山本が搭乗の予定であったが、現状のマシンの動きを把握するという目的で急遽佐藤が搭乗。ひとしきりチェックを終え、良い方向にきていると好感触の様子。満を持して山本へ交代。山本はこのレースウィークに自身の所有車両でロードスターカップにもエントリーしており、双方の走行ラインの違いやマシンの動きの違いに翻弄されながらの走行。とはいえどもロードスターマイスターとしてどの車両においてもベストな走りを可能とする山本は2分6秒台を叩き出す。それも一周限りということではなく、複数周回にわたっての6秒台。実力の高さをうかがわせた。
このセッション最後の搭乗者は大宮。一枠目で開眼した現役フォーミュラドライバーはコースイン後早々に2分6秒530をマーク。残り時間が少ない中で数周回しか許されなかったものの、短時間ながら助っ人の域を超えた走りに誰もが期待を抱いた。

<Night Session>

夜間走行。この走行枠は佐藤と柴田が担当。

まずは柴田が搭乗。ミッション交換後の慣らしを目的とした走行でもあるため軽く流す程度の走行ながら、ことのほかタイム的には2分7秒台と好ペースでの周回となり、クラストップのタイムをマークしていた。FCY訓練をはさみ、佐藤にチェンジ。2分10秒台前後のペースでミッションの調子を確かめつつ、丁寧に仕上げていく。残り30分を残してピットに帰還。セッティング変更の最終チェックを以てこの日の走り収めとした。

■走行後ドライバーコメント

Aドライバー:佐藤元春

24時間の耐久なので一発よりもコンスタントに想定タイムを刻んでいくことが重要と考えている。一日目はバッドコンディションでいかにペースを落とさず安定した走りができることを、二日目は決勝を想定した燃料満タン、ニュータイヤ装着からのスタートでの練習ということをそれぞれ主眼において走行した。決勝を想定したトレーニングを全ドライバーで意思疎通を図りながら行えた結果は期待ができるものだった。
各ドライバーは大凡チームが考えている目標値をクリアしているので、ノーペナルティかつ想定されたラップタイムを刻んでしっかりバトンをつないでいければ優勝できると信じている。

Bドライバー:柴田優作

24時間レースということで他のレースに比べてより車の準備が必要となるが、それを水曜日から順調に進められており、セットアップも良い方向に仕上がっている。ほぼ予定通りに進行できていたと思う。最後の夜間走行でも問題なく、決勝に十分期待できる状態。チームとして初の24時間ではあるが、およそのプランはできているので、チーム全員で確実に遂行できれば勝てると考えている。

Cドライバー:浅井康児

一日目、タイヤの状態もマシンのセットも自分の想定していたものとはずれていて、それをアジャストさせるまでにかなり苦労した。
二日目までに頭を整理し、挑もうとしたところセットが変更されており、その方向性がイメージ通りになっていてアクセルで車を前に進められるようになっていた。
決勝では車を壊さずみんなでゴールを目指して価値を目指したい。

Dドライバー:山本謙悟

一日目は持ち込みのセットの確認と計測4周、タイヤもマイルオーバーでフィーリングが良くない状態であったため、クルマのチェック走行に集中した。結果としては問題なく終えられた。
二日目、A・Bドライバーが車のセットアップを進めてくれて、良い状態に仕上がっていたので24時間は安心して挑めると思う。
24時間レースの燃費、燃費5クラス特有の作戦、1ピット減らす。壊さないこと前提に速さと燃費のバランスよいところを見つけて貢献したい。

Eドライバー:大宮賢人

先日の夜間テストの際に初めてロードスターに乗り、ドライビングの修正点が課題として多く出た。一日目はそのような中で挑んだが、上手く修正しきれなかった。タイヤのコンディションもあったとは思うが、もう少し早い時間で合わせられたらと思っていた。
二日目は理想の走りのイメージができてきて実践できたことがよかった。まだ燃費やタイヤの使い方という点で課題は残っているが、スプリントではなく24時間レースということを改めて認識し、ひとつひとつクリアしてロスなく走ることに集中したい。