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2018.05.25 北海道クラブマンカップレース2018 Rd.1 VITA-01 RACE REPORT

北海道クラブマンカップレースRd.1 VITA-01

開催日時:2018年5月20日(日)

開催地:十勝スピードウェイ(北海道)

ドライバー:佐藤 元春(#610)、中川 隆吾 (#310)、竹谷 和浩 (#712)、大島 良平(#777)

マシン:恒志堂レーシングVITA 1号機、2号機、3号機、4号機

参戦クラス:北海道クラブマンカップレース (VITA-01クラス)

天候:予選/晴れ、決勝/晴れ

路面:予選/ドライ、決勝/ドライ

 

佐藤 元春 予選:1/15位 決勝2/14位

中川 隆吾 予選:7/15位 決勝4/14位

竹谷 和浩 予選:8/15位 決勝:10/14位

大島 良平 予選:9/15位 決勝:5/14位

 

十勝スピードウェイで行われるJAF公式レース、北海道クラブマンカップが今年も開幕した。

昨年まで3台体制で参戦していたKoshido Racingは、2018年第1戦となる今回から新たに一台を加えた4台体制でのエントリー。エースカーの610号車は鮮やかなグリーンのカラーリングが施された新車が投入され、そのシートにはチームオーナーの佐藤元春が座る。

310号車には、大島雄一郎が今戦は不出場の為、昨年の同シリーズ最終戦に引き続き、堅実な走りを見せる中川隆吾がドライブ。

712号車はいつも通り竹谷和浩が担当。そして4号機にはこれまでエースカーとして走行していた1号機が投入され、777号のゼッケンを冠し、公式戦デビューとなる大島良平がドライブした。

予選前、ピット内が最も緊張に包まれる時間である。

777号機を操る大島良平。昨年の初乗りでは見事に乗りこなしていた。

 

DAY1> 518日(金)練習走行

佐藤は他3名のドライバーに先んじて十勝入りしていた。しかしながらこのレースウィークは爆弾低気圧の接近により荒天が予想され、この時期としては低めの10.4℃という気温に見舞われていた。

幸い走行準備を整え、コースインするタイミングで雨は上がっており、路面はドライ。1本目のアタックラップから1分34秒台をコンスタントに刻み、33秒台と順調にタイムを削っていく。

そしてアタック開始5ラップ目には今期初となる1分32秒台をマークし、その後も安定して32~33秒台で周回した。給油とNewタイヤへの交換を済ませ、2本目へと突入。

タイムは33秒台前半を連続でマークするも、1本目のタイムの更新には至らなかった。

3本目はなんとか持ちこたえていた天候が崩れ、ウエット路面に。足回りの減衰を弱め、感触を確かめる程度の走行に抑え、この日の練習走行を終えた。

 

練習走行結果

佐藤元春: 1’32.755

 

鮮やかなグリーンのカラーリングが施されたエースカーの610号機。

 

<DAY2> 5月20日(土)公式特別スポーツ走行(30分間×3本)

この日も天候は不安定で雨がパラつき、8℃後半から9℃前半と、前日以上に気温が低い難しいコンディション。

10時を過ぎ、十勝スピードウェイに佐藤以外の3名のドライバーが続々と到着する。

練習走行開始までしっかりと時間をとり、入念にシートポジションを合わせる中川と大島良平。

公式レース初参戦の大島良平に、ウエット路面のセッティングやゼブラの乗り方、今期指定タイヤとなったアドバンネオバの特性についてなど、エースの佐藤よりアドバイスが飛ぶ。

1本目はハーフウエットながら、全車ドライ用セッティングで挑んだ。

佐藤はタイヤの内圧を前日値よりコンマ1のみ高めに設定した状態でコースイン。しかしマシンの挙動に悩み、アタックラップに入ってすぐスピンを喫してしまう。

後続の中川、竹谷、大島良平は慎重を期し、徐々にペースアップしていく。

2本目は依然として気温は低いものの、路面はところどころ乾き始める。全車大きなトラブルもなく、コンスタントにラップを刻んでいく。

昨年10月の練習走行で乗って以来のVITAの感触を確かめつつ、周りに引っ張られながら大島良平も順調にタイムアップしていった。

タイムアベレージも全車1分35~36秒台と上がっていき、中川・竹谷も挙動に慣れてきた様子であった。

3本目、路面はほぼドライ。2本目までの走行動画を振り返り、佐藤から他3名のドライバーにアドバイスが送られる。左コーナーへのアプローチの遅れからボトムスピードが落ちすぎていることを共通の課題として挙げ、それぞれ意識しながらの本日最後の一枠へ。

佐藤は安定して1分33秒台を刻み続け、竹谷も全周回のうち、約半分を34秒台で走行。

大島も34秒台後半~35秒台前でラップし続け、新人離れした才能を見せた。

中川も同ペースで走行し、最終コーナー攻略のポイントを掴みかけたところで痛恨のコースアウト。走行後のコメントでは「オーバーがまだ少し強く感じる。でもこのままいくか」とセッティングに課題が残る様子がうかがえた。

一方で佐藤は「このままのセットで予選アタックし、32秒台が出たらもっとオーバー寄りのセットに変更を考える」とコメントしていた。

ライバル勢は#88 OPTech☆東北海道ヤナセの坂野、#61 HDC日本平中自動車の平中が手計測で佐藤に肉薄するタイムを記録し、翌日の予選・決勝での混戦が予想される結果となっていた。

 

公式特別スポーツ走行結果

#610 佐藤 元春: 1’33.376

#310 中川 隆吾: 1’34.459

#712 竹谷 和浩: 1’34.510

#777 大島 良平: 1’34.893

#712  竹谷 和浩

#610  佐藤 元春

 

<DAY3> 5月20日(日)予選(9:35~9:55)

土曜までの荒天とは打って変わって天候は快晴。路面状況はドライ。気温も10℃を下回っていた前日よりかなり暖かく感じられ、タイヤへの熱の入りは良さそう。雨は前日夕方には完全に上がっており、コースコンディションは良好。しかし、しっかりと水を含んだグラベルは一歩飛び出せばスタックの危険性が高く、ドライバーは緊張を強いられそうだ。

予選前の#310  中川 隆吾

 

予選10分前、各ドライバーがそれぞれのコックピットへ身を沈める。

出走順は竹谷と中川がライバルチームを後追いし、その後方で佐藤がルーキーの大島良平を引っ張る形でコースインした。

アタック開始早々、1分33秒台を連発する佐藤。大島良平も離されまいと34秒台のラップを刻み、食い下がる。佐藤はそのままハイペースを維持し、7周目にベストとなる1’33.228を叩き出し、見事ポールポジション(予選1位)を獲得した。

中川は36秒台から徐々にペースアップし、中盤から後半にかけて34秒台半ばをキープ。途中で挙動を乱すこともあったが、そのまま予選7位につける。

竹谷もまた安定の走りで練習走行とほぼ変わらぬタイムにて周回。34秒台後半から35秒台前半のタイムで周回し、中川に次ぐ8番手につけた。

ルーキー大島良平は、序盤から34秒台をマークし、その後も35秒台前半で周回していたが、後半にペースの乱れがあり、35秒台後半へ。しかし、そのままペースを維持し、9位にて予選を終えた。

ライバル勢も33秒台前半から34秒台前半にひしめき、決勝の混戦が予想された。

1~9位までが1.5秒以内に収まっており、混戦が予想される。

~以下、公式予選終了後ドライバーコメント~

佐藤 元春

「個人的には満足のいく内容ではなかったが、二日間しっかりテストしてセッティングが固まったことが今回の結果につながっていると思う。決勝ではポールトゥウィンしか考えていない。後方からの猛プッシュが予測されるが、自分なりの冷静な走りで勝利を収めたい」

 

中川 隆吾

「後半タイヤグリップが落ちてきつかった。1コーナーでフロントがロックするので、決勝はブレーキバランスをリア寄りにして挑む。あとは自分がひとつでも順位を上げらるように頑張るのみ」

 

竹谷 和浩

「クリアラップがとれず、唯一まとまりの良かった8周目は前走車のスピンによりチャンスを失ってしまった。残念だが、決勝では頑張りたい」

 

大島 良平

「まだブレーキロックまでの感覚がつかめない。前走車のラインに流される。全体に次のコーナーを意識し、外に逃がしながら立ち上がるイメージで行こうと思う」

 

 

5月20日(日)決勝(14:45~、12LAP)

当日並行して行われていたロードレースでのアクシデントの影響で、予定時刻を一時間ほど遅れてのスタートとなった。予選までの暖かな気候からやや冷たい風が吹くようになり、空には雲が立ち込めている。急いで気温に合わせてマシンの調整を行う。若干雨がぱらついたが、路面を濡らすほどのものではなく、ドライ路面は維持された。スタート10分前、各ドライバーがコックピットに収まる中、エースドライバーの佐藤が他の3台に歩み寄り、一言二言声をかけたのち、がっちりと握手を交わす。

決勝レースグリッドウォーク

 

各車続々とコースインしていく中、やや遅れてポールの佐藤がコースイン。入念にタイヤを温め、1番グリッドへ。

レッドシグナルが消灯し、レーススタート。直後、予選2番手につけていた#88 OPTech☆東北海道ヤナセの坂野に1コーナーでインから並びかけられるも、アウトから抑え、トップをキープする。

後方では予選3、4番手の#61 HDC日本平中自動車の平中と、#9 十勝レーシングスクールTAKUMI01の鬼塚が競り合っていた。

二台がバトルで車速がのらないことを予測していた中川は、5コーナー立ち上がりから通常より1段低いギアを選択し、6コーナーで仕掛ける。狙い通り前に出た後、2周目のホームストレートでマシンの調子が上がらない平中をパス。7位から4位に躍り出る。

竹谷もそれに続くべく猛プッシュする。しかし、8コーナーで#3さくら眼科☆OWLwithRS-a01の古井戸と中川にパスされた鬼塚が競り合う8コーナーで、竹谷の判断ミスによりブレーキングが遅れ、接触してしまう。 この影響で鬼塚は最後尾まで順位を落とし、古井戸も一度はコース復帰するものの、走行不可能となり、同周回にてリタイアとなった。

さらにその後方を走行していた大島良平は、接触で進路を塞がれる中、間一髪でかわし、竹谷の後を追う。

佐藤は二番手の坂野をけん制しつつ、トップをキープしていた。しかし執拗に迫る坂野に6周目の1コーナーで並ばれ、トップの座を明け渡してしまう。それ以後は坂野のすぐ後方で再び前に出るチャンスをうかがうも、堅実な坂野の走りには隙がなく、そのまま2位でチェッカーを受けた。

中川はオープニングラップで4位につけてから単独走行状態。安定したラップでミスなく走りきり、そのままの順位をキープしてゴール。

竹谷も序盤でこそアクシデントはあったものの、その後は走りきり、5位チェッカーとなった。

注目のルーキー大島良平もまたコンスタントに周回し、竹谷に続く6位でデビュー戦を終えた。

しかし、序盤の竹谷の接触が審議の対象となり、ゴール時の順位はあくまでも暫定結果となる。最終的に竹谷の過失となり、30秒のペナルティが課せられ、順位を五つ落とし、10位の成績となる。これにより大島良平は5位に繰り上がった。

 

 

 

勝利者のみに与えられる祝福の時間。

 

~レース後、チームオーナーコメント~

チームの代表として、まずは今回の結果を受け、ルールに則ってフェアに戦うことの大切さを今一度考えました。クラッシュは避けなければなりません。自分の技量や相手の走りを尊重することをしっかり考えて挑む必要があります。皆が気持ちよく、フェアに戦えるようにという意思をチームで統一していきます。

ドライバーとして今回のレースを振り返ると、予選は100%の結果と言えないまでも、ポールポジションをとることができました。これは普段のメンテナンスと練習の成果と考えています。決勝では2位に甘んじてしまいましたが、今後も常に全力で挑むことで良い結果につながると思います。このレースで見えた課題は、中盤のタイヤコントロールやペース配分にありました。序盤はポールスタートからレースを引っ張れただけに、油断につながったことは否めません。チェッカーを受けるまで隙を見せないことが今後のレースで求められることであると考えます。

趣味でも仕事でも、途中で投げ出したり惰性で続けてしまっている人はたくさんいます。しかし、初期の熱い気持ちを忘れず、常に全力で挑み続けることで大きな結果が出せるということを証明したいという思いのもと走っています。チームオーナーとして、会社経営者として、同じく走る仲間にも会社のスタッフにもそれが伝わるように走り続けたいですし、スポンサー様に対する思いもプロに匹敵すると自負しています。

 

スポンサー様、応援に来て下さった方々、エンジニア、メカニック、サポートスタッフと、誰一人として欠かせない存在です。一人一人がもっと自分の持ち場を意識して、結果を出すことに向かう必要があります。正式なチーム発足から三年ですが、目指すところは常に高いところにあり、そのためにもプロの動きを参考に、そしてそれをより良いものとしてアレンジしていくことで、チームとして成長していきたいと思います。

 

Koshido Racing 佐藤 元春