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2018.12.21 Fuji Champion Race Series 2018 FCR VITA & KYOJO CUP Rd.3 RACE REPORT

Fuji Champion Race  VITA-01 Rd.3

Fuji Champion Race  KYOJO CUP Rd.3

開催日時(FCR-VITA):2018年10月6日(土)

開催日時(KYOJO CUP):2018年10月7日(日)

開催地:富士スピードウェイ(静岡)

ドライバー(FCR-VITA):佐藤 元春

(KYOJO CUP):高橋 純子

マシン:恒志堂レーシングVITA 610号機

参戦クラス:FCR-VITA、KYOJO CUP

天候(FCR-VITA):予選/雨、決勝/曇り

(KYOJO CUP):予選/曇り、決勝/曇り

路面予選(FCR-VITA):予選/ウエット、決勝/ドライ

(KYOJO CUP):予選/曇り、決勝/曇り

佐藤 元春 予選:16/21位 決勝:リタイア

高橋 純子 予選:10/10位 決勝:10/10位
2018年も10月に入り、今シーズンのFCR(Fuji Champion Race)及びKYOJO CUPは早くも3戦目を迎えた。

VITA-01クラスのエントリーはこれまで同様に佐藤が、KYOJO CUPには高橋純子がエントリーした。

これまで原因不明のパワー不足に悩まされ続けてきた今シーズンの富士でのレース。今回もハンデを背負った状態ながらベストを尽くすべく、

レース3日前より練習を重ねるため現地入りしていた。

DAY1> 104日(木) 
練習走行

この日の一本目となる8:10からの走行枠に備え、Koshido Racingの各メンバーは前日に現地入りしていた。

このレースウィークでは、CAR GUYスーパーカーレースに佐藤とともに参戦する平中克幸選手も同日に駆けつけ、VITAのセッティングに協力してくれた。

天候は雨、路面もヘビーウエット。第1戦、第2戦に続き、今回も強い雨に見舞われている。

気温は18.7℃で湿度は79%。全部で6本の走行枠が設定されており、まずは平中選手がコースイン。今回の富士は、610号機だけでなく、カウルレスの310号機も持ち込み、双方で試走することとなった。

その後の枠では佐藤が試走したが、氷上を走っているような感覚でブレーキが踏めないとコメントを残している。

通常でもシビアな挙動のVITAであるが、ヘビーウエットでしかも富士スピードウェイのような高速コースともなれば、それはより顕著なものとなってドライバーに返ってくる。

一枠間をおき、10:10より再び佐藤がコースイン。雨は上がっていたものの、路面は依然としてウエットである。

走っている間に徐々にハーフウエットに移行していき、タイムを2分4秒12まで短縮した。同走行枠では他チームのVITAも走行していたが、路面が濡れていると離されることはない。

しかし、一旦乾きはじめるとパワー差が直接的に影響し、追走が困難になっていた。

次走行枠では平中選手がドライブ。100R での挙動は安定しているが、スロットルを戻し過ぎるとリアが出るといった状況。

また、4速へのシフト時に異音が出るとのことで、本レースウィークでの懸念が増える結果となった。

午前中最後の走行枠は高橋がドライブ。コンディションは一部ウエット部分があるもの

の、ほぼドライとなっていた。タイムは2分7秒台から徐々に詰めていき、最終的には

4秒台後半と佐藤同様に詰め、今回の610号機のフィーリングを確かめていた。

この日は高橋の練習走行が終了したのち、ピット内にてエンジン載せ替え作業が行われた。

 

練習走行結果
佐藤 元春:2’04.12
高橋 純子:2’04.81
DAY2> 105日(金) 

公式練習走行

 

曇天ながら前日、断続的に降り続いた雨はあがり、路面はドライコンディションが維持された。換装されたエンジンに今度こそはと期待を寄せつつ、スロットルを開ける右足にも力が入る。

しかし、依然として感覚的にパワーは変わらない。タイムも最高速も、これまでのエンジンと大差はなかった。
午後からは、第1戦で車両提供を受け、その後も懇意にしている#32 チームBe:Flatの鶴賀選手に610号機のテスト走行を依頼した。

鶴賀選手はFCR-VITAにおいて毎戦上位入賞している実力者である。

正味10周し、得られた感触としては、ステアリングレスポンスは良好でインフォメーションもしっかり伝わる。

グリップ感もあり、ブレーキも強く踏んでいける、といった好感触であった。ただ、セッティングはよく決まっているが、ストレートが絶望的に遅い。

パワーさえあれば2分0秒フラットは狙えるとのコメントを残していた。コントロール性は良好で、スロットルを開けていられる時間も長いとのことから、いかに直線区間や低速からの立ち上がりでロスしているかがわかる。

 

公式練習走行結果
佐藤 元春:2’04.620

DAY3> 106日(土) 
FCR-VITA
公式予選(825845

気温は21.2℃、湿度89%。前日一度は持ちなおした天候は、本戦を迎えたこの日、朝からまた不安定な空模様を呈していた。

予想通り、予選の直前になって振り出す雨。しかも雨脚はますます強くなり、予選開始時にはすっかりウエットコンディションへと変貌していた。

新エンジンへの換装は期待通りの結果が得られなかったものの、佐藤はあくまでも現状の中で結果を出すことに拘り、マシンへと乗り込む。

 

富士スピードウェイはホームコースである十勝に比べてエスケープが広く、またアスファルト舗装されているため安心して攻められる。

しかし速度ものる分、挙動を乱した時に姿勢が大きく崩れがちである。特にミッドシップでウエットコンディションともなれば、多少雑にスロットルを戻したりブレーキを引きずったりすると、たちどころに慣性が働いてスピンモーションに陥る。
攻めれば攻めるほどにシビアなコントロールが求められることになるが、パワーによるハンデを打ち消すため、佐藤はそんな領域で戦うことを強いられていた。

スピンを喫しつつも、与えられた時間を目一杯使ってアタックを続ける。

記録は2分27秒161で14番手につけた。しかしながらピットロードでの速度違反があり、2グリッド降格のペナルティが課せられ、決勝は16グリッドからのスタートとなった。

 

 

FCR-VITA決勝(1245~)

いつものように、ピットアウトの時点からタイヤの熱入れに余念がない佐藤。

シグナルブラックアウトで3,000rpmからのクラッチミートは絶妙に決まり、610号機は路面を蹴って前に出る。スタートで3台の前に出た佐藤はアウト側から1コーナーへ進入。

イン側で競り合うライバルたちを静観し、コカ・コーラコーナーへはすぐ前を行く#10 チームテツヤRn-S A VITAのHayashi選手をピタリとマークしながらアプローチしていく。

その後の100Rでも引き続きアウト側から仕掛けていったが、ここでインから数台に抜かれ、ミドルラインで行き場を失っていた#55 Raise UPタマノVITAの堀内選手にアウト側のラインを塞がれ、余儀なくコース外に退避。

それでも失速を最小限に抑え、続くダンロップコーナーに差し掛かった時、さらに堀内選手がラインを塞ぐようにインに飛び込んできたところ、右フロントにヒットされてしまう。相手はスピンし、佐藤は順位を大きく下げてしまったが、即戦線復帰。

しかし、ダンロップコーナーを立ち上がったところで左フロントホイールハウス内から白煙が上がり始める。

ヒットされたのは右前側面からであるが、その衝撃でフロントカウルにずれが生じ、左側でタイヤが干渉していた模様。これを目にした佐藤は即減速し、レクサスコーナーの外側にマシンを停止させた。翌日、KYOJO CUPを控えており、大事を取っての判断。FCR-VITA第3戦は幕を閉じた。
DAY3> 106日(土) 
KYOJO CUP
公式予選(845905

前日の接触の影響はそれほど大きくなく、カウルの一部とホイールの損傷で収まっていた。

各部を確認の上、610号機は走行に問題ない状況でKYOJO CUPの日を迎えることができた。
気温は22.8℃、湿度80%。路面はドライコンディション。コースインした高橋は、練習走行のプラス1~2秒のタイムで周回し始める。

ホームストレートではライバルたちに次々に抜かれていくが、どのセクターにおいてもタイムのばらつきは少なく、安定した走りを見せていた。

ストレートスピードにおける差を縮めようと常に攻め込み、熱の入っていないタイヤを上手くグリップさせながらアンダーステアやオーバーステアと戦い続ける高橋。

 

 

 

予選終了時刻が迫る中、挙動の乱れも少なくなり、セッション後半2分5秒台をマークし始めたところで終了。最終的な記録は2分5秒835となった。

 

KYOJO CUP決勝(12:30~ 10LAP)

 

気温は25℃。やさしい日差しの中、決勝の時間を迎える。笑顔でチームクルーとの握手を交わしたのち、高橋はスタートの時刻を待つ。

フォーメーションラップを終え、改めてグリッドへ向かう。

スタートは3,000rpmにてクラッチミート。1速でリアタイヤをやや空転させたものの順当に加速し、順位変動や混乱なく各車1コーナーに飛び込んでいく。

高橋はイン側からのスタートであったがラインをアウト側に振り、1コーナー立ち上がりでクロスラインを狙う。

しかし、610号機の立ち上がりの鈍さが足枷となり、ポジションアップはならず。

その後もコーナー進入の度に前との距離を縮めるが、立ち上がりでおいていかれるという状況を繰り返す。

レース開始2周目までは他のライバルたちに食らいついていたが、ホームストレートを2回も通過すればその差は大きく開き、もはやスリップストリームも使えぬ状態となっていた。

しかし、前との距離が空いても攻めの姿勢を崩さない高橋。7周目には1コーナーでスピンを喫したが、それ以外は大きく失速するようなミスもなく、予選同様に全セクターにおいて安定したタイムをマークしていた。

前日のトラブルの影響もなく、10周を無事完走し、レースを終えた。

 

~レース後、チームオーナーコメント~

今年は富士スピードウェイでの結果が思わしくなく、万全の準備で臨んだが、他のマシンと比べてストレートエンドの速度が8~10km/h遅いという状態が続いており、予選・決勝ともその原因がわからないままでのアタックとなりました。

ただ、今あるマシンで、持てる力の限り走ってひとつでも上の順位を目指すべく、全開でアタックしました。その結果、予選は16位でした(タイム計測上は14位)。その順位でも決勝では何が起こるかわからないため、ベスト10入りを目指して、後ろから一台一台追いかけようと思い、集中してスタートラインに立ちました。

クラッチミートそしてシフトアップが上手くいき、スタートで2台の前に出ることができ、前車に接近した状態で1コーナーを駆け抜け、その後のコカ・コーラコーナー、100R、アドバンコーナーと順調にクリアしていく思いでしたが、100Rを抜けたところの左ヘアピンで並走していたライバルとの接触があり、白煙を吹いているのが見えたため、自分としてはマシンを守ること、翌日のKYOJO CUPを高橋純子さんに問題ない状態で走ってもらいたかったため、やむなくリタイアという形を選びました。

リザルトを残せなかったことは非常に残念ではありましたが、チームとしてKYOJO CUPを完走させるという目的は達成できたので、自分の判断は間違っていなかったと思っています。

11月に最終戦が残っていますので、これまでのうっ憤を晴らすべく、全力で戦ってきたいと思います。

 

Koshido Racing 佐藤 元春