RACING

北海道から全国へ、そして世界へ!
子供たちへ「希望」と「勇気」を与えるために走り続けたい。

2018.08.29 WAKO’S cup Rd.2 SUN耐 7時間耐久 RACE REPORT

WAKO’S cup Rd.2 SUN耐 7時間耐久

開催日時:2018年8月5日(日)

開催地:十勝スピードウェイ(北海道)

ドライバー:佐藤 元春、常松 巧、市川 篤
中川 隆吾、石崎 竜一朗、大島 良平

マシン:Koshido Racing Lair DC5(インテグラ タイプR)
Koshido Racing FD3S(RX-7) ※慣らし運転

参戦クラス:25VTECクラス(DC5)
6スタンダードクラス(FD3S)

天候:予選/曇り、決勝/曇り

路面:予選/ハーフウエット、決勝/ドライ

予選(DC5):4/47位(佐藤 元春)   決勝3/47位

 

 

8月に入り、暑さがより厳しくなる中、第1日曜日に耐久シリーズの第2戦であるWako’s SUN耐
7時間耐久レースが十勝スピードウェイにて開催された。

コースは普段ほとんど使われないグランプリコース。とは言っても、いつも走っているクラブ
マンコースに1周1,700mのジュニアコースを合わせて構成されるものである。この二つのコース
が組み合わせられることによって一周は5100mに及び、国内サーキットでは最長の部類に並ぶ。
クラブマンコースとジュニアコースの繋ぎの区間では走り慣れないコーナーも出現するため、
また新たな攻略が必要となるコースである。
今回のエントリー車両は、Lair Factory関川氏によって仕上げられた元S耐車両のDC5と、GNR
RacingによってセッティングされたフルチューンのFD3S。後者はエンジン換装後ほとんど走行
していない状態であるため、今回のレースは慣らし運転が基本となる。

ドライバーラインナップは、Koshido Racingチームオーナー兼エースドライバーである佐藤を
筆頭に、昨年11月のSUN耐でも一緒に戦った常松、恒志堂車両初乗りとなる市川がDC5を担当。
一方の慣らし運転FD3SはKoshido Racingレギュラードライバーの中川、VITA戦のゲストドライ
バーである石崎と大島良平が担当した。


慣らし運転担当のドライバー3名。左から石崎、中川、大島良平

 

<DAY1> 8月4日(土) 練習走行

7月末からの酷暑続きの気候とは打って変わり、この日の気温は22.5℃。時に肌寒さすら感じる。

昨年11月の耐久レースではガス欠とミッショントラブルに見舞われたDC5。練習走行1本目は市川
が走行。まずはLair Factory関川氏よりマシンの特性と注意点について説明を受け、久々のサー
キット走行に身体を慣らすべくピットアウト。初乗りとなるDC5の動きをみつつ、3速の保護と
燃費重視で設けたエンジン回転制限を守りながら徐々にペースを上げる。車は非常に扱いやすく、
デファレンシャルのおかげでグイグイ曲がる。元々S耐車両ということで、他チームの同車種より
100kgほど重いが、それを感じさせない動きに関川氏のセッティングの懐の深さを感じつつ、
周回を重ねていった。


Lair Factory関川氏よりアドバイスを受ける市川。

 

次は佐藤がコースイン。昨年秋の510㎞耐久レースで乗った感覚を取り戻すべく、マシンの調子を
みながら走らせていく。コースイン後の数ラップを様子見に使い、一旦ピットストップ。タイヤ
を変えて再びコースインする。練習走行の傍ら、翌日の決勝で使用するタイヤの熱入れも並行
して行っているこの日の走行。皮むきの終わっていない新品タイヤや中古タイヤを入り交えての
走行となったが、以後すべて2分26~27秒台にてコンスタントに周回を重ねていく。コンディ
ションが変化する中でのこの安定した走りは、エースドライバーならではといえよう。
佐藤に次いでは、こちらも昨年の耐久レース以来のDC5ドライブとなる常松がコースイン。
しかし給油の指示がうまく伝わっておらず、アウトラップからガス欠症状が頻発。数周我慢の
走りを続けたのち、給油を完了して再びコースへ。以前のレポートでも記載しているが、常松は
元々十勝スピードウェイのFRレコードホルダーである。車両がFFに変わってもその定評ある
マシンコントロール精度に変わりはない。佐藤に次ぐ2分26秒台のタイムを連発し、その速さを
見せつけた。

一方のGNR Racing慣らしFD3Sは中川・石崎・大島良平が順当に周回を重ね、この日トータル
28周、距離にして約143kmを走行した。3500回転縛りで最高速は90km/h足らずであるが、元々
のポテンシャルの高さでコーナーリングスピードは非常にレベルの高いところにある。ヘアピン等
の低速コーナーでは、通常アタックしている車両に肉薄する姿が度々見受けられた。

 

本来であればもっと走行距離を伸ばせていたはずであったが、低回転縛りに伴うリスクか、プラ
グの燃料かぶりにより急遽ピットイン。この日はそのまま走行を終えることとなった。

練習走行結果

佐藤 元春: 2’26.021

常松 巧 : 2’26.887

市川 篤 : 2’27.660

 

<DAY2> 8月5日(日)

予選(9:00~9:45)

この日の天候は前日に続く曇りで気温は18.2℃。連日の肌寒い気候となった。
湿度は67%で路面は間もなくドライに移行しそうな様相を呈しているが、予選開始時点では
ハーフウェットからのスタートとなった。SUN耐の予選はフリー走行も兼ねており、各チームの
全ドライバーが交代で乗らなくてはならない。
最初にコースインしたのは市川。前日とは異なる路面コンディションのうえ、47台が一気に
コース上に出たため、慎重にマシンを走らせる。クリアラップが全くとれぬまま3分を回るタイ
ムで周回し、タイヤに軽く熱を入れ2周でピットイン。早々に常松にステアリングを託す。
常松の走行枠でもコース上の混雑状況は変わらない。路面はレコードラインのみ乾いてきている。
常松も2周の走行であったが、他車を巧みにパスし、うち1周を2分28秒2までタイムを詰め、
予選ラストドライバーの佐藤へ。
予選残り時間も少なくなる中、佐藤はアグレッシヴに攻め続ける。アウトラップを終え、次の
アタックラップで2分26秒台をマークすると、次ぐ3周目には2分25秒台を記録。前日の練習走行
より悪条件ばかり揃う中で、しっかりとタイムを更新した。その後は他車に阻まれてタイムを
落としたが、最終的に総合4位の好記録を収めた。
因みにFD3Sは変わらずこの日も慣らし運転に徹していた。それでも予選では5台をおさえ、
42位につけていた。

予選結果

2’25.613(ドライバー:佐藤 元春)

決勝(11:01スタート)

天候は変わらず曇りであるが、路面コンディションはドライが維持されている。湿度は70%と
高めであるが、気温は17.9℃と長丁場を戦うドライバーには優しい気候の中、7時間の幕が開か
れる。今回ドリンクとクールスーツを導入し、熱中症対策は万全を期した。
スタートはローリング形式。スターティングドライバーは佐藤が担当した。メカニックや
スタッフが固唾を呑んで見守る中、セーフティーカーが先導を終えてピットロードへ。緊張感の
高まりとともにグリーンシグナルを待つが、動きがない。そのままシグナルが変わることなく、
スロー走行でスタートラインを超えていく各車。シグナルの不調である。結局仕切り直しとなり、
各車グリッドに整列しなおす。
予定時刻を少し遅れてスタート。グリーンシグナル点灯とともに一斉に咆哮を上げるマシンたち。
どのレースでも同様であるが、スタート直後は各車ライン取りに苦労する。それでも大きな混乱
はなく1コーナーをクリアし、順当にレースは進んでいく。

佐藤は2分25秒台と、予選と変わらぬペースで周回する。コース内には47台ものマシンが混走
しており、グランプリコースといえど決して走りやすいわけではない。そのような中、バック
マーカーを上手く処理し、安定したラップタイムを刻み続ける。スタートから21周を消化し、
セカンドドライバーの市川に交代。
市川はレース経験が浅く、混走には慎重な姿勢。長いレースであり、とにかく接触やマシントラ
ブルを避けるべく走行を続けた。特に昨年11月の耐久でミッショントラブルにより3速を失って
苦戦したという話を受け、7時間を無事に走り切れるよう慎重なシフトを心掛ける。それでも
安定して向きが変えられ、デファレンシャルのおかげで立ち上がりもアンダーステアとは無縁な
DC5に助けられながら、本レースウィークでのベストタイムを1秒ほど更新。予定では20周程度
走行してドライバー交代となっていたが、無線とサインボードのやりとりによって生じた誤解か
ら11周でピットイン。給油を済ませ、サードドライバーの常松へとチェンジする。

佐藤同様、昨年11月に同じマシンで耐久を戦っている常松。その走りは安定を極めていた。前戦
でのガス欠とミッショントラブルにより悔しさを滲ませていた常松は、とにかく車に負荷をかけ
ないよう丁寧に走らせる。しかしこのスティントもまた、コース内は大混雑。バックマーカーを
交わしながらの走行を強いられ続けていた。それでも大幅にペースを落とすことなく、給油により
総合17位まで下がった順位を元の5位まで戻し、24周で佐藤にドライバーチェンジ。
佐藤は1スティント目同様か、それ以上のペースで周回。ベストは予選タイムを上回った。決して
クリアではないコース状況の中で、どのラップも大幅にペースダウンすることなくまとめ上げる。
本スティント開始時に5周あったトップとの差は3周となり15周回で順位を4位に押し上げた。

給油を済ませ、市川にドライバーチェンジ。マシンに慣れてきたためか、1スティント目より各周
のラップタイムのばらつきは少なくなっていた。マシンはトラブルなく、依然として良好な操作
性に安心して周回を重ねる。給油の間に5周回差で5位となったが、15周のスティントで再び4周回
差に戻した。
次は佐藤の本レース最後のスティント。順当に給油を済ませてコースイン。ここではピットイン
による順位変動はなし。レース後半に突入し、マシンも人間も消耗した状態であったが、佐藤は
さらなるハイペースで周回を重ね、ベストタイムを更新。2分24秒台に叩き込む。その最中、
トップのアクアCBシビックが70Rにてクラッシュするというアクシデントにて114周でレースを
終え、これにより順位は3位に繰り上げられた。
昨年ガス欠に泣いたSUN耐。今回それだけは避けたいという思いで給油を予定していたところ、
レッドクロスにて全車スローダウン。幸運にもこのタイミングでちょうど給油に入ることが
できた。順位は落ちたが5位までで食い止められ、最終ドライバーの常松に交代する。

給油にて安全マージンを得たことで、最終スティントはエンジン回転数縛りを解除。DC5本来の
パワーが解き放たれる。前スティントに比べ、全体的に1~2秒早いペースで周回する常松。マシン
も労わりつつ、万全な状態での完走を目指してひた走る。ゴールの時間が刻一刻と迫る中、堅実
な走りで順位をキープ。懸念されたミッショントラブルにも見舞われることなく、無事に140周を
走破し、総合3位で7時間のチェッカーを受けた。

慣らし走行に徹していたRX-7は、この日トラブルなく7時間を完走。112周回にて総合29位で無事
にチェッカーを受けた。ロータリーエンジンながらあくまでも慣らしとして走行し続けていた
結果、燃費がよかったこと、またストレート区間ではゆっくりでありつつもコーナリングは
非常に高いアベレージスピードを保っていたことが大きな要因になったと考えられる。因みに
クラス別では一台のみのエントリーであったため、必然的にクラス優勝となった。


~レース後、チームオーナーコメント~
まずは、メンテナンスを担当してくださったLair Factory関川さん、サポートしてくださった皆様、
ありがとうございました。安心して車に乗ることができ、無事に完走することができました。
順位は3位表彰台という結果で、自分としては立派な結果であると考えてはおりますが、本心と
してはやはり頂点に立ちたかったという思いがあります。 そのためにはより緻密な燃費計算や
ピット作業を煮詰めていかなければならないということを痛感したレースでした。
自身の走りについては、自分のスティントで多々あったオーバーテイクシーンで、クリアであって
もそうでなくてもできる限りタイム差が出ないように走ることを意識して走行しました。コンス
タントにラップを刻むことができたのは自分の大きな成長のひとつであると思います。次回は
11月にも耐久レースがあるので、そこでは総合優勝目指し、皆で力を合わせて臨みたいと思います。

Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

 

2018.08.25 北海道クラブマンカップレース2018 Rd.2 VITA-01 RACE REPORT

北海道クラブマンカップレースRd.2 VITA-01

開催日時:2018年7月22日(日)

開催地:十勝スピードウェイ(北海道)

ドライバー:佐藤 元春(#610)、石崎 竜一朗 (#310)、竹谷 和浩 (#712)、
大島 良平(#777)

マシン:恒志堂レーシングVITA 610号機、310号機、712号機、777号機

参戦クラス:北海道クラブマンカップレース (VITA-01クラス)

天候:予選/晴れ、決勝/晴れ

路面:予選/ドライ、決勝/ドライ

佐藤 元春  予選:8/16位 決勝8/16位
石崎 竜一朗  予選:6/16位 決勝5/16位
竹谷 和浩  予選:9/16位 決勝:7/16位
大島 良平   予選:7/16位 決勝:9/16位

 

初夏の肌寒い日々も過ぎ、北海道はいよいよ本格的な夏季シーズンを迎えた。
今回の北海道クラブマンカップ第2戦は、そんな真夏の酷暑の中で開催された。

今年より4台体制で参戦しているKoshido Racingであるが、310号車のドライバーである大島
雄一郎が前戦に引き続き参戦できず、今回は石崎竜一朗を登用した。
石崎は昨年からレースを始めたルーキーではあるが、今シーズンはスーパーFJの富士シリーズと
茂木シリーズにスポット参戦している。富士シリーズは2戦2勝、茂木シリーズは2戦で2位・3位
それぞれ1回ずつという経歴で、今後が期待される存在である。

                      310号車をドライブする石崎竜一朗。今後の活躍が期待される。

610号車にはいつも通りチームオーナーの佐藤元春、712号車は前戦同様、竹谷和浩が搭乗。
777号にはデビュー2戦目となる大島良平がドライブ。

<DAY1> 7月20日(金)練習走行

佐藤は第1戦の時と同様に公式練習の前日から十勝入りし、マシンセッティング及び練習走行に
励む。今回はまだVITAに慣れていない石崎も同行し、共に練習走行に臨んだ。

この日の走行は13:30からの3枠。天候は晴れだが、昼過ぎということもあり、気温は27度前後で
空気もやや重め。コンディションとしては決して良好とはいえない。
第1戦の練習の際、佐藤はベストで1分32秒台をマークしていたが、この日は40周回し、1分35秒
台後半にとどまる。一方で石崎は、45周する中でVITAの特性を掴み始める。最終的に初回の練習
走行から順調にタイムを縮め、1分35秒台前半まで詰めた。双方、大きなトラブルもなく、練習
走行を終えた。

徐々にVITAに慣れ、思い描いたラインをトレースすべく奮闘する石崎。

 

練習走行結果

佐藤 元春: 1’35.902
石崎 竜一朗: 1’35.288

 

<DAY2> 7月21日(土) 公式特別スポーツ走行(30分間×3本)

この日設定された走行枠は3本。午前中より雲が広がっている。更別の午後は太陽が出てきてい
たが、前日同様空気が重く、湿度68%で気温は28℃。路面はドライ。
今回はメカニック4名体制でサポートスタッフは6名。蒸し暑い中、各々が淡々と準備を進めて
いく。

路温は太陽の熱を吸収し、上昇し続けている。タイヤにもエンジンにもドライバーにも過酷なコン
ディションへと変わっていった。
1本目、石崎が唯一の1分34秒台をマーク。それに続く形で佐藤が1分35秒1、竹谷・大島良平は
1分35秒6。今回2戦目となる大島良平は、佐藤や竹谷の走りやアドバイスを参考に自らの課題を
あげ、それをクリアするべく走行データを解析しながら練習に挑んでいた。コーナー進入のブレー
キリリースを丁寧にすることで、タイヤグリップの縦横比をうまく使うことを意識しながらVITAを
走らせる。しかし、上手く走れている感じはあっても決定的なものは掴めていないという本人の
感触。「上手く走れたと思っていても、単にそれは車速が落ちてきれいなライン取りで曲がれて
いるだけだった」と振り返る。


ロガーデータはドライビングの良し悪しをはっきり映し出してくれる。特にタイヤの使い方を筆頭
に、VITAの走らせ方は実に奥深いものがある。今回777号車を担当するメカニックの熊崎より、
車にどんどんリクエストしないとセッティングの方向性が出てこない。積極的に問いかけていって
ほしいとアドバイスを受け、リアの減衰を調整し、その後に挑んだ。

風はあり、体感上やや涼しげに感じるが、気温はさらに上昇している。一時は70%を超える高湿度
にさらされる中、最終枠はN- ONEやVitzとの混走となる。

改めて外から見比べてみると、VITAとN-ONEやVitzなどのいわゆるハコ車とのコーナリング
スピードの違いは歴然である。一つのコーナーの進入から立ち上がりまでの様子を見ていると、
容易に実感できる。

気温も路面温度も上昇する中、石崎・竹谷・大島良平は相次いでタイムを短縮してくる。唯一
佐藤は1本目のタイムがベストとなったが、自らの走りとセッティングがかみ合わないのか、迷走
している様子がうかがえた。

公式練習走行結果

佐藤 元春 :1’35.105
石崎 竜一朗:1’34.736
竹谷 和浩 :1’35.233
大島 良平 :1’35.391

 

<DAY3> 7月22日(日)

予選(9:50~10:10)

天候は曇り。気温は25.5℃。湿度72%。雲は更別上空から流れてなくなりそうな様相を見せている
が、前日以上に空気が重く感じる。

前日の走行データを入念にチェックし、予選の走りを組み立てる佐藤。

予選前の#610 佐藤 元春

石崎は前日の感触をもとに33秒台を狙う。ライン取りは定まってきたため、あとはVITAの特性に
合わせた走り方を模索するべくメカの藤巻にセッティングについて確認。走り方を再構築して
予選に臨む。

石崎は前日の練習走行でのタイムをコンマ1秒短縮し、1分34秒621。自身が思うようには詰められ
なかったが、チーム内ではトップタイムをマークした。

大島良平は、前日就寝前までデータを入念にチェックしていた成果か、石崎に次ぐタイムで
1分34秒657を記録。僅差でチーム二番手となった。急遽応援に駆けつけてくれた久保氏のアド
バイスと、予選前から課題に向き合う姿勢が結果として結びついている。

竹谷は終始安定した走りで、前日とほぼ同タイムにて予選を終えた。しかし、思い描いていた走り
はできていなかった様子。大きなミスこそないものの、ここ一番でタイムを伸ばす一手が打てず、
本人としては納得できていない。走行ラインを見る限り、コンマ1秒を削りにいく勢いが感じられ
る。決勝では堅実な走りとともに、いつもの竹谷らしい攻めの走りに期待が寄せられた。


左コーナーを限界まで攻める#712 竹谷 和浩

佐藤は前戦のポールポジション獲得時の好調に陰りが生じており、タイムはわずかに短縮したも
のの、伸びが今ひとつ。チーム内では3番手、全体では8番手に甘んじる結果となった。上手く
マッチしない610号車との溝を組めるべく、最後まで自身の走りに向き合い、現状でできる打開策
を考える。

予選結果

佐藤 元春 :1’35.078
石崎 竜一朗:1’34.621
竹谷 和浩 :1’35.225
大島 良平 :1’34.657

一方ライバル勢は、61号車のHDC日本平中自動車の平中選手がエントリー中で唯一1分33秒台を
叩き出し、ポールポジションを獲得。第1戦優勝の88号車 OPTech☆東北海道ヤナセの坂野選手も
それに次ぐ1分34秒フラットを記録し、予選2位につけた。
今回ライバル勢は33秒台から34秒台前半に集中し、激戦が予想される。

 

~以下、公式予選終了後ドライバーコメント~

佐藤 元春
「練習からいろいろと試行錯誤の連続。迷いがそのまま予選に出てしまった。決勝までに車載
動画で振り返りをしながら、冷静に本来の走りができるように整えたい」。

石崎 竜一朗
「全体的に昨日、一昨日よりも路面温度が低いのでタイヤグリップの感触は良い。しかしステア
リングもブレーキもまだ改善の余地はあり、決勝では意識的に詰めていく」。

竹谷 和浩
「ストレートが遅い。水温(冷却水温度)が低すぎたか。インフィールドはそこそこ上手くまと
められたが、ストレートで帳消しになる感じ。1コーナーの景色がいつもと違う」。

大島 良平
「左コーナーに課題が残るが、デジスパイスのデータを基に修正をかけてきた。これまでは
自覚できるほど4・5コーナーが遅かったが、いろいろとアドバイスを受けてようやく立ち上がり
のスピードものるようになってきた。決勝では堅実に予選順位以上を目指して走りたい」。

 

決勝(14:55~、12LAP)

第1戦同様、レーシングアクシデントにて時間がずれ込み、数十分遅れてのコースインとなった。
気温・路面温度ともに予選時より上昇しており、水温管理に悩む監督とメカニック。

スタート前、いつも通りチームオーナーの佐藤がKoshodo Racingの他3名のVITAに歩み寄る。
互いの無事と健闘を約束すべく声をかけ、がっちりと握手を交わす。
一度コースに出てしまえばライバル同士ではあるが、チーム内での結束は強い。

悔いなく戦うべく互いの意識を高め合う。レースの度に見られるKoshido Racingの儀式である

グリッドに整列したマシンたちは各車きれいにスタートを決めた。本レース最初の1コーナーへは
皆、慎重に飛び込んでいく。VITAもSAURUS Jr.もトラブルなくレースが展開されていく。

佐藤の610号車はスタートでやや失速気味。また他車に比べて向きが変えにくいためか、いつも
より立ち上がりのスロットルを開け始めるポイントが遅い。随所でいつもより一段低いギアを
選択し、前走車についていこうと試みるが、コーナーひとつ抜けるごとに少しずつ間を空けられ
る。レース後半の1コーナーでは、竹谷のインを刺そうと試みるも追い切れず引く場面もあった。
竹谷も後ろを確認しつつ、クリーンなラインで好バトルを見せている。今回佐藤はセッティングが
的中しなかったのか、本レースウィーク全体的に乗れている印象がない。
一方、竹谷は絶妙にスタートを決め、最終コーナー立ち上がりの姿勢もよく、ストレートへも
上手くマシンを前に進めている印象。時期的な要素もあるため車速はそれほど伸びないが、
アグレッシヴにインをうかがいつつ、一周一周をスムーズな走りで繋いでいく。チーム内の他の
VITAに比べてオーバー気味のセッティングであるが、向きが変わらずアクセルオンを待つ佐藤に
対し、立ち上がりはスムーズである。前回の接触で接近戦への苦手意識を吐露していたが、それを
微塵も感じさせないバトルを展開した。


数周目以降は皆ライン取りがシビアになっていく。各コーナーのクリップや立ち上がりでところ
どころ土煙が上がっていた。今回、予選で好調の#61 HDC日本平中自動車の平中選手は、決勝で
は今ひとつマシンに乗れていない印象であった。トラブルを抱えており、特に左コーナーでライ
バル達と比べて明らかに車速が落ちる姿が度々みられており、苦戦している様子が垣間見えた。


普段から安定して速い平中選手の今回の状況から、予選から決勝までトータルで速く走れるコン
ディションをつくることは容易ではないということがわかる。
石崎はスタート直後、慎重に前後の間隔をうかがいながらポジションをキープするも、3周目の
1コーナー進入で竹谷に先行を許す。しかし、5周目の同じく1コーナーにて取り返す。一見すると
4名中最も地味なドライビングで、車載映像でも変化が少なく見えるが、コース幅はいっぱいに
使っており、無駄がないドライビング。挙動は終始安定しており、タイムロスにつながりそうな
動きはない。一、二度ミスはするものの、このあたりはさすが現役ドライバーである。7周目には
大島良平を抜いてチームトップに躍り出る。最後は単独5位でチェッカーを受けた。
大島良平は2周目の8コーナーで一時チーム内トップに躍り出る。マシンの動きもよく、きれいな
ラインをトレースしている。

その後も石崎とサイドバイサイド、テールトゥノーズの好バトルを展開。5周目、前で競り合う
平中選手と鬼塚選手の中に割って入る。6周目の後半で後方の石崎もバトルに加わり、サイドバイ
サイドに。7周目に突入した2コーナー立ち上がりで、大島良平が痛恨のコースアウト。その後の
4コーナーで自身のタイヤについた土に足を取られ、オーバーステアと格闘しているうちに後方の
竹谷に先行を許す。このオーバーステアを最終コーナーまで引きずり、最終コーナーの立ち上がり
で踏めない大島良平は、続く8周目のホームストレートでも佐藤に先行されてしまう。そのまま
9番手でのチェッカーとなった。

今回のレース自体は#11 さくら眼科十勝スクールVITAの今野選手や#3さくら眼科☆OWLwithRS-
a01の古井戸竜一選手、前回優勝の#88 OPTech☆東北海道ヤナセの坂野選手に完全に水をあけられ
る結果となった。チーム内では常に接戦が繰り広げられていたことから、各々のバトルに対する
経験値は大いに獲得できたと思われる。次戦に向けてまた一から出直す姿勢で、上位に食い込める
よう努力を重ねていきたい。

 

~レース後、チームオーナーコメント~

今回、予選・決勝ともに8位という結果を受け、敗因を考察した結果、車と自分の波長が合わな
かったということが原因の一つと考えています。第1戦の時の乗り味や結果がよかったため、その
まま惰性でセッティングしてしまったこと、つまり気温も湿度も路面状況も異なる状況でセッティ
ングに時間を割くことなく、不完全な状態で予選・決勝に挑んでしまったことが最も大きな要因で
あると思います。第1戦では走り込みに十分な時間をとり、メカニックとよく対話して車を仕上げ
たことが成果として表れていました。本来であれば一から車をつくり上げるくらいの気持ちで臨む
べきであったところを今回怠ってしまったことが大きな敗因であり、結果的に前も走れていたから
今回もどうかなるだろうという自分の油断と慢心が大きな差をもたらしたと痛感しています。

第3戦に向けてはより時間をかけて走り込み、車をつくり込んで頂点をとるべく走り込みを重ねて
いきたいと思います。

Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

 

 

 

 

 

2018.08.23 Ferrari Racing Days Fuji 2018 RACE REPORT

Ferrari challenge Trofeo Pirelli APAC Rd.4

開催日時(RACE1):2018年6月30日(土)

開催日時(RACE2):2018年7月1日(日)

開催地:富士スピードウェイ(静岡)

ドライバー:佐藤 元春

マシン:Ferrari 488 challenge

参戦クラス:shell

天候:レース1~予選/曇り、決勝/曇り   レース2~予選/曇り、決勝/曇り

路面:レース1~予選/ドライ、決勝/ドライ  レース2~予選/ドライ、決勝/ドライ

レース1~予選:クラス6位/12台(全体11位/35台)

決勝:クラス8位/12台(全体14位/35台)

レース2~予選:クラス8位/13台(全体14位/34台)

決勝:クラス6位/12台(全体10位/34台)

 

 

フェラーリ本社が公式イベントとして世界各国で開催するFerrari Racing Days。そこにワンメイクレース・シリーズフェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ・アジアパシフィックの第4戦も併催された。今回のレースには39台が参戦。うち日本人ドライバーは過去最多となり、盛り上がりを見せた。

会場となる富士スピードウェイでは、F1チャンピオンシップを戦い抜いた歴代マシンたちのデモ走行や、ラ フェラーリをはじめ、日本へのフェラーリ正規輸入50周年記念で日本顧客のためだけに10台のみ生産が発表されたJ50の展示など、往年のスペシャルモデル達が彩りに華を添えていた。

F40からラ フェラーリまで、歴代スペチアーレが並ぶ

 

日本顧客向け限定10台の超希少なフェラーリJ50

 

今回のレースエントリー車両は納車されて間もない488 challenge。

これまでの恒志堂にはないイエローのカラーリングに、鮮やかなブルーのアクセントデカールによって装飾された車両にて挑む。

2018年の恒志堂の記念カラーになるであろう黄色が眩しい

 

DAY1> 628日(木) オープンプラクティス(50分間×1本、60分間×2本)

 

走行枠は3本。2週間前のFCRの際もウエットコンディションであったが、今回も富士スピードウェイはウエット路面からのスタートとなった。

幸い1本目の走行時間には雨は上がっており、路面は乾きかけている。

周りのチームにはスリックタイヤを選択するところも見受けられるが、まずは慣れる目的でレインを選ぶ佐藤。

ところが、いざ出走というところで赤旗によるコース閉鎖。練習走行枠1本目は1周もできずに終了してしまう。この間にスリックへの変更し、2本目の走行枠を待つ。

 

2本目は路面がほぼドライとなる。2周走行したのち、エアチェックのためピットイン。そこからアタックラップに突入する。

他チームはプロやセミプロが運転または同乗し、直接アドバイスを受ける中、佐藤は自らの経験とセンスを頼りに孤独に戦い続ける。

 

しかし、走行を重ねていく中でステアリングセンターがややずれていることが判明。我慢の走行を強いられる。

その上出走台数が34台と多く、クリアラップがとれぬまま時間が削られていく。

そのような中でも、途中クラス4番手(13台中)、全体では6番手につける佐藤。

クラスはpirelli・shell・shell amの3つに分かれており、佐藤は当初amからスタートと思われていたが、格上のshellクラスからのエントリーとなっている。

走り込みを続ける佐藤であったが、セクター3でのアンダーステアが強く、クルマの向きが変わらない。

このスティントは終始我慢の走りのまま終えることとなる。

走行後、セッティング変更についてエンジニアに相談、アライメント調整とブレーキパッド交換を終え、プラクティス3本目に備える。

因みに本イベントでサーキット入りしているドライバーやスタッフはほとんどが日本人以外であり、

邦人は2割程度。エンジニアとメカニックの会話はすべて英語で交わされている。Koshido Racing担当のメカニックはトニー氏。

佐藤も元々の英語講師としての能力をいかんなく発揮し、走行時の状況を克明に伝えていく。

トニー氏にクルマの動きについて説明する佐藤

3本目、最終コーナーにオイル漏れがあるが、大きな問題はなく全車ラップを重ねている。

後半雨がぱらついてきたが、路面はドライが維持されていた。
アライメント調整の効果か、回頭性は良くなっている。

 

オープンプラクティス走行結果

ベスト:1’45.285(プラクティス②)

DAY2> 629日(金) 

オープンプラクティス(60分間×2本)   フリープラクティス(45分間×2本)

 

オープンプラクティス1本目の走行直前に雨が降り始め、路面はセミウエット。当初10台程度での走行開始となったが、後半になるにつれ台数が増加していく。

3周目にピットインし、ニュータイヤへ交換。相変わらずクリアは取れない状況が続くが、コカ・コーラ及びダンロップ両コーナーでは確実に前との差を詰める佐藤。

タイムを1:45.724まで縮め、1本目を終了する。

 

2本目は雨が降ったりやんだりを繰り返しているが、路面はドライ。但し湿度は90%超えであり、エンジンの伸びは今ひとつのコンディション。

今回の走行枠からプロではなく、レースエントリーしているジェントルマンのみが出走。

佐藤はユーズドタイヤでの走行だが、一時クラストップのタイムを叩き出す。

レースにエントリーしているジェントルマンのみの走行では、一時クラストップに躍り出る。

 

フリープラクティスへと移り、1本目は4周でピットイン。ニュータイヤに交換し、その後タイムを1分44秒台まで詰める。

2本目はウエット路面となり、クラス2位のタイムで全プラクティスを終えた。
フリープラクティス走行結果

ベスト:1’ 44.857(プラクティス①)

DAY3> 630日(土)  RACE1 Trofeo Pirelli 

予選(12:10~ 30分間)

 

天候は曇りながらも、路面は乾いている。前日・前々日のプラクティスでの走行をもとに、この日のマシンの感触を確かめつつコースイン。

2周にわたって自身の身体とマシンを慣らし、ピットイン。タイヤの内圧を調整し、ここ一発のタイムを狙う。ターゲットは1分43秒台。

メカニックと状況を確認し、再コースイン。前走車との間合いは十分に取れている。

アタックラップ1周目、力が入る佐藤。コカ・コーラコーナーにてオーバーステアを誘発してしまい、痛恨のタイムロス。以後は前後をうまく調節し、クリアラップをつくる。

タイヤの摩耗を抑えつつ、次の周に照準を当てる。

2周目、TGRからコカ・コーラ、100Rと、きれいにまとめていく。アドバンコーナーの立ち上がりも上々で、300Rのスピードが乗る。

プラクティスではアンダーステアに悩まされたセクター3もきれいにまとめあげ、現時点でのベストラップをマーク。

ペースはそのままに、アタックラップ3周目。2周目同様、セクター2まできれいにマシンを走らせる。前周よりも速度はのっている。

セクター3に突入し、得意のダンロップコーナーでのブレーキング。前走車との間合いが一気に縮まる。

立ち上がりで挙動を安定させ、13コーナー、レクサスコーナーと順調につなげていき、残すところは最終コーナー。

この時、前走車との距離感としてはベスト。というのもその後に待ち受けるのは日本のサーキット最長といわれるホームストレート。

ここでスリップストリームをうまく使えばタイムはグンと伸びる、そんなイメージで突入した最終コーナー。しかし前走車が侵入でミスし、失速。

後ろについていた佐藤も余儀なく減速を強いられた。大きなチャンスをはらんでいる分、失敗したときの影響もまた多大であるのが最終コーナー。

ここでの失速は痛い。結局アタック2周目がベストとなり、全体11位、クラスは6番手で予選を終える。

この予選でのセクターベストをつなぐと1’44.379と、全クラス中でも上位に食い込めるタイムになることから、決勝での活躍が期待される。
予選タイム:1’44.801

決勝(15:00~ 30分間)

 

35台のフェラーリがホームストレートに並ぶその姿は圧巻である。佐藤は予選に使用したタイヤと同じもので挑む。

本レースはローリングスタートであるが、各車フォーメーションラップから既に所狭しとひしめいている。

シグナル点灯中から前走車より前に出ようとする車両もおり、スタート直後の混乱が容易にうかがえる。

シグナルブラックアウトで一斉に咆哮をあげる488 challenge達。各車スリーワイドないしフォーワイドで1コーナーに飛び込んでいく。

予想通りの大混雑に、外から見ているだけでも恐怖を覚える。佐藤は冷静に前後左右を見極め、隙間に飛び込み、走行ラインを確保。

その後3周にわたって至るところでバトルが繰り広げられていた。

スリップストリームを抜け、前に出てはイン側の狭い間隔に後ろから飛び込んでくるライバル達。全方向に視線を向け、神経をすり減らす周回が続く。
4周目、他車が絡み合い、セーフティーカーが入る。6周にわたってスロー走行が強いられ、10周目で解除。再スタート時点でレースは残り7分。

セーフティーカーが入る前と比べるとやや前後の間隔が空き、危なげな他車とのバトルも上手く避けながらゴールを目指す。

ジャンプスタート、黄旗追い越し、ライン潰しやこじ開けが横行する中、クラッシュは避けたいという思いのもと、

クリーンなレース運びで佐藤は全体14位、クラス別8位という結果で無事にチェッカーを受けた。

出走35台、うち完走29台という荒れたレースとなった。スタート前や黄旗区間での追い越しに関してはペナルティがとり切られていない状況であった。

DAY3> 71日(日)  RACE2 Trofeo Pirelli

予選(11:00~ 30分間)

前日同様曇りではあるが路面はドライコンディション。

エントリーは38台の予定であったが、実際に出走したのは35台。

各車一斉にアタックに入る…が、予選開始直後に赤旗。この日も波乱含みのレースを思わせる滑り出しである。

8分後にリスタート。早くも予選時間の3分の1を消化している。タイムリミットに向かう限られた中で、全車ベストタイムを狙いにいく。

少々台数が減っても依然として混み合っており、クリアラップ獲得が難しい状況。

前日の結果に対して悔しい思いが募る佐藤であったが、なかなか思うような走りができずにいた。

 

本イベントの初日に488 challengeへの初乗りとなった佐藤であるが、マシンへの順応性は高く、4日目のこの日は大きなミスをすることもなかった。

ここはVITAレースでの経験も大きく活きているものと推測される。

全体をきれいにまとめ、最終的に前日のベストのコンマ3落ちで走行。予選通過は全34台で、この日は14位、クラスでは8番手につけた。

予選タイム:1’45.113

 

 

決勝(13:45~ 30分間)

 

天候は午前中の曇りから少しずつ晴れ間がさしているといった状況。

34台のマシンがスタートに備え、各グリッドにつく。ゆっくりとフォーメーションラップがスタートし、各車ホームストレートに戻ってくる。

前日同様に大変な混雑状態。

シグナルブラックアウトで慎重に周囲を確認しつつ、スロットルを開ける佐藤。

1コーナーへはまたもスリーワイドで突入していく。自車の右側には既に2列の車列ができあがっている。

アウトから抜ける走行ラインを描き、イン側の車列をブロックすることなくクリーンに仕掛けるが、容赦なく外に押し出してくるライバル達。

コカ・コーラコーナーでも立ち上がりのラインを塞がれ、車速をのせられないまま100R へ。

富士でのフェラーリレーシングデイズも最終日とあってか、どのドライバーも血気盛んに仕掛けてくる。

オーバースピードでアドバンコーナーに突っ込み、曲がり切れずに飛び出していく車両を横目に、佐藤は慎重にコーナーを立ち上がる。

そして300Rを抜け、ダンロップコーナーへのブレーキングに差し掛かった時、矢のように後方から突っ込んでくる後続車を佐藤は見逃していなかった。

佐藤が目視していたそれは、明らかなオーバースピードで曲がり切ることなく前走車のひしめくコーナーに突っ込んでいく。右サイドに激しくヒットされた車両は成す術もなくコース外にはじき飛ばされてしまった。

あのまま通常通りブレーキングでコーナーに侵入していたら、間違いなくこちらも巻き込まれていただろう。
格式高いフェラーリチャレンジレースであるが、ことアジアパシフィック戦は無謀なドライビングをする選手が多いことから、前日然り完走するだけでもかなりの集中力を要する。佐藤はこのイベントの前からしっかりとリスクマネジメントをしてきた。その結果が如実に現れる形となった。

激しいクラッシュではあったが、ここではセーフティーカーが入ることなくレースは続行された。クラッシュを機に混み合っていた隊列がやや整理され、その後はラインをクロスしながら周囲とのクリーンなバトルを展開していく。得意のダンロップコーナー侵入では、ブレーキングで一気に前走車との間合いを詰める。
ホームストレートではスリップを使い、1コーナーで並びかけるが、ブレーキングで前に出るまでには至らずそのままセクター2へと突入。セクター3で再び差を詰め、またホームストレートで並びかけるというのを繰り返す。サポートスタッフは固唾を呑んで見守る中、好バトルが続く。

こういった展開が何周かにわたって続いた8周目、アドバンコーナー手前で他車同士のクラッシュが発生し、ここでセーフティーカーが入る。

4周にわたる先導走行ののち、12周目で解除。リスタートが切られる。

全車、すっかり間合いが縮まり、再び随所でバトルが繰り広げられていく。今度は大きな混乱もなくクリーンなレースが展開され、そのまま16周を走り切ってチェッカー。
クラス12台中6位、全体では34台中10位という成績となった。因みに日本人の中では2位。荒れたレースを上手くコントロールし、ドライバーも車両も無事に帰還した。
以上の結果でFerrari Racing Days 2018 Fujiは終わった。悔しい結果ではあるが、ドライバーである佐藤もサポートスタッフの面々もよい経験となったことは間違いない。

今回はマシンのセットアップが思うように詰められなかったことと、一部のエントリードライバーの無謀な走行により、無事に走り切ることがなにより難しいレースであった。

~レース後、ドライバーコメント~

今年初めてフェラーリチャレンジレースに出場するにあたって最も意識したことは、メカニックやエンジニアが丁寧に作りこんでくれた車を、きれいな状態のままレースを終えて戻したいというところが大前提としてありました。ジェントルマンドライバーとして走行するにあたり、マナーをしっかり守り、ルールに則ったうえで一つでも上に行けるよう意識してレースを組み立てました。
事前情報として危険な運転をするドライバーがいると聞いていましたが、プラクティスからレース1の予選・決勝、レース2も同様に、動画を見てもそういったドライバーが散見されました。

自分としてはジェントルマンドライバーの見本となるように、危険行為をせずにクリーンなバトルを楽しんで、その中で上位に食い込むというのがこのレースの醍醐味であったと考えています。

ただ、上位陣のレベルは非常に高く、日本人同士のバトルもクリーンで、実戦におけるスキルは向上できたことから、非常に有意義なレースであったと感じています。
プラクティスの時間が非常に長くとれたため、今回のレースが初乗りかつシェイクダウンではありましたが、しっかり体に馴染ませることができました。

プラクティスの中ではクラス2番手までのタイムを出せるようになったので、次回参戦するまでにしっかりセッティングを決めて、トレーニングを重ねることでクラス優勝、もしくは総合での表彰台も目指すことができるという実感はあります。

今後に関しては、まずアフターメンテナンスをしっかり行い、走行動画を確認しつつセッティングを詰めて、次なる走行の準備を進めていきます。
あくまでもジェントルマンドライバーとしての見本となるような走りをすべきであるということを念頭に、次戦に臨みたいと思います。
Koshido Racing 佐藤 元春