RACING

北海道から全国へ、そして世界へ!
子供たちへ「希望」と「勇気」を与えるために走り続けたい。

2022.01.06 2021年10月17日 北海道クラブマンカップレースRd.5 

 

去る10月17日(日)、更別村に位置する十勝スピードウェイ。

 

雪の気配を感じる冷え込みの中、

シリーズ最終戦となる北海道クラブマンカップレースRd.5が

17台のVITA-01、4台のザウルスJr.

計21台によって行われた。

 

 

KOSHIDO RACINGからは、

佐藤 元春 選手 (12号車)

 

浅井 康児 選手 (310号車)

市川 篤 選手  (35号車)

兼松 由奈 選手 (516号車)

以上4名・4台のVITA-01がエントリーし、2021シーズン最終戦へと臨んでいく。

その内容をお伝えしよう。

 

≪予選≫

10月17日(日)午前9時40分。

各マシンにドライバーが乗り込み、タイヤの空気圧調整や締め付けの確認が行われる。

 

 

気温は約8℃という肌寒さと、今にも泣きだしそうな空模様の中、

熱の入ったエンジンがうなりを上げ予選がスタート。

 

各車一斉にコースへなだれ込んでいく中、然るべきタイミングでのコースインを待った後、

KOSHIDO RACINGの4台が走り出した。

しかし予選開始から約4分後の午前9時44分、

ランオフエリアでの停車車両のため赤旗が振動。

 

この間、全ての車両はピットレーンへと戻され、

シグナルがグリーンに点灯することを待ちながら列を作る。

ガレージに入ると予選終了となるため、各車両はずらりと並び隊列を組んでいる様子。

 

 

そして約7分後の午前9時51分。

コース上に停車していた車両が自走で戻り、予選が再開。

やや濡れていた路面もレコードラインからドライへと変わり、

続々とアタックが始まった。

 

前日練習には1分31秒台も出していた12号車、佐藤選手は安定して速いペースで走行。

 

 

 

経験豊かな310号車 浅井選手は33秒台を堅実に走行、

35号車 市川選手もそれに続く。

 

516号車 兼松選手は初めてのVITA-01×十勝に緊張気味だが、

シミュレータでの訓練と先輩ドライバーのアドバイスを生かし順調に走行していく。

 

 

≪予選結果≫

 

そして予選は終了。

KOSHIDO RACING

P.P. : 12号車  佐藤 元春 選手 1:32.170

P6 : 310号車  浅井 康児 選手 1:33.082

P7 : 35号車  市川  篤  選手 1:33.729

P15 : 516号車  兼松 由奈 選手 1:37.011

以上のグリッドから決勝はスタートとなった。

 

 

≪決勝 レース1≫

 

 

午後12時20分、10LAPのレース1が幕を開けた。

エキゾーストノートがこだまし、シグナルがブラックアウト。

 

先頭で1コーナーへ飛び込むのは12号車 佐藤選手。

 

その後方では6番手スタートからロケットスタートを決めた310号車 浅井選手が2台をパス、激しい3番手争いに加わっていく。

 

7番手から35号車 市川選手は前方集団の争いを見ながら冷静にスタート。

516号車 兼松選手は1つ落とし16番手。

 

10LAP先へのチェッカーフラッグを目指してホームストレートを通過する車両たちは、

約1分半と息もつかぬうちにまた帰ってくる。

 

12号車 佐藤選手は安定した速さで1分32秒台をコンスタントにマークしながら、

徐々に後続を引き離しスリップストリームの圏外へと先手必勝の走り。

迎えた4周目に2位争いからペナルティが発生、

310号車 浅井選手は順位を1つ上げ3番手に。

その後も2番手の61号車とテールトゥノーズの状態をキープ。

 

35号車 市川選手は6番手を危なげない走りで順調に走行。

後続の車両を抑えながら堅実な走りを続ける。

 

516号車 兼松選手はレース序盤2コーナーでの前方車両の接触を回避、

2周目の1コーナーで前を行く17号車のインに仕掛けピットの歓声を生むも、

クロスラインを取られ順位をキープ。

その後も隙を伺うように背後につけ、

迎えたファイナルラップの1コーナー、果敢に食い下がりついにオーバーテイクというガッツを見せた。

 

≪決勝レース1 結果≫

KOSHIDO RACING

優勝 : 12号車  佐藤 元春 選手 1:32.260

P3  : 310号車  浅井 康児 選手 1:32.885

P6  : 35号車  市川 篤  選手 1:33.159

P14  : 516号車  兼松 由奈 選手 1:36.360

 

 

12号車、佐藤選手が2位に10秒548の大きな差をつけ優勝。

浅井選手、市川選手、兼松選手ともに予選よりも速いペースで周回し、ポジションを上げる見事な走りでレース1をフィニッシュした。

 

上記レース1でのベストタイムを基にレース2のグリッド順が決定。

ここから約3時間のインターバルを挟み、各車両は再度コースへと入っていく。

 

≪決勝レース2≫

時刻は15時15分、一時の雨を受けた路面は再度ドライへと変わったころ、

各車がコースインしフォーメーションラップを行う。

 

 

 

タイヤを暖めた車両たちが続々とホームストレートへと戻り、

各グリッドへと停車。

ドライビングアドバイザーの平中 克幸選手もひとりひとり声をかけ、激励する。

 

P.P. : 12号車  佐藤 元春 選手 1:32.260

P5  : 310号車  浅井 康児 選手 1:32.885

P7  : 35号車  市川 篤  選手 1:33.159

P14  : 516号車  兼松 由奈 選手 1:36.360

 

ドライバー達の集中力、緊張感、エンジン回転が一気に高まり、レース2は始まった。

各車スタートを決めていく中、12号車 佐藤選手は既に逃げの姿勢。

 

スタートでしかけたのは5番手スタート310号車 浅井選手。

1コーナー、777号車と61号車が争う脇から一気に2台をパス。

そのままの勢いで88号車と2番手争いになだれ込む。

 

時を同じくして35号車 市川選手は1コーナーで5番手まで上げるも、

トラクションがかかりきらず7番手ポジションへ戻る。

 

516号車は姿勢を乱した先導車をブレーキで回避、ややオーバーステアを出すが立て直して中団を追っていく形となる。

 

 

そこから1分半、2周目へと入っていく12号車 佐藤選手は後続を1秒引き離すハイペースで走行。

 

 

ホームストレートで310号車 浅井選手は3号車に対しスリップストリームでの先行を許すが、そのままでは終われない。

直後の2コーナーで3号車が姿勢を乱した瞬間を見逃さず、素早くパス。

一瞬の決断力が勝敗を分けた。

 

再度順位が動いたのは516号車 兼松選手。

序盤はタイヤに熱が入らないとみられる不安定な一面もあったが、周を重ねるごとにペースが上がっていく。

迎えた4周目の8コーナーでは17号車にプレッシャーをかけていき、

アンダーステアが出たところをインからスムーズにパス。

 

更にペースが上がるかと思われたが、

5周目の6コーナー脱出で芝に飛び出し痛恨のスピン。

幸いにも接触は無くすぐにコースへと復帰したが、ポジションを2つ落とすこととなる。

 

同じく5周目、35号車 市川選手は前を行く61号車に対し、

それまで1秒ほど空いていた差を1、2コーナーで一気に縮めていく。

遂には6周目の1コーナー、スリップストリームからインを差し6番手へと浮上。

9周目、1周につき1秒を突き放す12号車 佐藤選手はザウルスJr.の背中をも捉える抜群のペースで走行。早くも周回遅れを出すレース展開となっていく。

 

 

そして12周目、チェッカーフラッグが振られる中レースは終了。

 

 

優勝の12号車 佐藤選手は2位に8秒差、

3番手の310号車 浅井選手は2位に1秒4の差でフィニッシュ。惜しくもワン・ツーとはならなかったが、共に1分32秒台を叩き出す圧巻の走りであった。

 

35号車 市川選手は終始安定したラップで6番手。

516号車 兼松選手は追い上げつつもわずか0秒7の差で16番手フィニッシュとなった。

 

 

以下リザルト

 

優勝  : 12号車  佐藤 元春 選手 1:32.146

P3  : 310号車  浅井 康児 選手 1:32.600

P6  : 35号車  市川 篤  選手 1:33.136

P16  : 516号車  兼松 由奈 選手 1:35.442

 

 

12号車を駆る佐藤選手は、

予選ポールポジション・決勝レース1、2共に優勝、有言実行のパーフェクトレースで自身初となるシリーズタイトルを獲得。

念願のチャンピオンとなった。

 

 

 

 

優勝の12号車 佐藤選手

3位 310号車 浅井選手よりコメント

 

 

35号車 市川選手よりTwitterコメント

https://twitter.com/NA99657878/status/1451338766946168832?s=20

 

 

516号車 兼松選手よりTwitterコメント

https://twitter.com/yuna_unagi/status/1449634147303976961?s=20

 

 

肌寒い十勝スピードウェイで、熱い走りを見せた各選手たち。

その挑戦はこれからも続いていく。

 

 

 

2022.01.06 2021年9月26日 十勝 北海道クラブマンカップレースRd.4(3時間耐久)

中秋の名月、そして秋分から寒露へと変わり目を迎える北海道。

すっかり涼しくなってきた今日この頃ですが、レースでの戦いはまだまだ熱い!

第2戦、第3戦、続いてKOSHIDO RACINGが優勝を勝ち取って参りましたが、耐久レースとなる今回の勝敗の行方やいかに。

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2021.07.27 2021年7月11日 北海道クラブマンカップレースRd.2

5月16日に行われたRd.1に続き、十勝スピードウェイで開催された北海道クラブマンカップレースRd.2に我々恒志堂レーシングチームが参加した。
参加するレーシングドライバーは、

佐藤元春選手(12号車)

浅井康児選手(310号車)

いとうりな選手(35号車)

田代良二選手(516号車)
※Twitterの一部では512号車と間違えて紹介しています。申し訳ありません。

の、4名である。

決勝前々日の練習は、十勝地方のスッキリとした晴れ空の下で実行した。
7月だというのに時折厚めの上着が必要なくらいの涼しい風が吹き、屋外での活動には過ごしやすい気候だ。

翌日、7/10は公式練習が行われたのだが、あいにくの霧雨がサーっと路面を濡らす天気となり、その後も降ったり止んだりを繰り返していた。
当日の天候はいかに……と、ドライバーもクルーたちも心配する中での気合の練習走行。
雨でも風でも、中止になるほどの荒天に見舞われない限りは、戦わねばならない。

そんなシビアでストイックな状況に置かれる、モータースポーツではあるが、合間にはこうして佐藤選手の奥様やお子様が加わって、ほのぼのとしたやり取りが交わされる風景もある。
こういう時、映像撮影をしていて良かったなと個人的に思う。

練習に対する意気込みをインタビュー。
実は、このレースに参加する数日前に佐藤選手から、

「今回は優勝をするから、ドキュメント方式で撮影してほしい」とオファーされた。
優勝を目指すのは毎度勿論のことではあるのだが、そのように事務所の筆者の席まで来て改まって言われたものだから、少し驚いた。撮影のコンセプトにまで言及するので、今回は相当気合が入っているのだな、と思った。
このインタビューでも、ポールトゥウィン、つまり予選で1位を獲得し、決勝でもトップのままゴールを目指すと言っている。これは、いつにも増してホットなレースを目の当たりにすることになるかもしれない、と考えていた。

7/11 予選・決勝当日となり、各選手に意気込みを聞く。

レース当日は、前夜に降った雨の影響で、朝の内は路面が少々濡れていた。
しかし、何度か見てきたレースで経験済みだが、朝濡れていたとしても決勝本番までには乾ききることがほとんどなので、それほど憂慮はしなかった。

いよいよ始まる、予選走行。

戦に全てを懸ける武人の如き表情。
この出走前の皆の顔を撮るのが、個人的に好きだ。
ピットから車両が走り出す頃、ピットロードがドライになっていることに気付いた。これならば、コース上も乾ききっているだろう。
あとは、皆の良い走りを祈るのみ。

予選結果

佐藤元春選手(12号車)
ベストラップ1:32.476
→ポールポジション(1番グリッド)

田代良二選手(516号車)
ベストラップ1:33.043
→5番グリッド

浅井康児選手(310号車)
ベストラップ1:33.153
→6番グリッド

いとうりな選手(35号車)
ベストラップ1:33.667
→10番グリッド

タイムは12番グリッドまで1:33台で、非常に拮抗したタイムでの戦いだった。そんな中、佐藤選手がポールポジションを宣言通りに勝ち取り、ピット内は大きく沸き立った。

撮影から駆け足で戻りながら、ピットを撮った様子。
「有言実行」という言葉に、信憑性が付いた瞬間を見た。
やれば出来る、やらねば成らない、成らないのは行わないからである、という趣旨の言葉はこの世にいくつもあれど、実際に有言してからの実現という行為は、何物にも代えられないものだと感じた。
佐藤選手の言う通り、肝心なのは決勝。
ピットクルーたちの整備の手に、いつにも増して力がこもっているのが見て取れた。

決勝は、午後からなのでそれまで暫しの休憩。

迎える決勝の瞬間。

ポールポジションに着く、佐藤選手。
先頭に位置する車両には、各媒体のカメラマンなどがいつも以上にやってきて、ちょっとした撮影会になった。
身内は勿論のこと、周りからも期待されているんだなと、当たり前ながらも改めて感じた出来事だ。

グリッド上での撮影を終え、ついにスタートの瞬間。

このとき、このカメラでは捉えていないが、2番グリッドの平中繁延選手がスタート前にグンッと進んでしまい、後程反則スタートの判定を取られ、ドライビングスルーペナルティを課されることとなった。

恒志堂レーシングチームのスタートは概ね良好だったが、5番グリッドスタートの田代良二選手(516号車)がミッショントラブルで、1コーナー到達前に17位まで順位を下げてしまう。

1LAP1コーナー時点で、佐藤選手(12号車)は1位キープ、浅井選手(310号車)は5位、りな選手(35号車)は8位といった状況。

8コーナーを回る頃には、りな選手(35号車)が7位へアップ。
田代選手(516号車)は13位まで上がるが、6コーナーに差し掛かったところで痛恨のスピンにより、再び順位を17位に落としてしまった。

2LAPを回った頃、12号車佐藤選手と平中選手の2台がトップ争いをし、間を空けて集団が追いかけるといった形になっていた。
5位の浅井選手は一進一退の攻防を繰り広げ、7位に位置するりな選手は前の30号車鬼塚益生選手と6位を奪い合う激しい状況。

4LAPに入るメインストレート、平中選手のマシンがドライビングスルーペナルティのためにピットレーンに進入し、これにより佐藤選手はトップ独走状態へ。
浅井選手は4位へと上がるものの、背後にはピッタリと鬼塚選手が付いているので油断はできない。
そこから100メートル強の距離を置いて、りな選手が6位に位置していたが途中で555号車松橋智史選手に抜かれて7位まで後退。
最下位まで落ちていた田代選手は、14位まで順位を上げた。

依然として1位の佐藤選手、しかし背後にはそう遠くない距離にライバル車両が存在し、いまにも首元へナイフを突きつけてきそうな勢い。
4位を激しく奪い合う浅井選手と、7位のりな選手が後を追う。

8LAP、レースが終盤へと差し掛かる頃、4位の浅井選手に鬼塚選手が肉薄しサイドバイサイドを繰り返す。
1コーナーでは、何とか抜かれまいと浅井選手がコクピット内で体を前後に揺らす様子も見られた。
そして、レースの展開が大きく動いた9LAP、浅井選手を抜いた鬼塚選手が2コーナーを抜けた地点で大きくスピンし、それを避けようとした松橋選手も同じ場所でスピンしてしまう。
これにより、りな選手は5位に浮上した。

11LAPまでに田代選手は13位までアップ。
1位佐藤選手、4位浅井選手、5位りな選手という並びを維持したまま、迎えた最終ラップ。

佐藤選手、宣言通りに優勝!
華麗なポールトゥウィン、予選から決勝を先頭走者のままで走り切った。
途中、順位ダウンとなるような危ぶまれる瞬間が無く、常に安定した走りを見せてくれた。

お子さんを抱いての表彰台。
レース前にシャボン玉でたくさん応援してくれたのも、勝利に結びついたかもしれない。

最終着順は、

佐藤元春選手(12号車)
→1着

浅井康児選手(310号車)
→4着

いとうりな選手(35号車)
→5着

田代良二選手(516号車)
→12着

浅井選手、りな選手は非常にライバル車と競り合う形が続いたが、後半順位をアップできた。
田代選手は、スタート直後のギアチェンジに手間取った以外は素晴らしい追い上げ、良い走りを見せてくれた。

佐藤選手の優勝コメントをご覧ください。
この中でも言及している通り、優勝宣言により自分を追い詰めてからの1位というのはなかなか達成できないものだと思う。

このレースの詳細については、後日YouTube動画にて報告するので、そちらもお楽しみに。

今後とも、恒志堂レーシングの応援をよろしくお願いいたします。

 

 

2021.07.15 2021年6月5日・6日 富士チャンピオンレースRd.2 FCR-VITA/KYOJO CUP

今回は、2021年6月5日~6日にかけて行われた、富士チャンピオンレースの模様をお伝えしよう。

富士チャンピオンレースとは、元々新人育成を目的としたレース「富士ホリデーレース」として始まった。
レースにデビューしたのが富士だというレーサーは多く、新人ドライバーの登竜門的存在となり、何度か改称と開催時期の変更を経て、今ではルーキーだけでなく10年以上出場を続けるドライバーも増えてきているのだという。
FCR-VITAに佐藤選手と中川選手、KYOJO CUPにはいとうりな選手と兼松由奈選手が挑む。

▲6月5日のFCR-VITAに向けて練習する様子。

▲6月6日のKYOJO CUPに参戦するおふたりも、練習をチェック。

▲日本ハムグループ様が、新たにスポンサーしてくださることに。

この動画にもあるが、1.5kmにも及ぶ非常に長めのメインストレートを誇っており、ここでは熱いサイドバイサイドや複数台でのワイドが見られることだろう。

▲この動画は観客席の上方から撮影。距離の長さがわかることと思う。

TGRコーナー(第1コーナー)を抜け、第2コーナーからコカコーラコーナーへと続く直線を撮影した。
コースの一部の撮影だけでも、ここまでズームしないと映像に捉えきれない。さすが全長約4.5kmの大きなサーキットだ。

初日の練習走行は天気に恵まれ、路面コンディションも良好ということで、非常に有意義な予習になったそう。
ただし、翌日6月4日(金)と、KYOJO CUP決勝の6月6日(日)の天気は雨予報となっており、選手とピットクルー、スタッフの皆はそれが大きな懸念点となっていた。
実際に、6月3日(木)の練習走行を終える頃には、すっかり富士山が見えなくなるほどに雲が厚くなり、翌日の天気が悪くなるのを示唆していたのだ。

迎えた翌日。

雨の中、気合のウェット走行練習を敢行するも、降水確率90%以上という予報の通りどんどん雨脚が強まっていくサーキット。
最終的には、早めに練習を切り上げ、翌日の決勝に向けてコンディションを整えておくことにした。
練習後、佐藤選手の乗車したVITA-01は、バケツで水をかぶせたかのように水浸しになっていた。

朝のうちは、前日の大雨の影響で路面がウェットで、コース上にモヤがかかっている状態だったが、佐藤選手と中川選手がミーティングに参加している間に晴れてきた。
ほかのレースプログラムが行われ、多くの車両が走行するタイヤとの摩擦によって、ドンドン路面が乾いていったのだという。
天候が味方するか否かというのも、レースでは重要なファクターになるのだな、と実感した。

こちらは、予選と決勝に挑むふたりのインタビューの様子。
路面はドライになりつつあり、あとは練習通りに気合の走行をして、ぜひ入賞して頂きたいところ。
コースの様子を直前に見に行くと、路面は完全に乾いていた。

予選の走行は荒れることなく、ジェントルな雰囲気の中で行われた。
結果は、610号車佐藤選手が13番グリッドからスタート、35号車中川選手が12番グリッドからのスタートとなる。

決勝がスタートし、コカコーラコーナーで接触があったのかスピンする車両が現れ、それを避けるために後続が慌ててハンドルを切りコースアウトが多発する事態になった。
やはり、決勝ともなるとドライバーの皆さんに気合が入るのか、練習や予選よりも攻めた走りをしているように感じたのは気のせいではないはず。

https://twitter.com/higeryugo/status/1401043013577547776

上の動画は中川選手の35号車から見た様子。
ファーストラップではこのような危なっかしい場面を見ることもあったが、その後は安定したレース展開となり、35号車と610号車が連れ添って順位を上げていく形に。

両車ともに大きく順位を上げてのゴールとなり、特に佐藤選手は13グリッドからスタートし、着順6位と大健闘。

レース終了後のコメント。息ピッタリの最後のポージングにも注目。
何事も継続と学び、共に育つを掲げる佐藤選手と中川選手、恒志堂としての姿勢が伝われば幸いです。
諦めずに何度でも挑戦していくという意志のもと、さらなる順位アップのために戦ってまいります。

 

翌日、2021年6月6日。

いとうりな選手と、兼松由奈選手にインタビュー。
りな選手はVITA-01のレース経験者ですが、兼松選手は今回が何もかも初めてづくしということで、カメラ越しにも緊張が伝わってきていた。
そんな中、朝から降り始めた弱い雨が、富士の路面をまた濡らしているのが気がかり。

予選、コースインしていく場面。
りな選手が先陣を切り、そこへ佐藤選手のアドバイスを受けながら兼松選手が後を追うように発進していく。
雨によって、前日と打って変わって路面はウェットになり、スリップにだけは気を付けてもらいたいと願うばかり。
こうして撮影に関わるようになる前は、テレビなどでスピンやクラッシュを見ても、凄いことだな怖いな、と対岸の火事のような感覚でいましたが、いまはただただ無事でレースを終えてピットに戻ってきてほしいな、と考える。

ご覧の通り、非常に滑りやすい状況の中で走り切った。
610号車りな選手が11番グリッド、35号車兼松選手が15番グリッドからのスタートとなり、いざ決戦の時を待つ。

この時点では路面が濡れていたが、午前中に予選を行い、それから時間をおいて午後15時25分から決勝ということで、それが功を奏することとなる。
時間が経つと雨はやみ、路面は完全にドライになったのだ。ああ、お天道様ありがとう!

両者ともに、コースが乾いたということでテンション爆上げの図。
インタビューする自分も嬉しくなって、いつもより多く撮影しながら話しかけてしまった。
ともあれ、かくして決勝の時は近づき、気持ち的にも環境においてもベストコンディションの中で思う存分に戦えることとなった。

そして、迎えた決勝レーススタートの瞬間。
りな選手の610号車があまりにも良いスタートを切り、カメラが一瞬見失ってしまった。
本来いると思わしき辺りに存在しないので、あれ?となってしまい……慌ててカメラアングルが追いかけている。
一気に、2台の間をすり抜けていく姿は、上方から見ていても気迫十分だ。
第1コーナーでさらに2台の間を縫っていくという、圧巻の全力走行を見せてくれた。
その時の模様は、恒志堂のYouTubeチャンネルに動画としてアップしているので、そちらもご覧いただきたい。

 

 

スタート後、先頭集団の4台ほどが競り合う状況が続き、それを追うようにりな選手がついていく。
少し離された後方を走るも、兼松選手は練習の時よりも確実に速く走れるようになっており、レースのペースに取り残されることがなくなっていた。

ゴールのあとに修正があり、正式順位は、
いとうりな選手11番グリッドスタートで、5位にてゴール。
兼松由奈選手は15番グリッドスタートで、10位でのゴールで確定した。

富士のレースは天候が変わりやすいという話を事前に聞いていたが、今回も例外ではなかったようだ。
しかしながら、刻一刻と路面状況が変化する中、皆さん素晴らしい走りを見せてくれたと思う。
FCR-VITAの佐藤選手、中川選手、そしてKYOJO CUPのりな選手、ジャンプアップでのゴールがとても見事だったと思う。
VITA-01でのレース、決勝、初めてという兼松選手も、インタビューで言及していますが、無事に無傷での完走、何よりだった。

まだまだ、今年のレースシーズンは始まったばかりなので、来月7月にある十勝スピードウェイでのレースを始め、これからも恒志堂レーシングの挑戦する姿をレポートして参ります。

これからも、応援よろしくお願い致します。

 

 

2021.07.14 2021年5月16日 北海道クラブマンカップレースRd.1

今回は、2021年5月16日に十勝スピードウェイで行われた、北海道クラブマンカップレースRd.1の様子を、当日撮影した動画を交えてレポートしていく。
レースが行われた十勝スピードウェイは、北海道河西郡更別村という場所にあり、北海道地図でいうと右下のほうに位置する。
のどかで自然がたくさんあり、農家一戸辺りの所有する土地の広さが十勝管内で最大を誇っていて、北海道内どころか、全国でも有数の畜産農業地帯となっている。
全国に先駆けて真っ先に5G通信網が配備されたというニュースがあったが、「なんで更別に?」と思う人が多くおられるだろう、しかしながら更別村は無人トラクターが公道を走っていたり、ドローンでの測量システムの実証実験が行われていたりと、実は日本のITの最先端技術が取り入れられている地域でもあるのだ。
数年後にはアメリカのシリコンバレーみたいになっていたら面白いし、夢がある。

話がかなり脱線してしまったが、レースのレポートに入ろう。

北海道内唯一となる国際自動車連盟(FIA)公認サーキットで、5,100mのグランプリコースを備えており、3,400mのクラブマンコースと1,700mのジュニアコースに2分割して使用している。

ワンテイクで、練習中の4台をまとめて撮影することができた。
この8番コーナーは左への20Rのキツめの角度で、さらに直前の7番コーナーが右曲がりの25Rという逆カーブだということから、スピンする車両をたまに見かける難所だ。
アクセルワーク、ブレーキング、コーナーを抜けての立ち上がり、といった複合的な操縦スキルが要求されるだろう。

アドバイザーとして、平中克幸選手が同行してくださっている。
ご自身もレーシングドライバーであり、各地を戦って回っている身でありながら、こうしてスケジュールが合う限りは我々に朝から晩まで同行してくださり、様々な面から助言をして頂ける、これは本当にありがたいことだ。
恒志堂レーシング、スタッフ一同、本当に感謝しております。

レースや練習走行の合間の、ホッと一息ついた瞬間は、こういった選手の素の表情を捉えることができる。
いとうりな選手、見た目からクールな人なのかなと思いきや、結構気さくでお茶目な性格で自身も”自分は男の子です”というくらいに活発な人だ。
この、風越星名を撮影する姿、凄いシルエットになっていたので思わず休憩中だった筆者はカメラの電源をオンにした。

予選に向け、各選手のインタビューをしたので、その様子をご覧いただきたい。

朝から濃いめの霧が立ち込める、十勝スピードウェイ。
路面がウェットではないもののドライとは言えない状況で、各選手は慎重なアタックを強いられることとなった。

ベストではないコンディションではあっても、恒志堂レーシングの面々は自分らしい走りを全うし、己の中での最高の成績を目指すスタンスで勝負に挑むという意気込みだ。
そういった姿勢が、チーム一丸となって必要以上に気負うことなく表彰台を狙う……という良い雰囲気を作り上げているように思う。
撮る側も、過度な緊張をせずに撮影に集中することができるので、個人的にも有難い環境だと感じている。

予選結果

12号車 佐藤元春選手 3番グリッド
310号車 浅井康児選手 5番グリッド
777号車 大島良平選手 8番グリッド
35号車 いとうりな選手 9番グリッド

以上の並びでのスタートとなる。
霧が完全には晴れない中、恒志堂の車両を含め15台のVITA-01による戦いの火蓋が切られた。

上記、レース撮影初心者の自分が最初に見て不思議に思ったのが、正式スタート前にゆるりと1周だけ走って、再びスタート位置に戻り、改めて本気のスタートをする……というところ。
例えばマラソンだったり、短距離走だったりすると、まずスタートしたら本気の一本勝負なので、ウォーミングアップのようにまず1周してね、とはならないのだが、レースの場合は「あ!始まった!」と思ったら、周回してゆるーりとスターティンググリッドに戻ってきて、仕切り直し。という風になる。初めて見たときは「フライングでもして、またやり直しになったのかな?」と思ったのだが、違った。
よくよくこの撮影後に調べてみると、レースにおいては最初にフォーメーションラップといって、通常は必ずスタートする直前に行われるものなのだという。
このフォーメーションラップは、路面状況をドライバーが確認をしたり、スタート前に冷えてしまったタイヤを蛇行や急加減速をして温めたり、ランナーが体を温めるかのように実行される。

そして、改めてグリッド入りをし、正式な本番スタートとなるのだ。
まるで、車両たちが身震いをしつつ、手足をポキポキと鳴らして戦いに備えているかのよう。

決勝レースの展開は、ほぼほぼスタートの形のまま順位が変わることなく、接触やスピンといったトラブルもないままにゴールした印象。
硬派な、それでいて紳士的な、単純にスピード同士のバトル、という感じを受けた。

スタートしてから、各車グリッドの順番を維持したまま走行。
いとうりな選手の35号車が、発進直後に8番から6番手にアップした以外は、ほとんど変化のない展開となった。
中盤、LAP5に突入しファーストコーナーに差し掛かったタイミングで、佐藤選手の12号車がアウトから1台に抜かされて4位となる。
終始、佐藤選手の赤いVITA-01と青いライバル車との差し合いが繰り広げられた。
そのまま各車、最終LAPまで多少の前車との距離を縮めたり広げたりという状況はありつつも、大きく競り合う場面も見られなかった。

結果は、

12号車 佐藤元春選手 4着
310号車 浅井康児選手 5着
35号車 いとうりな選手 6着
777号車 大島良平選手 9着

という結果となった。
皆様お疲れ様です。

レース後、撤収作業の合間に弊社代表の佐藤選手にインタビューすることができた。

話にある通り、ライバルたちのミスが無かったということもあり、スタートからゴールまで非常にハイペースなレースだったように思う。
撮影をして回るうちに、あっという間に終わっていたかのように感じた。

また、7月11日には北海道クラブマンカップレースの第2戦が行われるので、それに向けて恒志堂レーシングはたゆまぬ努力を重ねていく。

引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

 

 

2021.07.13 2021年5月9日 OKAYAMAチャレンジカップレース Rd.2

今回は、自分(恒志堂 映像撮影・編集担当 寺澤)が同行したOKAYAMAチャレンジカップレースの模様をお伝えする。

レースには、映像撮影と編集、さらに以下の恒志堂レーシングTwitterアカウントのリアルタイム更新という役目のために参加した。
モータースポーツについては、お詳しい方からすれば拙い知識しか持ち合わせていないので、現地でレーサーの方やピットの方などに勉強させて頂きながらのレポートになる。

以下、現地にて更新した動画付きでレポートしていく。

このレースは2時間耐久のルールとなっており、途中でドライバーを交代しながら戦う。
弊社代表の佐藤選手とプロレーシングドライバーの平中克幸選手が、タッグを組んで参加した。
何週目でピットインするか、交代するか、燃料やタイヤは大丈夫か、といったピットクルーとの綿密な打ち合わせ、連携が必要となる。
ちなみに、佐藤選手は今回、岡山国際サーキットでのレースが初めてである。

引用:http://www.okayama-international-circuit.jp/guide/course.html

 

コースは主にメインストレートとバックストレートの2本の直線、ヘアピンコーナー、リボルバーコーナーなどのバンク角が大きいテクニカルコーナーが待ち構えている。
それに加えて、写真や映像では分かりにくいと思うが、コース中で最も標高が高い地点と低い地点の差はなんと29mもあるのだ。
直線、コーナー、坂と、様々な状況に対処する能力がドライバーには求められるだろう。

この動画では、車両はコーナリングしながら登坂している。
コースをよく分かっていないと、上がってるの?下がってるの?という事態になりかねない。

上の動画は、リボルバーコーナーを抜けて、パイパーコーナーに向かう様子だ。
直線はグッと上りになっており、ヘアピンをを抜けると緩やかな下りになっている。

メインストレートの全長はおよそ600m、この限られた直線でトップスピードを出せるのかどうかが、上位を狙う鍵となるだろう。

予選走行、まずは平中選手による第1スティントが開始される。
複数の車両が混み合う形となり、接触やスピンが多発し、赤旗が振られる場面を多く見かけた。

その後、佐藤選手へとバトンタッチし、赤旗を振られレースを中断しながらもアタックを敢行。
他車のトラブルに集中力を削がれかねない状況ながらも走り切り、予選での順位は12位となった。
決勝は、12番グリッドからのスタートとなる。

予選の荒れ模様からして、決勝も荒れるかもしれない……。と、予想するも、意外にも決勝では赤旗が振られる場面がなかった。
そのため、非常に堅実な、マシンとドライバースキルのガチな戦いが繰り広げられることとなる。

第1スティントを佐藤選手が走り切り、平中選手にたすきを渡すシーン。
ピットタイム3分4秒、レース開始40分経過のタイミングで第2スティントをスタートさせた。

第1スティントの佐藤選手は20周、第2スティント平中選手は23周のタイミングでピットイン。
ここで第3スティントを佐藤選手にドライバーを交代。

サーキットに西日が差し始める頃、ピットタイム3分ジャストでコースインした。
ドライバーのレーステクニックが勝利に重要なのは勿論であるが、このようなピットクルーによるレース前のマシンセッティング、レース中の迅速で精密な給油やメンテナンスも、非常に重要な要素となっている。
皆の応援とサポートを背に受け、ラストスパートに向けて全力で走る佐藤選手がチェッカーを担う。

結果は、惜しくも表彰台に届かなかったが、5着でゴールという結果になった。

 

走行後、ふたりのドライバーにそれぞれインタビューをした。

惜しくも5位、されど5位。
先述の通り佐藤選手は岡山初参戦でありながらも、順位をアップさせる走りを見せてくれた。
そして、平中選手はデータと経験から的確な助言をチームに与えてくれ、ドライバーとしても間違いなく順位に貢献してくれた。
我々は、次回こそは表彰台、優勝を目指すといった目標を掲げ岡山を後にした。

以下、弊社YouTubeチャンネルに投稿したダイジェスト動画もあわせてご覧ください。

 

 

引き続き、恒志堂レーシングの応援をよろしくお願いいたします。

 

 

2021.05.31 Fuji Champion Race Series 2020 FCR VITA & KYOJO CUP Rd.4 RACE REPORT

Fuji Champion Race  VITA-01 Rd.4/KYOJO CUP Rd.4

開催日時:2021年1月30日(土)

開催地:富士スピードウェイ レーシングコース(静岡)

ドライバー(FCR-VITA):佐藤 元春、中川 隆吾

(KYOJO CUP):高橋 純子、RINA ITO

マシン:恒志堂レーシングVITA 610号機(佐藤 元春・高橋 純子)

恒志堂レーシングVITA712号機(中川 隆吾・RINA ITO)

参戦クラス:FCR-VITA、KYOJO CUP

天候(FCR-VITA):予選/晴れ、決勝/晴れ

(KYOJO CUP):予選/晴れ、決勝/晴れ

路面(FCR-VITA)予選/ドライ、決勝/ドライ

(KYOJO CUP):予選/ドライ、決勝/ドライ

佐藤 元春(FCR-VITA) 予選:14/24位 決勝:7/24位

中川 隆吾(FCR-VITA) 予選:12/24位 決勝:19/24位

高橋 純子(KYOJO CUP) 予選:10/12位 決勝:11/12位

RINA ITO(KYOJO CUP) 予選:6/12位 決勝:6/12位

 

全世界がCOVID-19による脅威にさらされ、各国でレース開催が危ぶまれた2020年シーズン。
トップカテゴリーであるFormula1ですら何戦かの中止がアナウンスされる中、無観客レースを
前提にFuji Champion Race(以下FCR)は開催される運びとなった。

参戦クラスは例年通りFCR-VITAとKYOJO CUP。Koshido Racingは今シーズンから全戦2台体制
でのエントリーとなった。ドライバーラインナップは、FCR-VITAにおいては610号機にチーム
オーナー兼ドライバーの佐藤、712号機に中川、KYOJO CUPでは610号機に高橋、712号機に
RINA ITOという布陣。

また、ドライビングアドバイザーとして、Koshido Racingの母体である有限会社恒志堂がスポン
サードしている平中克幸選手と大湯都史樹選手も駆けつけ、それぞれのドライバーの技術支援に
あたった。

FCR-VITA 610号機  佐藤 元春

FCR-VITA 712号機  中川 隆吾

KYOJO CUP 610号機  高橋 純子

KYOJO CUP 712号機  RINA ITO

 

FCR-VITA公式予選> 

 

これまでFCR-VITAとKYOJO CUPの最終戦はシーズン年内に行われていたが、今期は年明けに
ずれ込み、2021年1月の開催となった。そのため標高545~580メートルに位置する富士スピード
ウェイの外気温は常に一桁。北海道から遠征しているKoshido Racingの面々においても、長時間
外の風に当たっていれば身に染みる寒さである。

そんな寒空の中、8:25に予選がスタートする。

晴れ渡る空と富士の稜線をバックにセクター3を駆け抜ける610号機

この時の気温は4℃。前述の通り、これまでのFCRにはないほど低い気温であることから、各車
タイヤの熱入れを入念に行いつつ、アタックラップに備える。

1周のアウトラップを終え、1コーナーに飛び込んでいく610号機の佐藤。しかし、フロント
タイヤはブレーキングでいとも簡単にロックし、VITAは白煙を上げながらまっすぐに滑走を
始める。空は快晴であり、路面温度も日差しによってじわじわと上昇しているようであったが、
タイヤにはまだまだ熱が入っていないようだ。幸い、フラットスポットが形成された様子は
なく、前車との間隔に余裕があったためすぐに姿勢を立て直し、再びタイヤのコンディション
づくりに集中する。その後も何度か1コーナーへのブレーキングでタイヤロックが見られたが、
ターンインまでに挙動を回復させ、大事には至らず。如何に毎周、攻めた走りでタイムを削り
取ることに挑み続けているかということを、このブレーキングが如実に物語っている。
4輪すべての挙動が安定し始め、ターンインのステアリングの切り込みも鋭くなっていく。
オーバーステアを上手く封じられる絶妙なスロットル開度を保ち、その後はマシンの姿勢を
乱すことなく周回。2分2秒台…1秒台とラップを重ねるごとに徐々にタイムを短縮し、6周目に
予選ベストとなる2分0秒939をマークしたところで14番手につけた。日本最長のストレートを
持つ富士スピードウェイにおいて、今回は不運にもスリップストリームを使える機会が与えら
れないまま予選時間終了が迫る。この時点で610号機の周りにはたくさんのライバル車がひし
めき合い、その後はクリアラップの獲得すら難しい状況。アウトラップ及びインラップを除い
て8周回したことになるが、実質的に6周回でアタックラップは終了していた。

一方の712号機中川。こちらは富士スピードウェイの走行が今回で2度目と、まだコースその
ものへの経験が十分でなかったこともあり、佐藤以上に慎重なペースでVITAを走らせる。
アウトラップから2周目、3周目と佐藤の後ろに付けつつマシンの動きを探り、同様に2分2秒台
から1秒台へとコンスタントにタイムを削っていく。

初めて富士スピードウェイを走行した際には「どこを走ってよいのかわからない」と悩みを
吐露していたが、2度目にして早くも走行ラインは確たるものへと変貌していた。100Rでは
美しい弧を描き、ダンロップでは力強く立ち上がり、セクター3を無駄なくまとめる。この時の
中川には既にそのような走りが身についていた。

最終的な結果は2分0秒857と、エースの佐藤をも上回るタイムを刻み、9周回を経て12番手へと
付けた。

 

FCR-VITA決勝>

スタート時刻は11:00。気温は予選時から1℃だけ上昇し、5℃。天候・路面コンディションとも
に大きな変わりはない。

610号機の佐藤は路面温度の低さを考慮し、3500rpmにてクラッチミート。順当にスタートを
決め、1コーナー進入までに#47 フジタ薬局アポロ電工MT VITAの徳升選手をパス。しかし、
1コーナーへのアプローチ中に7番手スタートのペトロナスBeFlat VITAの並木選手がタイヤ
ロックにてコース外に飛び出してしまい、これによって生じた混乱に佐藤も巻き込まれ、2台
に一気に抜かれてしまう。

スタート直後の1コーナー。早くも波乱含みの様相

 

気を取り直してコカ・コーラコーナーに向けて加速するが、そこでまた3台が絡むスピンと
接触があり、減速とライン変更を強いられることとなる。

続くコカ・コーラコーナーでも3台が絡むアクシデント

 

結果、上手くすり抜けて100Rへと突き進むが、この2つの混乱によって前との差を大きく
空けられてしまった佐藤。ここから巻き返しを図るべく、周囲の状況を注視しながら1台ずつ
攻略を開始した。

712号機の中川は、レッドシグナル消灯に素早い反応を見せ、絶妙なスタートを決める。
1コーナーでの混乱の最中に幅寄せを受けるなど、少なからず影響も受けたが、順位を落とすこと
なくコカ・コーラコーナーへ。すぐ前方を走行していた#5 ワコーズEDニルズVITAのタナカ
選手が進入のブレーキング中に挙動を乱したところをすかさず捕らえ、この時点で8位に順位を
上げる。このままトップ集団に食らいついていくか…そう思ったのも束の間、続くアドバン
コーナーで#37 KeePer VITAの翁長選手と#55 RaiseUP VITA-01の小西選手が接触。スピンを
喫し、コース中央で止まっていた翁長選手を避けるべく、中川は全力で回避行動に移る。

咄嗟の判断でアウト側へステアリングを切る中川

 

コースのアウト側へスピンしながら緊急回避し、互いのテールをかすめる程度に留めたことは
まさに神業であった。ただ、これにより一気にペースを乱した中川は、続くダンロップコーナー
で並走していた#47の徳升選手と接触、ダメージは残らなかったものの、混み合うコース内で
なかなか前に出られないといった状況から脱せずにいた。セクター3で前を走る2台のライバル車
に食らいついていった中川は、メインストレートでスリップストリームに入る。1台をコント
ロールライン付近でパスし、もう1台を1コーナーのブレーキングで刺そうとイン側にラインを
変えた際、さらに前方にいた#55の小西選手に追突してしまう。小西選手は前の周回で翁長選手と
接触した際に足回りにダメージを負い、スロー走行していたのだった。直前まで前走車の
スリップストリーム圏内にいた中川は、小西選手がスロー走行していたことに気づくことができ
なかった。その結果、スロットル全開で1コーナーを立ち上がった際に55号車のテールを押す格好
となってしまった。中川はこれが原因でレース後にコントロールタワーに呼び出されることと
なったが、状況を察したオフィシャルがペナルティなしの裁定を下し、順位変動はなかった。
今回のFCR-VITAはオープニングラップからまさに波乱の連続である。

 

最初の1コーナーでの混乱にこそ巻き込まれた佐藤であったが、その後はスピン車両の間隙を
ついて徐々に順位を上げていった。荒れるレースを見据え、自分の走行ラインを確保すると
ともに、確実にチェッカーを受けるべくVITAを走らせる。アドバンコーナーにおいては、チーム
メイトの中川が緊急回避にてコースアウトする中、着実に安全なラインをトレースし、ここでの
混乱もクリア。

 

その後はしばらく#522 佐藤工業IDI Racingの福岡選手の後を追う。つかず離れずの展開に、
佐藤も福岡選手もペースが上がっていく。1コーナー進入で大きくイン側にラインを変え、揺さ
ぶりをかけるも動じない福岡選手。鉄壁の走りで佐藤を前に行かせない。コース上での駆け引き
が続く中、福岡選手の前を走っていた#11 D.D.R vita01の瀧井選手との差も次第に詰まり、三つ巴
の戦いへと変化。4周目の最終コーナー立ち上がりをきれいにまとめた福岡選手と佐藤は、2台縦
並びで瀧井選手のスリップストリームへ。1コーナーまでに揃って瀧井選手をオーバーテイクし、
ここでまたひとつ順位を上げた。

#522 福岡選手とのバトルが続く

 

その後は再び福岡選手とのバトルが数周にわたって繰り広げられたが、タイヤを温存していた
ためか、終盤福岡選手のペースが上がり、軍配。佐藤は7位でチェッカーを受けた。

 

不運に見舞われ、大きく順位を落としてしまった中川であったが、すぐに気持ちを切り替え、
前走車を追いかける。元々高速域からのフルブレーキングを得意としているが、現在はそれに
加えてテクニカルセクションであるセクター3においても速さをみせており、ここでのライバル
車への差の詰め方が著しい。結果、メインストレートではしっかりスリップストリームに入る
ことができ、1コーナーまでに難なく前に出られる。2周にわたって#24 ENEOS☆CLA☆PMUの
見崎選手とのバトルを演じてきたが、5周目の1コーナー進入ブレーキングにてクリーンにパス。
続く6周目には前を行く#61 BBR VITA-01の山崎選手の一瞬の隙を突き、コカ・コーラコーナー
でインをかすめ、11番手までポジション回復を果たした。

#24 見崎選手との1コーナーブレーキングバトルを制す中川

 

ところが9周目のGR Supraコーナー。一瞬油断からステアリングとブレーキング操作を誤り、
単独スピン。これにより再び順位を落とし、19番手でチェッカーを受けた。

このレースで最も悔やまれるスピン

 

大波乱のFCR-VITA最終戦であったが、Koshido Racingの2名のドライバーは無事に完走する
ことができた。佐藤に至っては、その冷静なレース運びから予選順位を大きく上回る成績を
残し、今後に期待を寄せる走りを披露した。中川もトップ集団に十分加われるだけのラップ
タイムを刻んでおり、経験の少なさを感じさせない見事な走りだったといえよう。

 

 

610号機 佐藤元春 車載
https://www.youtube.com/watch?v=y1xazE9D5DQ

 

712号機 中川隆吾 車載
https://www.youtube.com/watch?v=X2ahwtHTLuM

 

 

 

 

 

KYOJO CUP公式予選>

FCR-VITAが幕を閉じ、間髪入れず女同士の熱いバトルが始まる。短いインターバルであった
が、メカニックたちは全力でマシンのコンディションを整え、出撃に備える。

 

KYOJO CUPは午後からのレースプログラムとなっているが、気温は依然として低く、午前中
のレース時とコンディションはほとんど変わらない。レース前々日の練習走行時には北海道を
彷彿とさせるような降雪がみられ、KYOJO CUPが始まる今まさにこの時においても、コース脇
に雪が残っていたほどである。

 

610号機の高橋は本レースでKYOJO CUPへの参戦から一旦離れることになっていた。
悔いを残すまいと、気合十分でコースイン。とはいえど、慎重なレース運びを信条としている
高橋は決して無理をせず、確実にタイヤのコンディションを作っていく。アウトラップを終え、
2分5秒台での周回から徐々に詰めていく。特にタイヤに大きな入力がかかるセクター1において、
最終的にはそこだけで1秒以上も短縮していた。時折シフトミスをする場面もあったが、大きな
ミスもなく予選時間を走り切る。スピンすることもなく、一見攻めていないような走りにも見受
けられるが、セクター2や3においても着実にタイムを詰めており、自己ベストを更新する
2分3秒220というタイムで結果は12台中10番手。決勝では変わらずミスなく走り切り、上位を
狙うことが期待された。

712号機のRINA ITOはピットアウト前、マシンをシェアする中川と新品タイヤでの走り方につい
て入念に確認し合っていた。

712号機の動きについて互いの経験からベストなドライビングを探るRINA ITOと中川

 

アウトラップではマシンを小刻みに左右に振り、動きを確かめつつ、深いブレーキングでタイヤ
に熱を入れていく。路面の状態を探り、アタックラップ2周目からは一気にVITAを攻め立てた。
元々全日本ラリーへの参戦も多数経験してきたRINA ITOは、悪路走破においても高い能力を
発揮する。現に、2020年のKYOJO CUP初戦では大雨の中2位表彰台を獲得。多少滑りやすい路面
でもものともしない走りを披露する。
肝心なタイムの方も、序盤から2分1秒台を連発。しかし、ドライブするVITAは驚くほどに姿勢が
安定しており、走りに余裕さえ感じられた。Koshido Racingからエントリーする以前より他の
エントラントにて参戦していたこともあり、富士スピードウェイをVITA-01で走行することは
かなり慣れている彼女ならではといえよう。さらにアタックをかけたRINA ITOは、タイヤの美味
しいところを使い終わっているであろうアタックラップ7周目に2分0秒918をマーク。6番手で予選
を終えた。

 

 

KYOJO CUP決勝>

時計は15時をまわり、日も少しずつ傾き始め、西日が眩しい時間帯となった富士スピードウェイ。
予選後もドライバー・サポート人員の皆に余念がなく、全力で決勝レースの準備に勤しむ。
ドライビングアドバイザーの大湯都史樹選手も、予選での走行データを解析し、高橋、RINA ITO
両ドライバーにアドバイスを送る。

AIMによるロガー解析から、わかりやすくアドバイスする大湯選手

 

そして迎えた決勝時刻。スターティンググリッドでは恒例のドライバー激励。


北海道代表として、佐藤とともに610号機で富士を走り続けてきた高橋純子選手

 

速さと走りの力強さを兼ね備えた712号機 RINA ITO選手

 

フォーメーションラップを終え、改めてそれぞれのスターティンググリッドにつく面々。12人の
競女たちによる戦いの火蓋が切られた。
610号機の高橋は、ややホイールスピン気味のスタートで11番手スタートの#7 ORCワコーズ
AFC・VITAに先行を許す形となる。その後のコカ・コーラコーナーでは、進入のブレーキング時
にややシフトロック気味となり、痛恨のスピン。
エンジンの再始動に時間を要してしまったこともあり、前との差はかなり開いてしまう。
しかし、この体たらくで終わるわけにはいかない。高橋は自分との戦いに切り替え、自己が持つ
タイムの更新と向き合い続ける。
決して諦めず、同じミスはしない。何かを吹っ切ったようにアグレッシヴなドライビングを見せる。
スロットル全開率は明らかにこれまでよりも上がっていた。

痛恨のスピン。この後再スタートまで時間を要してしまう

 

それでもドライビングそのものはラフなものではなく、タイヤの感触をしっかりと確かめながら
マシンを前に進める繊細さを失っていない。踏めるところは踏み抜き、抑えるところは抑える。
メリハリのある操作で、タイムは狙い通りに更新されていった。

ひとつでも高みに上がるべく、攻め続ける高橋

 

どのセクターも均等に詰めていき、8周目には自己ベストとなる2分2秒903をマーク。順位は
最後尾となったが、ここまで走り続けてきた成果は自己ベストの更新という形で証明した。

一方の712号機RINA ITOは、タイヤが冷えていることを考慮し、スタートは低めの回転で
クラッチミート。

これが功を奏し、1コーナー進入までに#522 佐藤工業 IDI Racingの岩岡選手の前に出る。大荒れ
に荒れたFCR-VITAの決勝レースとは異なり、 オープニングラップは各車トラブルなく周回。
この時点で5位のRINA ITOは、4位の#86 Dr. DRY VITAの猪爪選手を射程に捉え、追いすがる。
1位から4位まではほとんど差がなく、数珠繋ぎ状態。それに追随するべくVITAに鞭を入れるが、
猪爪選手との差は徐々に開き始める。
しかしある一定のところからは差が開かない。トップ集団の4台がもつれていることでラップタイ
ムがそれほど伸びていなかったためである。これを見たRINA ITOは俄然猛追。予選時と同等の
ペースで走り続けた。しかし、前走者がいないためスリップストリームが使えず、その差はなか
なか埋まらない。逆に後方から追い上げてきた岩岡選手が徐々に迫り、6周目のメインストレート
でスリップストリームに入られてしまう。7周目の1コーナー進入で真横に並びかけられるが、
ここはイン側でポジションを死守。ブレーキングでは一歩も引かない。立ち上がりからラインを
クロスし、コカ・コーラコーナーでアウトから再度仕掛けてくるが、ここでも辛うじて抑え
切った。100Rからアドバンコーナーでは速度を保ち、300Rからセクター3にかけても上手く
処理し、再びメインストレートへ。依然として後方にピタリと貼りつかれている状態であったが、
岩岡選手自身のミスもあり、8周目は抑え切った。

1コーナーで並びかけられながらも、ブレーキングで順位を死守するRINA ITO

 

9周目、急に712号機のリアタイヤがタレ始める。立ち上がり加速が一気に鈍り、最終パナソニッ
クコーナーで一瞬もたつく。その隙に一気に間合いを詰めてきた岩岡選手はスリップストリーム
を利用し、メインストレートで前へ。このまま行かせてなるものかと、RINA ITOは1コーナーの
ブレーキング競争でアウト側からしっかり並びかける。クロスラインで立ち上がり、コカ・コーラ
コーナーにむかって再度真横に並ぶが、アウト側にいたため、踏ん張り切れず岩岡選手に先行を
許した。しかし、続く100Rではテールトゥノーズでプレッシャーをかけ続け、ダンロップ
コーナーにおいても522号車の懐に飛び込むブレーキングを見せる。

1コーナーをクロスラインで立ち上がり、前に出るチャンスをうかがう

コカ・コーラコーナーにてイン側から再度仕掛けるRINA ITO

100Rではピタリと522号車をマークし、プレッシャーをかける

 

ただ、ここからは下ってきた分を一気に駆け上がる登り区間のセクター3。リアタイヤを消耗した
712号機には苦しい展開が待っていた。最終コーナーでミスなく立ち上がっても、次の1コーナー
でブレーキング競争に持ち込めるまでのストレートスピードは稼げない。岩岡選手のミスを誘う
べく、厳しい条件下で必死にプッシュを続けるが、一歩及ばず0.082秒差で6位でフィニッシュとなった。

惜しいという言葉だけでは括れない僅差の6位

高橋はベストラップでは8番手のタイムをマークし、RINA ITOは最後の最後まで手に汗握る展開
の白熱したレースを魅せてくれた。

今回のKYOJO CUPにて一旦参戦を休止する高橋純子選手

610号機 高橋純子 車載
https://www.youtube.com/watch?v=wiW8sG-4fT4

712号機 RINA ITO 車載
https://www.youtube.com/watch?v=c8jtTXMIogY&t=2s

 

~レース後、チームオーナーコメント~

予選はうまく前車のスリップを使うことができず、思うようなアタックができなかったため、
結果的に24台中14番手という結果で終わりました。1秒以内に10台以上がひしめき合っている
状況だったので、チャンスは必ずあると考え、決勝は気持ちを切り替えてひとつでも順位を
上げようという意識で臨みました。
決勝はスタート時のクラッチミートもミスなく、1コーナーで前走車集団が団子状態となって
いるところをアウトからかぶせていこうとしたところ、インから2台に先行されてしまいま
した。1コーナーの攻め方としては課題が残る形となりましたが、寧ろそこからは冷静になり、
いつもより集中力が研ぎ澄まされ、周りがよく見えるようになりました。コカ・コーラ、100R、
アドバンコーナーと、コースアウトやスピン、クラッシュする車両を見極め、自分は安全・
確実に順位をジャンプアップさせることができました。
おそらくオープニングラップで10位以内には上がっていたと思います。レースラップも前走車を
見る限り自分のペースの方が早かったため、無理にオーバーテイクを仕掛けるのではなく、
メインストレートでスリップストリームを使って確実に前に出ようという作戦をとりました。
しかし、1コーナーでイエローフラッグが出てしまったことでそれが適わなかったり、タイミ
ングよくオーバーテイクポイントが使えなかったことが残念であったとともに、もっと早くに
仕掛けておくべきだったと痛感しました。
ただ、イエローフラッグはいずれ解除されるわけで、それまでにしっかりと前走車の動きを
見て、どのタイミングで仕掛けようかと考えていました。やはりセクター3でチャンスが到来し、
前走車がオーバーステアを出した瞬間に大きく距離を縮めることができたので、スリップスト
リームを使って前に出ようと考えていたところ、その作戦が功を奏し、次周の1コーナーでオー
バーテイク、7番手までポジションアップすることができました。
6番手を走行していた522号車の福岡選手が、これまで温存していたのか最後の2~3周でペース
を上げたため、ついていくのがやっとの状況でした。ただ、いつ相手がミスするかもわからない
ため、最後まで虎視眈々と狙っていましたが、最終的にはとどかず7位でチェッカーを受けました。
レースラップや全体的なレース運びを通し、トップ集団とバトルできるようなレベルになってきた
ので、次戦では表彰台目指して頑張っていきたいと思います。

Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.07.27 Ferrari Clienti “4hours Endurance” RACE REPORT

 

開催日時:2019年7月16日(火)

開催地:袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ(千葉県)

ドライバー:佐藤 元春、 竹谷 和浩、 船越谷 和彦

マシン:#55 VITA-01

天候:予選/雨   決勝/雨

路面:予選/ウエット、決勝/ウエット

予選(佐藤 元春):1/8位

決勝:4/8位

 

モータースポーツ事業全般の企画やプロモ―ションを手掛ける株式会社ファーストレスポンダーと
フェラーリジャパンが共催する本レース。ドライバーはフェラーリチャレンジレースへの参戦者
やF1/XXオーナー等が対象となる。マシンはウエストレーシングカーズ製のVITA-01のワンメイク
とされ、イコールコンディションでのバトルを通してフェラーリオーナー間交流が図られる。

フェラーリのモータースポーツ部門を率いる「コルセ・クリエンティ」のトレーラー

 

Koshido Racingからはチームオーナー佐藤、北海道クラブマンカップ及び富士チャンピオンレース
に佐藤とともに参戦している竹谷、過去に北海道クラブマンカップレースでSAURUS Jrをドライブ
していた船越谷の3名体制で挑む。佐藤・竹谷はもとより、先日VITA-01初走行で好タイムをマーク
した船越谷という今回の布陣。優勝への期待が高まる中、千葉へと向かった。

 

予選9:3010:30

7月15日より現地入りしていた面々であったが、その日の走行時間は一切なく、当日の朝、シート
合わせから始まる。

天候は雨で路面はウエット。朝一、空を見渡した様子では、一日中雨天であることが容易に分かる
ほど厚い雲と雨脚にさらされていた。

長めにとられた予選時間は、VITA-01に不慣れな各ドライバーの練習時間も含むものであり、60分
間が設けられている。まずは袖ヶ浦の走行経験がある佐藤がコースイン。とは言ってもこれだけの
豪雨に見舞われると、もはやドライ路面とは走行ラインを大きく異にするため、これまでの経験が
頼りとなる。

1周目、セーフティーカー先導のもとでゆっくりと周回したが、コースのあちらこちらに大きな
水溜りができており、VITA-01のカウルの下からは多量の水しぶきが上がっている状況。セーフ
ティーカーはピットに入る様子はなく、そのまま2周目へ。セーフティーカーとの間合いを空け、
やや速度をのせてみるが、今にもハイドロプレーニングを起こすのではないかというコンディショ
ンである。

結局3周目もセーフティーカーはそのまま先導を続け、4周目にようやくレーシングスピードでの
走行が可能となった。水溜りの少ない箇所を選び、グリップを感じながらペースを上げていく
佐藤。しかし、油断するとあっという間に水の膜に四輪とも持っていかれ、コースアウトして
しまう。フロントタイヤで跳ねた水がカウルを通してドライバーに降りかかるなどいう場面も
あり、コンディションは過酷さを増していた。

奥に行くほど回り込んでいる5→6→7コーナーでは、奥目にクリッピングポイントをとるべく進入
でアウト側にマシンを振るが、常にオーバーステアとの闘いを強いられる。少しでもカウンター
が遅れるとたちまちスピンモードへ移行するが、同時にブレーキングも開始するため、ハイリスク
である。それでも徐々にマシンを手懐け、ラップタイムを削っていく佐藤。ドライバー交代ぎり
ぎりに1分32秒515をマークし、竹谷にステアリングを託した。
十勝のVITA-01レースではすっかり上位陣の顔ぶれとなった竹谷は慣れないコースということも
あり、インラップを丁寧かつ慎重に走行。しかし、マシンの特性とコースの特徴を1周で掴んだ
のか、2周目にはアタックを開始。その周を1分36秒台で周回し、3周目には1分35秒台と、確実に
タイムを短縮していく。

ヘビーウエットコンディションへの適応力も高く、いざ4周目といったところで他車のスピン・
コースアウトにより赤旗中断。余儀なくピットに戻った。車両が回収され、再びコースに繰り出す
竹谷。赤旗解除後ドライバーチェンジの時間が迫る中、1周のみ与えられたアタックラップにて
1分34秒238を記録し、走行を終えた。

十勝スピードウェイでの初VITA-01練習走行ではドライ路面でしか走行できていない船越谷。
マシンに乗り込み、コースインしようとしたちょうどこの時、雨脚が強くなった。

ここはやはり慎重にならざるを得ないであろう。数周にわたってマシンとコース、そしてウエット
路面の感触を確かめるべく、非常に丁寧にマシンを進めていく。しかし、過去にSAURUS Jrで
戦っていた経歴をもつだけにマシンへの順応性は非常に高く、3周目にはペースも上がり、オー
バーステアが出るくらいまで攻め込む姿が見られた。挙動にも慣れ、ペースを上げようかといっ
た矢先、再び赤旗中断となってしまい、ピットの中へ。解除されたとき、既に予選終了時刻を
迎えていたが、5分間の延長措置が取られた。コースに戻ってすぐ、ペースを上げようと奮闘する
船越谷であったが、他車が一斉にピットアウトしていったこともあり、コース上は混雑。周りに
合わせたペースを強いられ、タイムを伸ばすことは叶わなかった。

結果、佐藤が自身のスティント終了間際に記録した1分32秒515が全体のトップタイムとして残り、
見事ポールポジションを獲得した。

予選結果(ラップタイム)

佐藤 元春:1’32.515
竹谷 和浩:1’34.238
船越谷 和彦:1’36.924

 

決勝(1100~15:04

予選を終え、決勝スタートまでの時間は30分弱ほど。その間、予選結果を基にチームをマネジ
メントする中川により綿密な作戦が練られ、各員に伝達がなされる。彼もまたレース参戦経験は
豊富で、北海道クラブマンカップにおいては表彰台を獲得するなど、VITAレースに関しての見識
が深い。

予選の状況を基に、決勝での走行を組み立てる中川

 

また、佐藤よりVITAでは初レースとなる船越谷にアドバイスがなされる。

スターティングドライバーは佐藤が担当することとなった。10時50分コースイン。ホームストレー
トの1番グリッドにマシンを進める。言わずもがな天候は土砂降りのままである。

11時2分、フォーメーションラップがスタートし、各車コース状況を確認しながらゆっくりとVITA
を走らせる。雨量が多く、1周終えてもセーフティーカーはピットに戻らず先導のまま2周目へと
突入。

レーシングスピードでの走行を拒むかのように、袖ヶ浦の雨は一向に弱まらない。あちらこちらに
広がる水溜りがつながって川を形成し、ミッドシップのVITAにハイリスクなコース状況をつくり
出していた。

結局セーフティーカー先導が終わったのは4周後。その頃雨脚も若干弱まり、各車一斉に加速して
いく。佐藤は他車の追随を許さないと言わんばかりに1分32秒台のペースで後方とのマージンを
拡げていった。しかし、そんな予選さながらのレースラップも長くは続けられなかった。6周回
したところで再び雨量が増加、セーフティーカーが導入かと思いきや、そのまま赤旗中断となって
しまった。

その後リスタート予定は12時ちょうどとアナウンスされたが、コースコンディションの見極めから
正式にスタ―トが切られたのは12時30分。ドライバーは竹谷にチェンジしていた。佐藤が築いた
マージンはゼロになってしまったが、竹谷もまた悪天候にはめっぽう強いドライバーであり、善戦
が期待された。

リスタートもセーフティーカー先導となり、3周回したのち本スタートが切られた。意気揚々と
加速していく竹谷であったが、最初の1コーナーでのブレーキングポイントを見誤り、スピンを
喫してしまう。それに続く形で2位を走行していたマシンもスピン。

そのさらに後方を走っていたマシンには抜かれてしまったが、スピン後の的確なステアリング
ワークと対処により素早くレースに復帰したため、ポジションは2位をキープすることができた。
遅れを取り返すべく前を猛追する竹谷。しかし、5→6→7コーナーでトップを奪ったマシンがスピ
ン。これを慎重にかわし、再びトップへ浮上する。その後はマシンコントロールに集中し、再スピ
ンすることなく周回を重ねていったが、7周目に#77のチーム77にトップを奪われる。

チーム77は予選で佐藤のタイムのコンマ1秒落ちの僅差につけており、今回実質的なライバルチー
ムといえる。その中で3名いるドライバーのうち、都筑選手はポルシェカレラカップジャパンで
シリーズチャンピオンに輝いており、スーパーGTにもスポット参戦している経歴を持つレーシン
グドライバーである。その卓越したマシンコントロールは十分にKoshido Racingを脅かす存在で
あった。

先行を許した竹谷であったが、その後は離されまいと一定の間隔を保って追従する。

しかし、コースのいたるところでスピンが続出。12時44分、またもやセーフティーカー導入と
なる。

ここで給油を済ませ、船越谷にドライバーチェンジ。いよいよ船越谷のVITA初レースが始まった。
但しコースインした時はまだセーフティーカー先導中であるため、ゆっくりと隊列の後ろに加
わる。

 

アウトラップ後も3周にわたってスロー走行を強いられ、スロットルを全開にできたのは4周目
から。ところどころブレーキングでオーバーステアとなりながらもしっかりとコントロールし、
VITAを手中に収める船越谷。ラップタイムも1分35~36秒台を堅実にマークし、レースペースを
作り上げていく。ちょうど雨脚も若干弱まり、タイヤのグリップを感じ取りながら前を行く#77
との距離を詰める。危うく接触か、という位置まで肉薄するようなシビアな戦いが続いた。
なかなかにアグレッシブな走りで、確実にプレッシャーをかけ続ける船越谷。7周にも及んだ
テールトゥノーズのバトルを制し、ついにトップを奪還する。直後にピットインし、ポジション
を再び2位としたが、その走りは見事というに他ならないものであった。

次スティントはファーストドライバーに返り、佐藤が出撃。1スティント目の赤旗中断の鬱憤を
晴らすべく、ピットアウト直後から予選タイムのコンマ2秒落ちというハイペースで飛ばす。

その次の周には予選タイムを2秒以上超える1分30秒449という驚異的なタイムを叩き出し、1位を
猛追。やはりここまでのペースともなるとトップ返り咲きは時間の問題であった。2周後、最終
コーナー立ち上がりを上手くまとめた佐藤は一気に前走車との間合いを詰め、1コーナー進入まで
に難なくトップへ。その後も1分31秒台のタイムを安定して重ね、スティント後半には30秒台を
連発。こうなると次に狙うはレース中のファステストラップである。完璧な勝ちに拘り、プロ
ドライバーに真っ向勝負をかける佐藤は、慣れない袖ケ浦でしかも悪コンディションにもかかわ
らず、すべてのコーナーでVITAを攻め立てる。ロック寸前のシビアなブレーキング、路面状況を
見定め、4輪のグリップを最大限に活かし切るライン取り、パワーオーバーステアを出さない丁寧
な立ち上がりでのアクセルワークと、タイムを詰めるべく集中して走り続けた。しかし14周目の
1コーナー、一瞬の判断ミスがもたらしたブレーキロックによりコース外へオーバーラン。大きく
コースから飛び出したわけではないが、場所が悪くスタックしてしまう。

コース復帰からそのままピットに戻り、ドライバーは竹谷へとチェンジ。この時点でマージンは
30秒。再び差を拡げるべく奮闘する。しかしコースインしてすぐ1コーナーで予選3位の#74が
スタックしており、2分後またもセーフティーカー導入。解除されたのは約10分後。竹谷もまた、
佐藤に続くペースでラップを刻み、1分31~32秒台で周回する。ここで迫ってきたのは実質的な
ライバルともいえる#77。じわりじわりと差を詰め、何度も並びかけるが、竹谷も走行ラインを
巧みに変え、易々と前には行かせない。雨の中、見ている側にも緊張を強いるようなサイドバイ
サイドの戦いが続いた。一旦は前に出られるが、竹谷は行かせてなるものかと追いすがり、
一瞬の隙をついて1コーナーのブレーキング競争で再び抜き返す。

その後はギリギリのところでおさえていたが、2コーナーのクリッピングポイント付近で一瞬荷重
が抜け気味になっているところで#77と接触。2台ともにスピンを喫してしまう。#77はランオフ
エリアに吸い込まれていってしまったが、竹谷は幸いコース上にとどまった。これもまた、姿勢が
崩れた後の的確なステアリング操作がもたらした結果である。即時リカバリに転じた竹谷は動じる
ことなく戦線に復帰。ラストに1分31秒台を刻み、船越谷にステアリングを託した。

ラストスティントの船越谷であったが、ピットイン・ドライバーチェンジの間にポジションを5位
に下げてからのコースインとなった。走行を許された残り時間は実質5分ほど。少しでも順位を
挽回すべく、持てる力を発揮して攻め込んでいく。この日、自身のベストとなる1分34秒698を
マークし、4位のマシンへと肉薄。その走りが結実したか、ファイナルラップで前走車がスピン。
その横を冷静に通り抜け、4位にポジションアップし、ゴール。

終始このレースはセーフティーカーに左右される展開であり、その中での順位変動も目まぐるしく
起こった。ピットタイミングもあり、終盤に順位を落とす形となってしまったが、ペース的には
チームとして相当にハイレベルなものであったと言える。今後も耐久レースでの各ドライバーの
活躍が期待されるところである。

 

~レース後、チームオーナーコメント~

予選及び決勝と、非常に強い雨の中の走行となりましたが、悪天候の中でのトレーニングはこれ
までかなり積んできたため、自分としてはコンディションが悪い方が自信がありました。今回、
フェラーリチャレンジで常に表彰台に上がっているような速く、強いドライバーも複数人エント
リーしている中で、予選でポールポジションを獲得できたのは、これまでの雨の中のトレーニン
グの賜物であると思います。
途中でセーフティーカーが何度も導入されるようなレースだったため、それを見極めたピット
タイミングによって大きく順位が変わるレースでした。最も悔やまれるのは、自分がファステ
ストラップを刻みながらアタックしている途中、1コーナーでコースアウトしたこと。それに
よってスタックしたがために、それまで築いていたマージンをすべて失ってしまい、トップを
譲ることになってしまいました。やはりあのようなコンディションのレースこそ周りのクルマの
状況を見て、自分の持てる100%以内の力でドライビングすべきだったと痛感しています。少な
からずあれはチームで勝利するというよりも自分がファステストラップを記録したいという単独
での行為に起因したものであり、今後はやはりレースに勝つということに重きをおいて臨みたい
と思います。普段、北海道クラブマンカップで共に戦っている竹谷選手と、VITA-01では初レー
スとなる船越谷選手と一緒に走ることができ、良い意味で結束力が固まりました。この3名とは
これからもレースを続けていきたいと思います。

Koshido Racing 佐藤 元春