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2024.10.30 Fuji Champion Race Series 2023 FCR-VITA MEC120/KYOJO CUP Rd.2 RACE REPORT

Fuji Champion Race (以下FCR) -VITA MEC120/KYOJO CUP Rd.2

開催日時:2023年7月22日(土)~7月23(日)

開催地:富士スピードウェイ レーシングコース(静岡)

FCR-VITA MEC120ドライバー:
佐藤 元春・鶴田 哲平、RINA ITO・織戸 茉彩、兼松 由奈・工藤 大祐

KYOJO CUPドライバー:RINA ITO、織戸 茉彩、兼松 由奈

マシン
恒志堂レーシング レブニーズVITA
恒志堂レーシング CLASS VITA
恒志堂レーシング YOSHIMI VITA

参戦クラス:FCR-VITA MEC120、KYOJO CUP

天候
FCR-VITA MEC120:予選/晴れ、決勝/曇り
KYOJO CUP:予選/晴れ、決勝/晴れ

路面
FCR-VITA NEC120:予選/ドライ、決勝/ドライ
KYOJO CUP:予選/ドライ、決勝/ドライ

戦績(FCR-VITA MEC120)
佐藤 元春・鶴田 哲平   予選:10/27位 決勝:6/31位
RINA ITO・織戸 茉彩    予選:25/27位 決勝:16/31位
兼松 由奈・工藤 大祐   予選:19/27位 決勝:22/31位

戦績(KYOJO CUP)
RINA ITO   予選:10/22位 決勝:7/21位
織戸 茉彩  予選:20/22位 決勝:17/21位
兼松 由奈  予選:17/22位 決勝:16/21位

昨年に引き続き、KOSHIDO RACINGは今年も富士スピードウェイ(以下、FSW)で開催されるFCR-VITA MECに参戦。レースの正式名はMEC120と称され120分、すなわち2時間の耐久レースとなる。7月には鈴鹿でも開催され、KOSHIDO RACINGからは15号機がエントリー。年に一度の走行にも関わらず15号機が入賞目前の成績をおさめている。

今回のFSWにはシーズン参戦している15号機、35号機、610号機3台全てのエントリーとなった。

ドライバーは15号機にチームオーナーの佐藤元春と、その相方には鈴鹿に引き続き鶴田哲平を起用。35号機は女性タッグとしてKYOJO CUP参戦中のRINA ITOと織戸茉彩が搭乗。610号機は今季FCRとKYOJO CUPにダブルエントリーしている兼松と、北海道クラブマンカップレギュラー参戦中の工藤大祐が参戦となった。

<FCR-VITA MEC120予選>

予選は9時5分から、各車新品タイヤでのスタート。

15号機は佐藤が1人で担当。鶴田は出走せずピットから佐藤の走りを見守る。

アウトラップを終え、前車のスリップストリームからスタートする絶好のアタックラップ。TGRコーナーにて若干ブレーキングでの深追いがあり、オーバーを出しつつもきれいなラインで立ち上がる。その後もアグレッシブな走りを展開する佐藤。タイヤの熱入れが済んでグリップが安定してきたためか挙動の乱れは次第になくなり、本腰を入れてアタックラップ2周目へと突入。セクター3はわずかなスリップアングルをうまく使いロスなく立ち上がる。

良いペースでアタックを続けていたが、コカ・コーラコーナー上にストップしてしまった他車の影響によりレッドフラッグ掲示。余儀なくピットに戻る。その後予選が再開。エントリー台数が51台にも及ぶ富士のMECだけあり、リスタート後のコース上は大混雑。前方も勿論詰まるが後方から迫るvGranzにも注意を払わなくてはならないため、なかなかペースを上げるに至らない。群衆が少し掃けてきたところでアタックを再開するが、気温の上昇もあってかタイムは伸び悩む。最終的なタイムは3周目に記録した2分00秒963でクラス10番手につけた。

35号機は先にRINA ITOがコースイン。姿勢を破綻させることもなく、きれいにマシンを走らせる。操作が非常に丁寧でコース幅も目一杯使い、目立ったミスなく走行を続けた。2周目に2分3秒508をマークし、3周目には2分2秒875と順当に削っていく。最終的なタイムは2:02.770でクラス25番手となり、レッドフラッグのためピットへ帰還。予選再開時に残り12分ということもあり、ここで織戸にドライバーチェンジとなる。

織戸は冷静に周りを見つつ、アウトラップを慎重に走る。参戦2年目でVITA-01の動きにも慣れてきた織戸。最終コーナーで一瞬乱れかけた姿勢をすばやく適正な量のカウンターでリカバリーし、ホームストレートに向かって立ち上がる。この辺は父親譲りのドライビングセンスであろう。走行開始から12分間という限られた中でのアタックで2分5秒296をマーク。全体的には概ねミスのない走りでまとめ上げ、予選終了間にはベストを若干短縮。2分4秒648を記録した。

610号機は兼松が担当。積極的にシミュレーターを活用し、VITA-01を乗りこなすべく精進し続けている。2周目に2分3秒692をマークした後は 6周目に2分3秒164、

7周目には2分2秒437と着実に記録を削っていった。最終的にはこのタイムがベストとなり、先輩ドライバーであるRINA ITOを上回る成果をみせた。

工藤は予選では出走せず、ピットで兼松のアタックを見守る。FSWでの公式戦が初となる工藤は今年の3月に仕様変更されたタイヤテストに合流して以来の走行となることから、やはり地元十勝スピードウェイ同様に攻め込むには時間が短すぎ、兼松に託す形となった。

予選タイム

・佐藤 元春   2’00.963
・RINA ITO    2’02.770
・兼松 由奈   2’02.437

 

<FCR-VITA MEC120決勝>

正午近くの炎天下の中、2時間の戦いはスタートする。

ホームストレートに並ぶ佐藤が搭乗する15号機はクラス10番手からのスタート。すぐ前のグリッドには兄弟チームの32号機ビーフラット号がいる。

11時45分、レース開始。ゆっくりとフォーメーションラップがスタートする。総勢何台ものマシンが連なりコース上は大混雑の様相。ホームストレートに戻った各マシンが一斉にスタート。TGRコーナーの飛び込みまで特に混乱もなく、順当なローリングスタートと言える。やはりスタート直後は混み合い、順位が目まぐるしく変わる。さながらスプリントレースのような展開を見せる。レース序盤、群衆に呑まれつつも隙を見て前車をパスする機会を伺う。3周目あたりから少しずつ隊列がばらけ、少し前との間隔が開くが、TGRコーナーのブレーキングで一気に詰めると言う展開。1周トータルではほぼ差が変わらないまま全開走行が続く。

数周を重ねても依然としてテールトゥーノーズのスプリントレース同様の展開。ホームストレートでスリップストリームに入り、14号車をパス。後方から来るvGranzをパスさせると同時にTGRコーナー進入のブレーキングで前車に並びかけ、プレッシャーを与える。但しパスさせる際はタイミングが重要で、そこを見誤るとライバルたちに簡単に抜かれてしまう。

後半にもなると、佐藤の走りは磨きがかかっていく。これまでアンダー気味で進入していたコカ・コーラコーナーもレコードラインを毎周正確にトレースするようになり、セクター3での挙動の乱れもほぼ見られなくなる。他車がvGranzと絡み大きくラインを外す中、的確なタイミングとベストラインをトレースしながら少しずつ順位を上げていく。

レースは1/4ほどを消化し、各チームピット作業が始まる。この頃佐藤は16周を終え、9位につけていた。23周を終え、鶴田にドライバーチェンジ。

鶴田は危なげない走りでvGranzをパスさせつつ、淡々とラップを重ねていく。一旦は前に出られた880号車をピタリとマークし、長きにわたってバトルが繰り広げられる。耐久でありながらもはやスプリントと言える走りを見せる鶴田。とにかくCS2クラスをパスさせるタイミングが絶妙で、それをうまく利用しながら前との距離を詰めていく。ここは多種多様なクラスが混走するスーパー耐久のドライバーとして参戦していることもあり、センスに長けている。安定の走りで第2スティントを引っ張り、第3スティントは再び佐藤へ。ピットアウト後まもなく数台のVITA-01とvGranz1台との絡み。そのvGranzのコーナリングスピードが遅く、ストレートで前に出られてはコーナーで詰まるという展開に手を焼く佐藤。そして、2周ほどが経過したところでのTGRコーナー進入。ブレーキングにて車速も十分に落ち、ターンインを始めた佐藤のイン側に明らかなオーバースピードで飛び込んできたvGranzは15号機の右サイドに接触。幸い15号機に大きな損傷はなかったが、飛び込んできたvGranzのカウルはコーナー立ち上がりで宙を舞い、コース上に散乱した影響でSC導入となる。

MECほどのエントリー台数ともなるとPro・Ama様々なドライバーが参戦しており、技術の差はまちまち。FCRをはじめGTワールドチャレンジやフェラーリチャレンジなど、FSWでの参戦歴も長くなった佐藤であったが、今回のようなトラブルは初めてである。

それにしてもSC中は大混雑。出走台数が50台も超えてくると隊列は長くなり、所々で止まってしまうことも。さながら東名高速の渋滞のようであった。落下したパーツの回収は長引き、SCも解除されることなく、佐藤はそのままフィニッシュを迎えることとなる。佐藤・鶴田組はクラス6位でレースを終えることとなった。

35号機のスタートはRINA ITOが担当。クラス25番手からの巻き返しを図るべく前走車のペースにうまく合わせてアクセルコントロールし、コントロールラインを越えると同時に一台パスするという絶妙なスタートを決める。

その後はRINAが得意とするスタート直後のTGRコーナー進入。臆することなくブレーキングで飛び込み、あっさりともう一台をパスした。

その後もVITA-01とvGranzが入り混じる周回の中、前と後を冷静に見極め、確実に1台ずつパスしていく。その後は同じKYOJOドライバーである213号機バートンハナ選手とのバトル。ストレートが速い213号機にベストな走行ラインで応対するRINA。しかし日本一ストレートが長いFSWでは最高速に勝るマシンが絶対的な強さを持ち、先行を許す。

数周の単独走行を挟み、さらに一台をパス。次のバトル相手となったのはチームメイト610号車の兼松。姉妹バトルが展開される。35号機がスリップストリームから出てTGRコーナー進入のブレーキングで前へ、その後610号機がクロスラインでTGRを立ち上がり前に出るという展開を繰り返す。vGranzも絡みはじめ、後方を警戒しながらつつも姉妹同士のバトルは続く。しかし、勝敗を決する瞬間はいきなり訪れた。610の兼松が最終パナソニックコーナーを前にブレーキングしつつアウト側へマシンを寄せた際、マシン左側をコース外に出してしまい芝に足元をすくわれスピン。背後につけていたRINAは余儀なくさらに左のランオフへとマシンを寄せてパス。好バトルを魅せた姉妹の戦いはあっけなくその幕を下ろした。

ここからまたしばらくの単独走行に入る35号機。順位変動もなく、耐久ならではの淡々とラップを刻む走りに徹しするRINA。26周を終え、織戸にドライバーチェンジ。

KYOJO CUPレギュラードライバー2年目でVITA-01ドライブにも慣れた彼女であるが、この日のマシンの動きを確かめつつ慎重にコースイン。完走することが前提の耐久レースではこの慎重さが最も重要である。ピットアウト後すぐに後方から何台も迫りくるCS2クラスに的確に進路を譲り、確実に周回を重ねていく織戸。そのドライビングはマシンに負担をかけないやさしい走り。ここも耐久レースを戦い抜く上では非常に重要なポイントとなる。

コカ・コーラコーナーでスピンすることはあったが、冷静に周りを見て問題なくコース復帰。その後は単走が続き、ミスやトラブルなく着実にラップを重ね、再びRINAへとマシンを託した。

ピットアウト時、なかなかエンジンスタートしない小トラブルはあったが、大きなロスには至らずRINAがコース復帰。アウトラップのダンロップコーナーで鶴田が乗る15号機に前を譲り、その後は追走へ。しかし、程なくしてそのままSCが入り、長いスロー走行の末にRINAがチェッカーを受けることとなる。RINA・織戸のKYOJOコンビはクラス16位でレースを終えた。

610号機はスタートに兼松を起用。クラス19番手からのスタートで危なげなく、かつアグレッシブな走りで前を行くライバルに食らいつく。予選タイムに対し、1~2秒ほどのマージンでレースペースをつくっていく。ただ、普段はここまでのエントリー台数の中で走ることはなかった兼松。混雑するコース内でやや群衆に呑まれつつあり、少しずつ順位を下げる展開に。走行しているうちに姉貴分のRINAが後方から迫り、身内同士のバトルへ突入。兼松も良いペースで走っていたが、ここはレース経験に勝るRINAに軍配が上がった。

工藤は序盤のラップ平均が2分5秒前半というペースでレースを展開。しかしベースにVITA-01の経験がしっかりと敷かれており、FSW走行もこのレースを通して経験値が蓄積されていくことによりラップを追うごとに走りの精度が増していく。それは数字として如実に現れ、スティントの後半には序盤のペースから1秒ほど速くなっている。元々VITA-01の動きを理解しているだけに、今回のMEC120への参戦を通しただけでも大躍進したといえる。610号機は兼松が経験の少ない工藤を引っ張る形となったが、完走車両の中では最も後方でのゴールとなった。最終スティントでは再び工藤にステアリングが託されたが、コースインと同時にSC導入。思うような活躍ができないままチェッカーを受けることとなってしまった。ただ、それぞれの走りから経験値に基づく速さは実証されている。あとは実戦の蓄積とミスのない走りでまとめ上げることができればおのずと成果はついてくるであろう。

 

<KYOJO CUP Rd.2 予選>

前日のMECに引き続き好天に恵まれたKYOJO CUP当日。ドライバーは日頃よりFCR-VITAにもダブル参戦しているケースも多く、新人からベテランまでめきめきとその頭角を現し、並み居る男性ドライバーの中に交じってもその存在感を増している。

15号機はベテランRINA ITOが搭乗。コースイン後、彼女にしては珍しく慎重な滑り出し。しかしその勘が当たってか、アタックラップ1周目は前を走る数台がTGRコーナーで早くもオーバーランやアンダーステアでラインを外す事態。これを無理なく冷静にパスし、徐々にペースを上げていく。最初のアタックは2分2秒154 。

35号機の織戸は相変わらず慎重な走り出しであるが、前日にかなりの時間走行していたこともあり、これまでのKYOJO CUPの予選よりも早い段階でタイムアップを果たす。序盤で2分4秒340をマークした。

610号機の兼松は最初のアタックラップで2分4秒706からのスタート。上位勢3台は2周目で2分フラットをマークしてくる。この時点で強豪三浦選手、翁長選手はまだ出走していない状況。

4周終わってRINAが2分1秒945で7番手。5周目で少し縮めて2分1分654へ。

兼松は2分3秒019。織戸も2分3秒889と縮めてくる。

5周終わって平川選手が1分59秒777でトップに躍り出る。次いで三浦選手の1分59秒896、翁長選手は1分59秒966と、ここまでが1分59秒台で以降より2分フラットのタイムが続く。兼松は少しづつタイムを削り取り、2秒台へ。ここで2分2秒486の17番手。織戸は2分3秒889からタイム短縮ならず21番手で予選を終える(他車の失格により織戸は正式リザルトで20番手へ)。

8周終わってRINAは2分1秒509と若干短縮したが、周りのライバルたちのタイムアップが顕著で10番手となる。その後ラストアタックを試みたが、RINAとしては珍しくダンロップコーナーでスピンを喫し、そのままピットへ。直後にここでレッドフラッグが掲示され、予選時間残り20秒でセッションはそのまま終了となった。

 

<KYOJO CUP Rd.2 決勝>

年々エントリー台数が増えているKYOJO CUPは今回21台がスターティンググリッドに並んだ。KOSHIDO RACINGは10番グリッドにRINA ITO、17番に兼松、20番手に織戸という布陣。天候は晴天で、前日のMEC120よりも気温は上昇しており、ドライバーにもマシンにも過酷さが増している。

緊張感高まるスタートも全車クリーンスタートでトラブルなくTGRコーナーへ飛び込んでいく。

RINAは無難にスタートを決め、得意のオープニングラップTGR進入。早速ブレーキングで109号車金本選手をイン側からパスし、9番手へ。続いてのターゲットは225号車の富下選手。仕掛けたのはダンロップコーナー進入のまたしてもブレーキング競争。辛くも前へ出てポジションを8番手とした。2周目のホームストレートではスリップストリームにつかれ、並びかけられるもやはりTGRのブレーキングでポジションを死守。立ち上がり、クロスラインで一旦前に出られるがイン側をキープし、コカ・コーラコーナーに向けて並走状態。そのままイン側で再び前に出た。そのままアドバンコーナーにもつれ込むが、前方をゆく車両同士が接触し1台がランオフエリアに弾かれる。これを横目にさらに1ポジションアップし7番手となる。続く300R後のブレーキングでは36号車岩岡選手に並びかけ、ダンロップS字2個目の左で前へ。ここで6番手と順調にポジションを上げていく。しかし抜かれたライバルたちも黙ってはいない。3周目ホームストレートでダブルスリップから富下選手が抜け出し、一気にRINAの前へ。同周のダンロップコーナー進入では岩岡選手にイン側を陣取られ、前に出られたことで8番手に後退してしまう。その後ミスなく走り続けていたが前との差が詰まることなく、他車のペナルティ消化の間にワンポジションアップしたことで7番手へ。87号車の山本龍選手がすぐ後方にまで迫ってきていたが何とか逃げ切り、7位でフィニッシュした。

兼松はスタートで回転数を抑え気味にしてクラッチミート。これが上手くかみ合い、TGRコーナー進入までに前方集団を抜ける間合いに捉える。そしてブレーキングでは肝の据わった飛び込みを見せ、スリーワイドの状態からアウト側の213号車バートン選手をパス。しかしコカ・コーラコーナーまで並走のままもつれ、一瞬前に出られるも再び100Rで前へ。序盤から力強い走りを披露する兼松。その後も前後を介して激しいバトルが続き、34号車井下選手、28号車樋渡選手、24号車藤島選手、38号車佐々木選手とポジション争いを展開する。その中でラインの自由度を度々制限されたことでライバルたちから一歩引けを取ってしまった兼松はずるずると後退し、ポジションは6周目終了時点で16番手に。途中、86号車にドライビングスルーペナルティが科せられたことにより一時的にポジションアップしたが、永井選手の猛烈な追い上げにより8周目にパスされ、ワンポジションダウンの17番手となった。久しくすぐ前を走行するライバルがおらず単走状態が続いていたが、18号車坂上選手のマシンにトラブルが発生し、その間に16 番手へ上昇。チェッカーを受けた。

織戸はスタート直後より混み合う前方の集団をやや後方から様子を見るように走り、隙を狙う。オープニングラップの最終コーナーで7号車おぎねぇ選手が上手くスピードを乗せられなかったところを見逃さず、すかさずスリップストリームから前に出てワンポジションアップ。その後また少し前との間隔が空いていたものの、激しいバトルが展開されていることを見ていた織戸は焦らず自身のドライビングに集中。するとほどなくして容易に前方集団のすぐ後ろにつけた。しかしそこからなかなか差が詰まらない。TGRコーナー進入でのブレーキングから立ち上がりにおいては前との差を詰めるものの、トータルではほぼ前と変わらぬラップタイムを刻んでいた。途中、86号車のドライビングスルーペナルティにより一時は18番手に上がったが、永井選手の猛烈な追い上げにより7周目に再び19番手となる。しかしその次の周で18号車坂上選手のスローダウンにより再び18番手、さらにその次の周回ではホームストレートで28号車樋渡選手のスリップストリームからアウト側へ、そこから得意のTGR進入ハードブレーキングにて一気に抜き去り17番手へとポジションを押し上げた。

1レースを通してのミスなく且つアグレッシブな走りは織戸の成長の証。そのままポジションキープで過去最高順位でのフィニッシュとなった。

昨~今シーズンにかけて上位陣の顔ぶれが固定されつつあるKYOJO CUPであるが、過去に2位表彰台を獲得しているRINA、一発のラップタイムでは上位陣に十分食い込める兼松、この第2戦において目覚ましい成長を遂げた織戸と、KOSHIDO RACINGの三姉妹にはこれから期待と希望に溢れている。さらなる躍進を見せてくれることは間違いないだろう。