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2024.11.02 北海道クラブマンカップレース 2023 Rd.3 VITA-01 RACE REPORT

北海道クラブマンカップレース Rd.3 VITA-01

開催日時:2023 年 8 月 20 日(日)

開催地:十勝スピードウェイ クラブマンコース

ドライバー:上野 大哲(#11)、佐藤 元春(#12)、浅井 康児(#310) 市川 篤(#516)、工藤 大祐(#910)、

マシン:恒志堂レーシング VITA 11 号機、12 号機、310 号機、516 号機、910 号機

参戦クラス:VITA-01 クラス

天候:予選/雨、決勝/晴れ

路面:予選/ウェット、決勝/ドライ

戦績

上野 大哲 予選:3/20 位 決勝:1/16 位

佐藤 元春 予選:6/20 位 決勝:失格

浅井 康児 予選:9/20 位 決勝:16/16位

市川 篤 予選:13/20 位 決勝:7/16 位

工藤 大祐 予選:11/20 位 決勝:4/16 位

異例の暑さが続く8月の十勝スピードウェイ。過酷な気候の中更別村にて北海道クラブマンカップ第3戦が開催された。第1戦・第2戦同様の顔ぶれが揃う中、今回は86/BRZカップやFormula Beatが併催のため本州からもVITA出場者が来道しており、20台という北海道ではなかなか見ることのできない台数が集まった。予選ウェット、決勝ドライという変化するサーキットに各選手苦戦しながらも白熱したレースが繰り広げられた。

今回Koshido Racing からは、前戦同様に佐藤、浅井、工藤、市川、上野による5台体制での参戦。佐藤、浅井、上野は1・2・3フィニッシュもしており今回も表彰台独占への期待が高まる。

<練習走行>

各チーム第3戦ということもあり、少しずつニューコンパウンドのタイヤへの適応を見せ始めているがKoshido Racing のメンバーもとても順調な仕上がりである。

8月18日、今レースウィークは様々なカテゴリーのレースが併催されるため通常に比べ練習走行枠が2日前にして2本という限られた本数となっている。

猛暑もあってか他チームのドライバーたちがなかなか1分32秒台に入れられない中、佐藤が洗練された走りを魅せ30秒台をマーク。浅井も31秒台をマークし前回1・2フィニッシュの2人がチームを鼓舞する。

工藤、上野、市川はマシンのセットを探りながらの走行。32秒~33秒前半をしっかりキープするものの31秒台への壁はなかなか高い。2本という限られた本数だったため、セットが決まり切らず1日目が終了した。

翌日19日。チームオーナーでありエースドライバーでもある佐藤の12号機がニューカウルへと換装された。

ニューカウルを纏い走行に挑む。この日も流石のタイム、31秒台前半を連発しドライバー・マシンの総合値の高さを証明する走り。翌日の予選決勝は雨の予報、今シーズンの十勝においてウェットの走行がほとんどできていないため懸念点はあるが安定した走りを魅せ走行が終了。浅井・上野も佐藤に続き31秒台をマークする。1・2・3位でゴールした3台が圧倒的な走りを魅せライバルたちにプレッシャーをかける。市川はマシンのエンジンが絶好調とはいえない状況の中インフィールドを上手くまとめ32秒台をマークする。工藤は細かいセットを詰めながら前日のタイムをコンマ4秒ほど短縮した。

<練習走行結果>

佐藤 元春:1‘30.912(8/18)

浅井 康児:1‘31.433(8/18)

工藤 大祐:1‘32.477(8/19)

上野 大哲:1‘31.750(8/19)

市川  篤:1‘32.545(8/19)

<公式予選>

天気は雨。路面はウェット。前日までの予報が重要な時に限ってあたる。

KoshidoRacingの面々は今シーズンニューコンパウンドに変更後、十勝でのウェット走行がほとんどない。富士スピードウェイにおいて経験済みの佐藤・上野の感覚を頼りに各車アドバイスを受ける。

予選開始2分前の表示がコントロールタワーに出され、各マシン一斉にピットから飛び出す。

先頭でコースに入った佐藤、決してウェットが苦手なドライバーではないがなかなかタイムが上がらない。マシンが思うように動かない中、様々なラインやブレーキングを試すが先頭とは2秒の差がある。44秒台で常に走るが後半もペースを上げきれず6番手でチェッカー。予選終了後、ウェットという状況に対して脚が硬いセットのままという事が発覚したが、安堵するどころかさらに集中力を上げ決勝へと準備をする。

大雨の2023FCR-VITA初戦において2位という成績を収めている上野、ウェットは得意としている印象だが今年から走り始めたばかりの十勝に序盤苦戦している模様。44秒台となかなかペースが上がらない中、最終計測ラップにてアジャストさせタイムを更新。3番手でチェッカーを受けた。

工藤、市川はニューコンパウンドのタイヤになってから初のウェット走行に近い状況。しかしそんな言い訳などするわけもなく果敢に挑んでいく。難しい状況の中、序盤はタイヤの感触を探りながらの走行。後半になりラインの変更やブレーキングの調整、スリップを利用しながらタイムアップを試みるが、悔しくも45秒台でチェッカーを受けた。

Rd.2で2番手フィニッシュと好成績を収めていた浅井、前日の練習走行の際エンジントラブルが起きていた。幸いオイルが漏れたりする故障ではなかったが、パフォーマンスは落ちてしまう内容であった。載せ替えが望ましい状況であったが、スペアエンジンがなく現状での走行を余儀なくされた。そんな状況の中、ボトムスピード重視の走りと総合力の高さをみせ9番手でチェッカー。

<決勝>

気温24℃と前日と比べると10℃以上涼しい。予選の路面はウェットであったが、決勝までの数時間でドライ路面に変化。予選では悩まされたドライバーたちも、ドライでの巻き返しに期待が高まる。

86/BRZレースで十勝に訪れていた鶴賀選手も応援に駆け付けてくれた。

各選手自らのグリッドにマシンを収め、精神を統一する。

20台すべてのマシンがフォーメーションラップを終え、グリッドに着く。シグナル点灯、消灯と同時に各車スタートを決める。順当に1コーナーへ進入するかと思いきや、2番手スタート#778大島選手がシフトミスにより5番手まで後退。6番手スタートの佐藤とサイドバイサイドの状態で1コーナーへと進入する。その後も距離が近い状態で走っていたが最終コーナー立ち上がりで佐藤のマシンが片輪コースアウトしてしまいペースダウン。後ろから迫っていた#77村上選手が半車体前に出るがサイドスリップにしっかり入りホームストレートで佐藤が抜き返し前へ。

前方では徳升選手・上野・坂本選手・四倉選手・大島選手がトップ争いを至近距離で展開している。佐藤は先頭集団がペースの上がらないうちに追いつきたいところ、3周かけじっくりと差を詰め4周目の第4コーナーでついに追いつく。先頭集団最後尾の坂本選手にプレッシャーをかけ続けチャンスを伺う。最終コーナー手前で射程圏内に入り、立ち上がり重視のコーナリングでスリップへ、ホームストレートで坂本選手をパスし5番手に浮上。その先では四倉選手・大島選手が激しい3番手争いを展開しておりペースがダウン、2台の後ろに張り付きプレッシャーをかけながらタイミングを伺う。またもや最終コーナー、激しく争う二台と少しスペースを空け完全立ち上がり重視のコーナリングでスリップに入る。ホームストレートで二台をパスし3番手まで浮上し、1コーナーへ進入。少し離れた先頭では、徳升選手と上野が激しいトップ争いを繰り広げている。バトル中はどうしてもペースが落ちてしまうため、3番手を単独走行している佐藤は少しでも早く前方二台に追いつき勝負を仕掛けたいところだ。ホームストレートで2台に並びかけるも順位変わらず2コーナーへと進入、ここからというところでだれも予想していなかったSC(セーフティーカー)が入ってしまう。残り3周までSCが入り解除、全車間隔が詰まっているためここからのワンミスの影響はかなり大きいというとてつもない緊張感の中レースが再開。最終コーナーからの立ち上がりを得意とする佐藤は、先頭2台にバトルを展開させホームストレートで2台をパスすることに成功、ここで遂に1番手へ浮上。最後までポジションを守り切り、先頭でチェッカーを受けた。

3番手スタートの上野はスタートを決め、2番手の大島選手がシフトミスにより後退した為2番手で1コーナーへと進入。先頭徳升選手とはFCR-VITA初戦でも先頭バトルを繰り広げており、上野は何としてもリベンジを果たしたいところだ。2周目までなかなか距離が詰まらなかった上野だが、3周目の2コーナーで徳升選手がやや大きめのオーバーを出しすかさず距離を詰めることに成功。その後も先頭2台の激しいバトルは続き、上野が先頭になったタイミングでSCが入ってしまう。残り3周でSC解除、全車両距離が詰まり、トレイン状態でレースが再開する。先頭の上野はスリップに入れないため1コーナーで2番手徳升がインを刺す、SC前同様やはりこの二台の激しい戦いは続く。最終コーナーを立ち上がりストレート、上野は先頭の徳升選手をオーバーテイクし1番手かと思いきやさらに外側からチームメイトの佐藤が先頭二台をオーバーテイク、レース終盤で佐藤→上野→徳升の順となり1コーナーを抜けていく。その後、前を走る佐藤の背中を追いたいところだが後ろからプレッシャーを放つ徳升を抑え2番手でチェッカーを受ける。

エンジンが不調の浅井。スタート後#55後藤選手にパスされてしまうが、後ろにつきチャンスを伺う。浅井を追いかけるかのように、後ろを工藤・市川が続く。トレイン状態のまま2周目に入った第2コーナーで#55後藤選手の幅寄せにより浅井がスピン、バートン選手→工藤→市川→平中選手の4台が集団になりレースを展開していく。2周目でスピンしてしまった浅井、決してレースを諦める姿勢を見せることはなかった。一度最後尾まで落ちたものの不調のエンジンでありながら、ボトムスピード重視の走りで不調を感じさせない走りを魅せる。6周目で12番手を走行している#95澤田選手をロックオン、8コーナーで澤田選手のインに飛び込み12番手にポジションアップ、ここからというところでSCが入ってしまう。SC解除後果敢に仕掛けるも前を走る市川をパスし11番手でチェッカーを受けた。

一方4台の集団でレースを繰り広げていた工藤・市川、工藤は前方を走るバートン選手の背後から常にプレッシャーをかける走り。後方には市川・平中選手が続いており無理に仕掛けペースを落とすわけにもいかず慎重にタイミングを狙い続ける。後ろを走る市川も平中選手からのプレッシャーを感じながらチームメイトの工藤に続く。工藤は前方を走るバートン選手ようやくパスし市川も続きたいところであったがここでSCが入ってしまう。工藤→バートン選手→市川→平中選手の順となった。

SC解除後、工藤は前方を走る後藤を捉えたいところであったが2周では追いつけず3ポジションアップの8番手でチェッカーを受けた。市川はSC解除後、前を走るバートン選手にプレッシャーをかけ続ける、ストレートでスリップに入るもストレートで劣ることをわかっている市川は無理することなく後ろにベッタリくっついている。パスし浮上したいところであったが、8コーナーでラインを乱してしまい後ろを走る平中選手とチームメイトの浅井に前を許してしまう。巻き返しを図るがコントロールラインは目の前、12番手でチェッカーを受けた。

第1戦、第2戦を経て迎えた第3戦。はじめてのウェットで迎えた予選、SCが長時間入る難しいレースであったが熱い戦い、劇的なドラマを魅せてくれた。この経験をバネにKoshidoRacinngの面々はこの先も成長し、お互いを高め合う強いチームとなり上位独占めがけて走り続ける。

<チームオーナーコメント>

レースウィーク前より車検を厳しくするという話がありましたので、事前にメカニックへ車両に不適切な部分がないかの確認を打診しておりました。結果、スロットルバルブの変更で失格という形となり寝耳に水の状況ではありましたが、ドライバーでありチームオーナーでもありますので今回の結果をしっかり受け止め次に繋げなければならないと思っています。

レースはルールに則るのが大前提として、レース前車検での項目を増やし事前に改善要求ができるようになるとよいのではないかと感じます。レースまでの運営時間や、人員など様々な制約の中ではあるので現時点ではやむを得ないと思います。

今回失格となってしまいましたが、本州から参戦しているドライバーの方もいたためとても走りごたえのあるレースとなりました。VITAの絶対的王者の一人でもある徳升選手が参戦しており、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットにおいては完敗を喫しています。今回は私のホームコースである十勝スピードウェイでのレースのため、徳升選手の壁になりたいという気持ちを強く持ち走りました。結果二人とも失格になってしまいましたが、バトル自体は非常にクリーンかつ白熱した戦いであり最終的に私が前でチェッカーを受け十勝スピードウェイ最速の座を守ることができました。

今レースでの様々な結果を糧に、ドライバーとしてチームとしてレベルアップを目指し頑張りたいと思います。引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします。