2025.06.22 ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE Rd.3富士24時間-決勝①-
■ウォームアップ走行
昨日出現していたエンジンが吹けなくなる症状は見られず、ロトスタ号は元のポテンシャルを取り戻していた。但し根本的な原因究明という点では、やや決勝に不安が残るところではある。この症状が出現するとホームストレートのトップスピードで30km/hほどの差が出ることから、同クラスの他チームに対して大きなハンデを背負うことになる。課題は抱えていたがまずはこのままスタートを切ることとなった。
■ピットウォーク
朝から午後イチくらいまで雨の予報となっていたが、ちょうどこの時間は雨が上がり、参加者には嬉しい誤算。良いタイミングに恵まれ、多くの来場者で賑わった。
やはり富士24時間レースはスーパー耐久シリーズの他レースの中でも別格の盛況ぶり。多量に準備していたノベルティはすっかりなくなってしまうほどであった。また、前戦に続き北海道イエロースターズの三選手も駆けつけ、花を添えた。
今回はトートバッグやマフラータオルのほかに、今回新たに作成したクリアファイルやミニフラッグを用意。それだけではなくスポンサーであるノース・メディコ様も来場され、さらに充実したノベルティを引っ提げてのピットウォークで多くの来場者に認知される結果となった。
■富士チャンピオンレースシリーズロードスターカップ
Dドライバー山本はこの24時間耐久レース以外にも自身の車両でロードスターカップにもダブルエントリーしていた。予選・決勝ともに午前中に行われたが、雨でセーフティーカースタートを強いられる中、荒れるレースをミスなく走り切る。表彰台には一歩届かなかったが、良い流れを掴んでレースを終えた。
■スタートセレモニー~第1スティント
15:00スタートの予定であったが、強雨により順延となり16:00スタートと一時間のディレイ。加えてセーフティーカー(以下、SC)スタートとなった。第1スティントはAドライバー佐藤。路面は無論フルウエットにてレインタイヤでのスタート。数周にわたってSC先導となり、その間にタイヤを良い状態に仕上げるべく余念がない。そもそも雨が得意と自負する佐藤はタイヤが冷えた状態でも抜群の安定感を発揮する。
ラップタイムは2分14~17秒台のペースで周回を続けるが、ここで昨日のエンジンが吹けなくなるトラブルが顔を覗かせる。これにより3~4秒ペースを落とさざるを得ず、2分17~20秒前後のペースでの周回を強いられた。早々のトラブルに頭をかける佐藤であったが、それでもポジションを死守するべく何とか後続を抑えようと走行。必死にロトスタ号で格闘していたところ、症状は途中で消失。息を吹き返したロトスタ号は再び元のペースを取り戻した。
28周を消化し、路面は徐々にドライに。ここでピットインとなる。
■第2スティント
Bドライバー柴田へチェンジ。路面は乾きつつあり、タイヤをスリックにチェンジしてペースアップを狙う。第1スティントで出ていた症状は出現なく、順調にペースを維持。路面状況の変化とともに2分9秒台、8秒台へとラップタイムを短縮していく。完全にドライ路面となってからは2分7~8秒台にて安定して周回。この安定性もまた柴田の持ち味である。
路面コンディションも徐々に回復し、2分8秒台で安定してラップ。本スティントも後半に差し掛かると空は暗くなり、ナイトセッションへと突入していく。
19時前、きっちりと仕事をこなした柴田が帰還。予定通り大宮にステアリングが託された。
■第3スティント
Eドライバー大宮が搭乗。練習走行でロードスターというクルマを理解できたと話していたその言葉通り、ピットアウト後まもなくペースを上げていく。
暗い時間帯にも関わらず2分7秒台を連発。24時間名物の打ち上げ花火とともに完全に覚醒した。
残り19時間28分。ST-5Rクラストップを走行していた76号車にトラブル発生。これにより1ポジションアップのクラス2位となる。
スロー走行車発生によるFull Course Yellow(以下、FCY)ののち、その後6周回のSCランをはさむこととなったが、その間の20:26にピットインした。
■第4スティント
非常にペースよく走行できていた大宮は急遽ダブルスティント決行となる。SC中にピットアウトし、トップの88号車とは10秒強の差。SC中であるため、この差は正しいものとはいえないが、ラップタイムを上げてきている大宮はこの差をいかに縮めていけるかという最初の正念場にきていた。しかしここで88号車のFCY中のピットインによるペナルティが確定。ピットストップ60秒との内容。前後のピットレーン走行時間を踏まえると逆転するには十分な時間である。という計算をしていた傍ら、大宮は自身の走りで88号車の前に出てみせる。
ここでさらに88号車がペナルティ消化。大きなマージンを確保することに成功する。そして大宮のラップタイムは2分6秒台をマークし始め、その差をしっかりとキープ。再びSC導入となり、ここでピットへ帰還した。3時間のロングスティントを戦い抜いた。若さ溢れる大宮であるが、さすがに疲労は隠せない様子であった。
■第5スティント
21:52。Dドライバー山本に交代し、ピットアウトというところでロトスタ号に日中以来のトラブルが襲う。左のリアタイヤが外れないという状況。ひとまず一旦ピットアウトさせるが、SC中に再度ピットイン。規則上設定されているメンテナンスタイムの10分間を充てる形でアームごとハブ交換を実施した。
SCは一度解除されたものの、その数周後に霧による視界不良で再度SC導入。しかしこれはKOSHIDO RACINGにとってプラスに働くこととなった。しかしながら霧が晴れずSC先導時間は延々と続く。時間も深くなり、ツーリングスピードを強いられるこの状況はドライバーに睡魔を与えてしまうのではないかと心配になるほど。結局SCは解除されぬまま、山本のピットイン時間を迎えてしまう。
山本によると、SCとSCの合間の短い全開時間の中で、再びエンジンが吹けなくなったと報告があった。やはり手負いの状態は変わらない状況での戦いは続く。
■第6スティント
0:40。Cドライバー浅井にチェンジ。SCはまだ解除されず、我慢の走行が続く。数周後、SCがピットに戻り、ようやくレーシングスピードへ復帰。実質的な浅井のファーストスティントが開始された。しかしながらほどなくしてTGRコーナー立ち上がりで他クラスの大きなクラッシュがあり、FCYが適用される。車両回収後はクラッシュによるガードレールの修復のため1時19分に赤旗中断となる。
レースは2:00に再開。徐々にラップタイムを短縮していく浅井は2分11秒台、10秒台、9秒台と順当に詰めていく。この時点でクラスポジションは3位。ハブ交換が痛手となり、一度は1位を走行していたが、何とか表彰台圏内をとらえるべく順位をキープした。