2025.08.01 ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE Rd.5 オートポリス-練習走行-
搬入~練習走行初日
オートポリス戦は5時間で争われる。KOSHIDO RACINGのドライバーラインナップは 4名体制となり、佐藤・柴田・浅井・山本という布陣で挑む。
■搬入
今回のレースウィークのピットはガレージではなく、テントガレージが与えられた。テントはピットガレージに比べて広く、設営の手間は増えるものの自由度は増え、作業スペースは拡大するというメリットがある。
■Session1
午前中にピット設営を終え、走行は午後から開始。
オートポリスは各ドライバーのマイレージが少ないこともあり、地元九州マツダ様より走行会向けロードスターを一台レンタルのうえ2台体制での練習走行となった。
本番用マシンはいつも通りまず柴田が搭乗し、マシンの状態把握と最初のセット出しに勤しむ。タイヤはユーズド。そこから佐藤、浅井、山本が交代に乗っていく。一方で柴田がマシンセッティングを担っている間、他3名はレンタル車両にてコース攻略を組み立てていった。
■Session2
セッション1で使用したタイヤをそのまま使用し、各ドライバーが順に搭乗。しかし3時間以上走行したタイヤは既に摩耗が進んでおり、アウトラップから計測1周目で出たタイムがベストとなったところから顕著に落ちていく。フロントもリアもすっかりグリップが弱くなったタイヤで、リアウイングの角度の変更やドライバー側でどう走らせるかを模索し続けたものの、あまりにも限界が低い状態で全ドライバーお手上げの状態。チームの中では最も経験が豊富な柴田をもってしても2分16~17秒台が限界で、そこから各ドライバーにチェンジするものの2分20秒台前後がマスト。車載映像で確認している限り、コーナーによって常にアンダーステアかオーバーステアが出続けており、ライントレースは疎かコース内に留まることで精いっぱいという状況であった。
練習走行2日目
■Session1
この日も午後からのスタート。
まず搭乗するのは佐藤。前日、タイヤが限界まで摩耗した状態で走行し、この日はニュータイヤ投入でマシンの動きがどう変わるかをチェック。計測1周目に2分16秒122をマークし、その後は2分18~19秒台で周回。クラス2番手のタイムで淡々とラップを重ねていく。
ST-5Rクラスはどのチームも軒並み同程度のタイムで周回している。
レッドフラッグにてピットに戻ってきたタイミングでドライバーを浅井にチェンジ。
2分20~21秒台での周回を続ける。タイヤの性能もかなり低下してきたであろうセッション開始後22周目に2分19秒916をマーク。シミュレーターではかなりの周回をトレーニングしてきたという浅井。実車とのすり合わせで走り方のヒントを得ていった。佐藤・浅井で34周回を終え、本セッションの走行を終了する。
■Session2
この日二枠目の走行は柴田からスタート。この走行枠でもタイヤは新品を投入し、昨日のマシンとの動きの違いを確認。アウトラップから次の周回をアタックラップとし、いきなりの2分13秒645というクラストップタイムをマークする。その後も2分15秒台で安定して周回し、ピットに帰還。
山本に交代し、まずは2分17秒013をマーク。山本もまた前日の走行では消耗しきったタイヤで悪戦苦闘しており、2分20秒を切るタイムは出せていなかったが、今回は比較的摩耗していないタイヤでのアタックということもあり、その結果がそのまま反映される形となった。次の計測周には2分16秒912、18周目には2分16秒475と持ち前の速さを発揮。ロトスタ号本来の性能を改めて引き出し、スティントを終えた。
レッドフラッグをはさんで残り20分間。ドライバーは再び浅井へとチェンジ。2分19~20秒台で周回していく中で徐々にオートポリスを攻略し始め、31周目に2分17秒751と大きくタイム更新してみせた。思うようなタイムが出せず悩んでいた浅井であったが、走行二日目にして何とか自身のドライビングとのすり合わせに成功。翌日以降、またここからどのくらい走りの精度を上げていけるか、チームメンバーは期待を寄せた。
■ドライバーチェンジ訓練
レースでのラップタイムはもとより、ピット作業やトラブルの有無などリザルトに関与するファクターは多数あるが、その中でも作業に数十秒を要するドライバー交代もまた重要な要素といえる。前回のSUGOに引き続き真夏のレースということでクールスーツシステムが運用され、ドライバー交代時にはひと手間増える形である。
コース上でコンマ1秒を削り取るのにかなりの苦労を伴うことから無論ドライバー交代作業も最短で行う必要があり、いま一度訓練を実施することとなった。
ドライバーの組み合わせを変えつつ、繰り返し実施。その都度新たな課題や改善点も見え、かなり有意義なものとなった。当初設定した目標タイムには達しているものの、毎回どの組み合わせでも安定してクリアできるまでには更なる修練が必要であり、翌日以降も訓練は実施されることとなった。
練習走行3日目
■Session1
ファーストスティントは佐藤。これまでの走行枠とは異なり、走行グループが時間で仕切られている。KOSHIDO RACINGがエントリーしているクラスはST-5Rであり、このグループ分けではST-4とST-5Fクラスとの混走。
タイヤは新品で燃料もフルに積んだ状態でのスタート。まずはこの条件でどのくらいのタイムをマークできるのかを確認すべくピットアウトしていく。セクター1、セクター2と好タイムを記録していくが、残るセクター3で他チームの車両に詰まってしまい、余儀なくスロットルを戻す佐藤。このたびのオートポリスでは最もタイムが出ると踏んでいるアウトラップ翌周回に万全のアタックとはならず、2分15秒台前半となった。その後の計測周も2分15秒台をコンスタントにマークし、ロトスタ号にもトラブルはなし。12周回したところでドライバーを浅井へとチェンジし、残り時間はすべて搭乗。前日の練習走行後半で何かを掴んだ浅井は2分18秒台からのスタートで、17秒台も視野に入る位置でラップし続けた。決勝想定ではよい流れを汲んでいる。このセッションは24周回し、ピットに帰還した。
■Session2
本日二枠目のセッション。ブレーキの焼き入れも兼ねた本枠であったが、まずは浅井をファーストスティントドライバーとしてアタックへ。計測一周目から2分18秒台で、ほどなくして前日ベストに近い2分17秒787を、5周目にはこのレースウィークで初の16秒台となる2分16秒338をマーク。浅井自身のドライビングも完成してきたところで柴田にステアリングを渡した。
しばらくピットアウト・インを繰り返し、マシンの状態を確かめながら決勝に向けてブレーキをつくっていく。12周を終えたところでスタック車両発生によるレッドフラッグ掲示。この間に山本にドライバーチェンジし、2分16秒597。続くアタックラップ2周目には2分15秒234をマーク。ライバルチームは17~18秒台で周回していることを考えるとペースとしては十分に速い。
ここで再び浅井がステアリングを握り、予選・決勝前最後の調整として2分18秒台前半~後半で周回。そして本セッション最後のドライバーである佐藤へチェンジ。滑り出しは2分17秒台から。次いで18秒台へと若干ペースを落としつつも、最終計測周では2分16秒885と走りをまとめ上げ、この日のすべてのセッションを完了した。
マシンには目立ったトラブルも発生せず流れとしては順調。このまま翌日の予選、翌々日の決勝と戦い抜くべくドライバー陣は自らの走りを振り返り、更なる高みを目指す。