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2017.10.30 北海道クラブマンカップレースRd.4 VITA-01 RACE REPORT

 

北海道クラブマンカップレースRd.4 VITA-01

開催日時:2017年10月15日(日)

開催地:十勝スピードウェイ(北海道)

ドライバー:佐藤 元春(#610)、大島 雄一郎(#310)、中川 隆吾(#712)

マシン:恒志堂レーシングVITA1号機、2号機、3号機

参戦クラス:北海道クラブマンカップレース (VITA-01クラス)

天候:予選/晴れ

決勝/晴れ

路面:予選/ドライ

決勝/ドライ

 

佐藤元春  予選:2/15位 決勝1:4/14位 決勝2:5/15位

大島雄一郎 予選:11/15位 決勝1:リタイア 決勝2:11/15位

中川隆吾  予選:6/15位 決勝:6/14位 決勝2:6/15位

 

十勝スピードウェイで行われるJAF公式レース、北海道クラブマンカップはいよいよ最終戦を迎えようしていた。

Koshido Racingシリーズ戦デビューイヤーも今思えば、あっという間であった。

今回は8月20日の特別戦以来のレースとなる中川隆吾が712号車のシートに座り、それ以外の変更点は無く、610号車にチームオーナーの佐藤元春、310号車は大島雄一郎が担当した。

第3戦を終えてのポイントランキングは、41p の#11さくら眼科十勝スクールVITA今野訓昌選手がトップ。

以降、36pの#88OPTech☆東北海道ヤナセVITA坂野研選手、35pの#3さくら眼科☆2000Racing01古井戸竜一選手、33pの#610佐藤、5位に28pの#61HDC 日本平中自動車VITA平中繁延選手となっている。

決勝レースは10月15日に2回有るため、シリーズ優勝のチャンスはまだ佐藤にも十分残っていた。

 

<DAY1> 10月13日(金)練習走行

当日は3本の練習走行があり、参加したドライバーは佐藤と中川であった。佐藤は、エンジンテストや足回りのセッティングを見直し、更なる速さを追及していく。

最終戦ということもあって、並々ならぬ意気込みがタイムからも感じられた。

中川は佐藤のセッティングを参考に、久しぶりの712号車の感触を確かめつつ、自分好みの仕様へと変更を加えていく。

この日のコンディションはとても良く、特に中川は異様な光を放っていた。

徐々に自己ベストを更新していき、最終的には、佐藤のベストタイムから約0.5秒遅れとなっていた。

佐藤もこれには驚き、チーム戦を意識した戦術も取れるため、我々は大いにレースに期待を膨らましていた。

 

練習走行結果

佐藤元春: 1’34.452

中川隆吾: 1’34.987

 

 

 

 

<DAY2> 10月14日(土)特別練習(合計4本)

この日も天候に恵まれ、絶好の練習日和となった。1本目の練習走行でKoshido Racingドライバー達はこの日のベストタイムを出した。残念なことに、2本目以降のセッションは気温路温ともに上昇してしまったため、タイム更新はならなかった。

ライバル勢のタイムが気になるが、計測器を搭載しての走行ではないため正確なタイムは分からない。だが、ストップウォッチで計測した結果、明日の予選と決勝は僅差のバトルになりそうな気配を感じた。

佐藤のマシン(#610)は、水温が少し上がったまま下がらない状態が続いており、マシンのポテンシャルを十分に発揮できないでいた。そこで、マシンの通気口を大きくし、内部の風通しを良くさせ、水温調節を行う。中川はこの日も佐藤のタイムから大きく離されることもなく、すこぶる調子は良さそうだ。

そんな中、練習走行2回目に、この日から参加した大島はマシン左リヤ部分をコース脇のガードレールに接触し、マシンにダメージを負わせてしまい、すぐさまピットインし、メカニックたちの懸命な修復作業により、コースへと送り出す場面もあった。

大島は終始、コーナー出口のアンダーステアに悩まされていた。3、4本目の練習走行は各ドライバー、タイヤの内圧チェックを合間合間に行い、明日の予選決勝時の内圧の数値を決めていく。

 

特別練習走行結果

佐藤元春:1’34.096

大島雄一郎: 1’36.159

中川隆吾: 1’35.169

 

 

 

<DAY3> 10月15日(日)予選(8:00~8:20)

普段のレースウィークとは違い、予選と決勝のスタート時間がいつもより早い第4戦。

寒々と乾燥している空気のおかげもあって、いつもよりVITAのエンジン音が大きくサーキットにこだまする。緊張している大島と中川に佐藤がゆっくりと歩み寄り、それぞれ一言語り、緊張をほぐす。そして、予選はスタートする。

チームの作戦通りに、佐藤は中川の真後ろについてコースイン。後半、中川のスリップストリームを使い、ベストタイムを狙う作戦だ。

そして、予選は中盤を迎えたところで佐藤は動く。7周目に入ったと同時に、ホームストレートで中川が佐藤に進路を譲り、佐藤のアタックが開始。

スリップストリームを活用する作戦が功を奏し、一発目で見事一番時計を刻んだ。ライバル勢も自己ベストやセクターベストを出すも佐藤の驚異的なタイムを更新できないでいた。

佐藤も燃料が軽くなった状態で更にタイムを縮めようとするも、中々クリアラップが取れないでいた。

そんな中、タイムが伸び悩んでいた#61HDC 日本平中自動車VITA平中選手がベテランの意地を発揮し佐藤のタイムを上回ってきた。

佐藤も何とかクリアラップを探すも万事休す。佐藤は2番手に終わった。

大島は最終ラップに自己ベストを更新。昨夜、佐藤から教わったアドバイスがタイムアップに繋がったようだ。

中川は佐藤に進路を譲った後も、自己ベストを更新しようと意地の走りを見せる。

8周目あたりから、タイヤのグリップダウンが感じられ、前を走る佐藤の姿も徐々に小さく見えるようになってしまった。

そんな悔しい状況のなかでも、リズムを崩さぬようラップを重ねていった。

 

 

10月15日(日)決勝1(9:50~、10LAP)

レース直前、大島に予期せぬ不運が襲い掛かる。各車スターティンググリッドに着く中、大島の姿が見えない。エンジンがかからず未だピットの中にいた。

エンジンがかからず、無情にもセルの回る音だけがピット内に響き渡る。燃料系のトラブルにより大島はここでリタイアとなった。

大島がいない中、レッドシグナルが消灯し、レーススタート。スタート直後、佐藤は2位をキープするも4コーナーで#11さくら眼科十勝スクールVITA今野訓昌選手にインを刺された。

そこから佐藤はリズムが狂ってしまい、#3さくら眼科☆2000Racing01古井戸竜一選手、#88OPTech☆東北海道ヤナセVITA01坂野研選手にオーバーテイクされて5位に陥落。

佐藤、中川の順で周回を重ねる。

6周目に差し掛かったところで、古井戸選手が坂野選手の執拗な仕掛けに根負けし、2コーナーでスピン。古井戸選手は中川の後ろでコース復帰し、佐藤と中川はそれぞれ4,5位に順位を上げる。

佐藤の前は坂野選手。坂野選手は佐藤が記録したファステストラップを更新し、なおも自己のファステストを更に塗り替え2位の今野選手を追いかける。

佐藤はタイヤのグリップダウンを少し感じるようになり、坂野とのギャップを空けられてしまう。

レースは終始#61HDC 日本平中自動車VITA平中繁延選手がリード。62歳とは思えない見事なポール・トゥ・ウィンでレース1が終了となった。

中川は後半、古井戸選手を抑える堅実な走りをみせていた。

しかし、古井戸選手のペースが良く、中川はその猛プッシュに圧倒されてしまい、ファイナルラップのホームストレートで自身の5位の座を明け渡してしまった。

 

 

 

10月15日(日)決勝2(12:05~、10LAP)

いよいよクラブマンカップレースもラストレースとなった。決勝レース1でリタイアしてしまった大島のマシンは、何とかスタートに間に合い、チームも一安心した。

スターティンググリッドは決勝1のベストラップ順でスタートとなるため、佐藤と中川はそれぞれ4位、6位、大島は最後尾の15位からのスタートとなった。

フォーメーションラップが終わり、シグナルがブラックアウト。

#11今野選手が佐藤を1コーナーでアウト側から抜き去り、続く2コーナーでは、#3古井戸選手をもオーバーテイクする。

佐藤は前をいく古井戸選手は勿論、2位の#61平中選手や3位の#11今野選手もはっきりと目に見える位置までいるが、オーバーテイク出来るチャンスが全くない、歯がゆいレースを強いられた。無線でメカニックの熊崎から「元春さん、もっと行ける、まだまだ行ける」と、熱い言葉を掛けられる場面も有り、最後の1周まで全開でプッシュしていく佐藤であった。

中川はスタートで出遅れるが順位に変動は無く、6位のまま周回を重ねていき、コンスタントに1分35秒台のラップを重ねる力走を見せた。

大島は難なく周りのライバル勢を交わし、最終的には#18さくら眼科☆OWLwithRS-a01古井戸彩子選手のミスで11位に順位を上げる。

そして、ファイナルラップでは自己ベストを更新する走りを見せ、チェッカーを受けた。順位は満足のいく内容ではないものの、今までのレースの悔しさを最後のこの1周に込めたように感じられた。

レースはポールポジションからスタートした#88坂野選手がファステストラップを記録しながら独走状態を築き、そのままフィニッシュ。

Koshido Racingの長いシリーズ戦が終わった。

 

今回のレースでは、タイヤテストはもちろん、あらゆるデータを取った上での決勝レースに挑むも、ライバル勢の巧みな駆け引きやレースで相手を抜くまたは抜かせないドライビングスキルに完敗でした。

特に佐藤に関しては、一発の速さは全く負けておりません。しかしながら、レースになると、レース経験の差が如実に表れる結果となりました。

来シーズンはその部分を強化し、レース上のバトルで勝つことが出来るように、日々のトレーニングに励んでいく所存でございます。

皆様から頂いたご支援とご声援には感謝の気持ちでいっぱいで、来シーズンは今年よりもさらにKoshido Racingはパワーアップしてまいりますので、引き続きサポートをお願いしたいと思っております。

そして、少しでも皆様に対して恩返しができるよう結果で応えてまいります。今回ご支援、ご声援いただきましたすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。

Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

2017.10.25 Fuji Champion Race Series Rd.3 FCR-VITA&Fuji Champion Race Series Rd.2 KYOJO-CUP RACE REPORT

Fuji Champion Race Series Rd.3 FCR-VITA

Fuji Champion Race Series Rd.2 KYOJO-CUP

開催日時:2017年9月16,17日

開催地:富士スピードウェイ(静岡県)

FCR-VITA

ドライバー:佐藤 元春(#610)、久保 拓也(#310)、竹谷 和浩(#712)

KYOJO-CUP

ドライバー:高橋 純子(#610)

 

マシン:恒志堂レーシングVITA、恒志堂ホクアイ・ベッツVITA、恒志堂・TMK VITA

参戦クラス:Fuji Champion Race Series (FCR-VITAクラス、KYOJO-CUPクラス)

天候:予選/雨

決勝/雨

路面:予選/ウェット

決勝/ウェット

 

≪FCR-VITA≫

<DAY1> 9月15日(金)練習走行

当日は台風18号の影響でウェット走行が心配されていたが、天候は曇りの状態が続き、比較的ドライ走行となった。

久しぶりの富士スピードウェイ走行となる佐藤や久保はコースの感触を呼び起こすことから始める。

そして、富士スピードウェイでの走行が初めてとなる竹谷は、まずコースに慣れることから始まった。

当日の練習走行は、FCR-VITAクラスのみではなく、CARGUY SUPER CAR RACE車両やINTER PROTO車両などの混走であった。

そのため、ドライバーはミラー目視の回数が通常よりも多くなり、レコードラインを走るにも一苦労を要していた。

 

 

≪KYOJO-CUP≫

■ 9月15日(金)練習走行

天候は曇り、路面はドライ。まずは8月13日(日)に十勝スピードウェイで開催された2017十勝夏祭り HKS HIPER Meeting以来の

VITAの感触を確かめる様に1周のウォーミングアップを行い練習走行へ。

まだ感触を思い出せていないVITAでの走行は、スピンが多く、周囲のマシンに気を配るなどでまともに走ることができなかった。

しかしその後は、高橋は別人かと思うほどタイムが上がり、自己ベストを更新。最終的に2’04.98まで縮める。

しかし、ライバル勢もタイムが上がっており、高橋も負けてはいられない。

台風18号の影響か、午前中のセッションよりも風が出てきたように感じた。高橋は思う様にタイムが出ず、2分5~6秒台で推移していく。

そして、2本目の自己ベストを更新出来ないまま、この日の練習走行は全て終えることとなった。翌16日は走行が無いため、中1日でレースを迎える事となる。

 

≪FCR-VITA≫

<DAY2> 9月16日(土)公式予選(8:20~8:40)

前日からの天気予報は見事的中してしまい、台風18号によって、この日は終日ヘビーウェットとなってしまう。

雨の予選で各ドライバーは力走するも、Koshido Racingは上位から5秒以上の差をつけられてしまい、非常に悔しい結果となった。

各コーナーでマシンがスピンしていたりコースアウトしていたが、Koshido Racingチームも例外ではなかった。

その中でも自己ベストを徐々に更新していき、少しでも前へ行きたいというがむしゃらなハートがコースサイドからも見えていた。

 

予選結果

 

 

■9月16日(土)決勝(11:40~12:10)

予選から降り続いた雨は無情にも止まないまま、決勝を迎える。だが、前大会はセーフティーカー先導のまま6周を終えたところでレース中断となった。

今回はそこまで強い雨ではなかったのが、せめてもの救いであった。1周のフォーメーションラップが終了した後、各車一斉にスタート。

佐藤はスタートで後続車に抜かれてしまい、1コーナーへ侵入。久保は前車に追いつくも1コーナーでアウト側に膨らんでしまい、順位を落とす。

竹谷はスタートミスするも周囲のライバル車もスタートに遅れて大きな順位変動は無かった。佐藤は終始、前を行く久保を猛追するレースとなった。

ほぼ毎周ホームストレートで抜きにかかるも、オーバーテイク出来るマージンまでは築けない。

久保も佐藤に抜かれまいとブロックラインを走行し、行く手を阻む。

同じチームメイト同士のバトルはとても興奮するものの、接触が無いかハラハラする場面も有り、オーディエンスを盛り上げてくれたであろう。

竹谷はライバル勢がリタイヤしていく中で着々とポジションアップをしていく。

各ドライバーは予選よりもベストラップを刻むもトップ勢には追いつけず、レースは11周でチェッカーが振られた。

 

≪KYOJO-CUP≫

<DAY3> 9月17日(日)予選(8:30~8:45)

当日のコンディションは連日同様、雨が降り続くウェットコンディションだった。開催ギリギリの雨量で高橋も四苦八苦しながらのドライビングであった。

誰もがスピンやコースアウトする中、高橋は9番手タイムを残した。

トップから約5秒遅れとはなったが、決勝も雨のレースで荒れる可能性がある為、チャンスは大いにあるだろう。

 

■9月17日(日)決勝(12:20~12:45)

コース上に川が流れるほどのヘビーウェットで、第2戦のレースが始まろうとしている。

スタートが得意の高橋。まずは出だしで8番手の#44ACRE☆走る燻製女子VITAを交わし、7位の#739UNI-Techno 渚難済をヘアピンからの300Rで見事にオーバーテイク。

ホームストレートには7位で戻ってきた。そのまま高橋は後続を抑えながら順位を守る我慢のレースが続いた。

このままレースは終了するかと思いきや、6周目の最終コーナーで痛恨のスピンを喫した。14位まで下がってしまったが、

高橋は前を行くマシン2台にプレッシャーを与える。

しかし、7周のレースは高橋がオーバーテイクするまでの時間は残っておらず、僅差でレースを終える事となった。

 

今回のレースでは、前戦のウェットレースの経験やデータをもとに戦うも、良い結果を残すことが出来ませんでした。

しかしながら、ドライやウェットの経験値も上がり、有効なデータも更に上書き出来たため、最終戦のレースに向けて万全の準備が出来たと自負しております。

次戦は10月28、29日、最終戦を残すのみとなりました。

最終戦に向けて、テストは欠かさず行うとともに、直近のレースである北海道クラブマンカップシリーズでも善戦していきます。

今回ご支援、ご声援いただきましたすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。

Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

2017.10.24 CARGUY SUPER CAR RACE Rd.3,4 RACE REPORT

開催日時:2017年9月16~17日     開催地:富士スピードウェイ(静岡県)

ドライバー:佐藤 元春 / 平中 克幸

大湯 都史樹

マシン:KSD RACING SLS GT3(Mercedes SLS AMG GT3)

KSD RACING 458 CHP(Ferrari 458 Challenge)

参戦クラス:CARGUY SUPER CAR RACE SERIES (GT3クラス)

CARGUY SUPER CAR RACE SERIES (CUP1クラス)

天候:予選/雨  決勝/雨

路面:予選/ウェット  決勝/ウェット

 

KSD RACING SLS GT3 予選:総合6位(1;53,872)

KSD RACING 458 CHP 予選:総合7位(1;54,633)

 

KSD RACING SLS GT3 決勝:Rd.3優勝、Rd.4準優勝

KSD RACING 458 CHP 決勝:Rd.3優勝、Rd.4リタイア

 

スーパーカーによる究極のエンターテインメント集団「CARGUY」が主催する、CARGUY SUPERCAR RACE SERIESでの今シーズンラストレースを迎える。

Koshido Racingからは前大会で準優勝になったコンビ、チームオーナーである佐藤元春と、SUPER GT300で活躍する平中克幸が引き続きシートに座る。

又、この第3,4戦にはFIA-F4選手権シリーズでHondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクトから出場し、

ポイント争いを繰り広げている新進気鋭のドライバー大湯都史樹を458 Challengeのドライバーとして迎え入れた。

大湯は佐藤や平中と同じ札幌出身であり平中のドライビングレッスンを受けていたこともある旧知の仲であり、

チーム内では笑いも混ざりつつ仲間意識も十分に強まり2台体制で結果を求めて戦うこととなった。

 

<DAY1> 9月14日(木)練習走行

この日のドライブは平中が担当し、車両の感触を確認した。3コーナー(100R)進入時にかなり強いアンダーステアが発生しており、

リアウイングを調整して対策を施したが、タイヤのグリップが低かったせいであまり効果は得られなかった。

そのバランスを整えるために以下の3点のセッティング変更を行った。

 

  1. タイヤへの荷重アップを狙い、フロントスプリングを1レンジ柔らかくした。
  2. アンダーステア対策でフロントトーを0からアウトへ30’に変更
  3. 立ち上がりでのグリップ改善の為、リヤのトーをインへ30’に変更

このセッティングで走行を開始。

 

セッティングが功を奏しバランスは改善されたが、タイヤへの負担が強くなったためか平中がリヤタイヤのバイブレーションを訴える。その為、走行は終了となった。

これを見てリヤタイヤへの負担軽減のためキャンバー角を3°→2°へ変更し、接地面積を増やすこととした。伴い、トーを改めて補正した。走行は僅か2本で終了であったため翌日に向けて小笠原エンジニアが中心となりセッティングを煮詰めていく。

 

<DAY2> 9月15日(金)練習走行

この日から佐藤が練習走行に加わり、平中と協力してSLS AMG GT3のセッティングを進めていく。そして、大湯もこの日から458 Challengeのハンドルを握ることとなる。

大湯は以前、十勝スピードウェイで同車両を走らせた経験も有るが、同車両でのマイレージは不足しており、尚且つ富士スピードウェイでの走行は初めてである。まずはフィーリングを確認することとなる。

 

この日の練習走行は、シルビア・アルテッツァ・ロードスターやFCR-VITA、インタープロトなどの混走となっていたため、コース内は常に遅い車両を上手くかわす技量も必要でありかなり危険な走行枠となっていた。

コースアウトによる砂埃が至る所で舞い上がっていたが、Koshido Racingには特にトラブルは無く走行を重ねた。

午前中は曇りで、路面はドライでセッティングを詰めていくことが出来た。

しかし台風18号が近づいており予選と本戦は大雨が予想されていたため、セッティングもウェットに合わせて行っていく。

 

<DAY3> 9月16日(土)公式予選(10:15~10:30)

当日は大方の予想通り、ウェットコンディションで天候は雨。

SLS AMG GT3は、過去にSUPER GT300で走ったデータを参考にウェット仕様でコースイン。

15分という短い予選時間ということも有り、チームはオーナードライバーの佐藤にこの過酷なコンディションに慣れて貰うことを優先し、平中によるアタックは行わないことを選択。

周りでは現役プロドライバーが続々とタイムを出していく中、佐藤はGT3クラスでは最下位ながらヘビーウェットの路面にも関わらずトップとのタイム差が3秒以内、かつ他クラスには前を走ることを許さない健闘。これにより決勝レースの作戦を練りやすくなった。

 

458 Challengeの大湯はCUP1クラスのトップタイムをマークする。

2台しかエントリーしていないクラスではあるが、GT3クラスに肉薄するタイムで走行しており、周囲の関係者を驚かせていた。

 

■9月16日(土)第3戦 決勝(16:05~16:50)

この日のメインレースとなるのが、CARGUY SUPER CAR RACE。

台風の影響による雨にも関わらず大勢の観客で盛り上がっている。

 

朝から降り続く雨は夕方までも続き、あたりも薄暗くなってきた。

SLS AMG GT3のスタートドライバーは佐藤が担当。各車続々とピットから離れ、スターティンググリッドへと向かう。

ここでポールポジションスタートだったCARGUY RUF HURACAN GT3がフォーメーションラップ中に急遽ストップ。

車両回収となりピットまで運ばれECUのリセットにより辛うじてエンジンオン。ピットスタートとなった。

 

いよいよ始まる決勝は降り続く雨の影響で安全性を考えセーフティーカー先導のスタートとなった。

セーフティーカーがいつ外れるかチームスタッフがモニターを見つめる。そして5LAP目のダンロップコーナーでセーフティーカーのランプが消える。

そして各車が最終コーナーを立ち上がる頃に雨音がかき消されるようにエキゾーストサウンドが響き渡った。レースがスタートする。

 

佐藤は前を行く#5 HOJUST HURACANへ必死に食らいついていく。

今にもスピンしそうなマシンを何とか落ち着かせながら、真後ろに居るチームメイトの大湯から逃げる。そしてチームの指示により6周目にピットイン。

練習を重ねていたドライバーチェンジの成果を発揮し、決められているピットストップ45秒以内に全てを終えエンジニアの手信号で水しぶきを上げながらコースへ復帰する。

 

ドライバーが平中に交代する。そして一息付く間もなくピット内ではざわめきが起きる。

すぐにファステストラップを更新し、2週目にはそのタイムを更に更新していく。9周目には全体のファステストラップとなる1;52.143を記録。ライバル達が続々とピットインする間に直ぐ様トップへと躍り出る。

 

最大で38秒のギャップを築いた平中はチームの指示によりペースをダウン。これは先日の練習走行でもタイヤのバイブレーションが発生していたため、タイヤを労る措置であった。

そのペースを保ちチェッカーを受ける。佐藤・平中ペアでは先日の十勝3時間耐久に続き連勝となった。

 

 

 

 

大湯が操る458 ChallengeはSLS AMG GT3のすぐ後ろの8番手スタートであった。大湯はピッタリと佐藤の後ろにつける。

この時、458 Challengeのフロントガラスは曇りで視界を完全に失っており、僅かに見える視界で必死にドライブしていた。

視界不良のままピットストップを消化。その際のメカニックのおかげでフロントガラスの視界が回復するも、後方からやってくる3番手の#5 HOJUST HURACANにヘアピン立ち上がりからのバックストレートで車体性能を活かしたオーバーテイクをされてしまう。

 

しかし猛追してくるライバル達から逃げ切るどころかGT3クラスを追いかけ回し、なんと予選から4つ順位を上げることに成功。

格上のGT3クラスさえも押しのけ総合3位、CUP1クラス優勝と素晴らしい結果を手にした。

これについてはドライバーである大湯もレース中は気付いておらず、ヘルメットを外した瞬間から笑みが溢れた。

大湯の所謂 ”ハコ車” としてのデビューレースは非常に華やかな結果で幕を閉じた。

 

 

<DAY4> 9月17日(日)第4戦 決勝(16:10~17:05)

前日の第3戦に続き、天候は雨。台風18号はより接近しレース開催が危ぶまれる天候での第4戦となった。

スターティンググリッドは第3戦のベストラップ順に決まる。ポールポジションは先日優勝した#11 KSD Racing SLS GT3佐藤/平中ペアである。

ヘビーウェットでスタートすると思いきや、奇跡的にレーススタート前に雨量が激減。小雨となり路面はヘビーウェットからウェットへと変化する。

その影響も有り決勝スタートは通常のローリングスタートとなった。スタートドライバーの平中。

1コーナーをトップで死守。後続ではクラス入り混じっての激しいバトルが繰り広げられトップの平中を脅かす。

その後のダンロップコーナーでは#5 HOJUST HURACANに一瞬イン側に飛び込まれるが冷静にクロスラインを取り、前に出すことはさせない。

 

だが平中から叫び声で無線が入る。

「マシンのバランスが悪すぎる」

セッティングもタイヤも同じだが、タイヤが同じ物とは思えない動きをしており、平中は苦戦しながらマシンを抑えて逃げ切りを図る。

 

しかし最終コーナーで#5 YJHD HURACAN STを駆るKei Cozzolinoが平中のすぐ背後に迫りロックオン。

ストレート速度では劣るKSD Racing SLS GT3のスリップストリームを目一杯使い、1コーナーでイン側へ飛び込み、そのままオーバーテイクされてしまう。

 

しかしその状況でも冷静な平中は11周目のヘアピン立ち上がりでトップに返り咲くことに成功する。

そのままマシンバランスが悪い中、2番手とのギャップを築き15周目にトップのまま佐藤へとバトンタッチをする。

佐藤は苦労しながらもピットアウト後も順位はトップをキープ。第3戦に続く連勝を誰もが期待していた。

がしかし、2位の#1 CARGUY RUF HURACAN GT3と3位の#5 HOJUST HURACANは佐藤を凌駕するペースで追い上げる。

佐藤を猛追していた#1 CARGUY RUF HURACAN GT3にレース終盤、

まさかのドライブスルーペナルティが出され、3位に陥落してしまう。

 

そして、残り5分、23LAP目。

佐藤は大雨で後ろに気付いていない周回遅れのマシンを抜くのにやや時間がかかった際に、最終コーナーで#5 HOJUST HURACANにトップの座を明け渡してしまう。

 

もつれてバトルを繰り広げていた#1 CARGUY RUF HURACAN GT3も佐藤を抜き、2番手となった。

このままレースが終わるかと誰もが思ったがファイナルラップの最終コーナーで誰もがモニターを見て固まった。

神様のいたずらであろうか。2番手を走る#1 CARGUY RUF HURACAN GT3がガス欠でストップした。

最後まで諦めずに追いかけていた佐藤はゴール手前300mで2位へ浮上。

そのままチェッカーを受け準優勝となった。

佐藤はトップを守る事は叶わなかったが過酷なウェットコンディションの中、純粋にレースを楽しみ、悔しさも残ってはいたが爽やかな笑顔を見せていた。

 

そしてこのレースで全ての日程を消化したCARGUY SUPERCAR RACE SERIESのポイントランキングではCARGUY RUF HURACAN GT3と同ポイントではあったが、

プラチナドライバーが組み合わされていないペアが順位を優遇される事となるため、佐藤/平中チームがシリーズ準優勝という結果となった。

 

458 Challengeは、スタート前からギヤトラブルを抱えていた。マシンに熱が加わってくるとギヤがおかしくなりまともにシフトチェンジ出来なくなってしまっていた。

レースがスタートし順調に周回を重ね、またGT3クラスの車両を追いかけ回し始めたが、急遽スローダウン。

6周目のダンロップコーナーで突如症状が悪化し、ギヤが4速しか使えなくなってしまった。

無線で懸命にメカニックと連絡を取り合い試行錯誤するも、運は大湯に味方してくれなかった。

努力むなしく7周を終えた所でピットイン。チームはそのままリタイアという決断を下した。

順当にレース運びをしていれば、この第4戦も良い結果を残せただけに悔しいリザルトとなった。

佐藤/平中ペアは参戦初年度にしてシリーズランキング2位という非常に輝かしい結果を勝ち取ることが出来ました。

しかしシリーズ優勝の可能性があった事を考えると悔しさも残る結果ではありました。更なる戦績を求めて戦って参ります。

今回も遠路遥々応援に来てくださった皆様、応援のご連絡をくださる皆様、誠にありがとうございます。改めましてご支援、ご声援頂きました事に感謝申し上げます。

 

                                                             Koshido Racing 佐藤 元春

 

 

 

 

2017.10.20 RACE REPORT北海道クラブマンカップレース Rd.3 VITA-01

2017 Koshido Racing RACE REPORT

北海道クラブマンカップレース Rd.3 VITA-01

開催日時:2017年9月24日

開催地:十勝スピードウェイ(北海道)

ドライバー:佐藤 元春(#610)、大島 雄一郎(#310)、竹谷 和浩(#712)

マシン:恒志堂レーシングVITA1号機、2号機、3号機

参戦クラス:北海道クラブマンカップレース

天候:予選/曇り

決勝/曇り

路面:予選/セミウェット

決勝/ドライ

佐藤元春          予選:5/12位 決勝:5/12位

大島雄一郎  予選:11/12位 決勝:10/12位

竹谷和浩          予選:6/12位 決勝:6/12位

 

十勝スピードウェイで行われるJAF公式レース、北海道クラブマンカップ第三戦が開幕した。

Koshido RacingはVITA-01クラスに、竹谷和浩選手を迎え、3台体制でエントリー。

エースカーの610号車はチームオーナーでもある佐藤元春がドライブ。

前回同様に大島雄一郎は310号車、竹谷和浩は712号車をドライブする。

 

 

<DAY1> 9月23日(土)特別スポーツ走行枠(25分間×4本)

走行1本目、天気予報とは裏腹に濃霧、雨の中コースイン。佐藤は最終コーナーでスピンし、スタック。残り3分を残し、赤旗中断。

路面コンディションが良いとは言えない中の走行となった。

 

走行2本目、天候は霧雨、佐藤は前日よりリアウィングを立てる方向でセッティングを行う。

大島は佐藤と同じキャンバーでセッティングを行う。

竹谷も同様に佐藤と同じキャンバーでセッティングを行い、

若干のオーバーステアは残るがタイムを1秒近く縮めた。

 

走行3本目、天候は霧雨、路面もウェットのまま。

佐藤は前後のタイヤを入れ替えグリップやタイヤの変化を確認。

大島は2コーナーでスタックし、赤旗。再び最終コーナーでスピン。直後に悔しさのあまりハンドルに手を叩く場面もあった。

竹谷は佐藤のすぐ後ろを走行。各コーナーで佐藤の姿勢やラインなどを確認しながら周回を重ねていく。

 

走行4本目、天候は終始よくなることなく雨が続く。3名ともセッティング変更は特になし。

途中、参加ドライバーのスピンなどで赤旗中断。ライバルはコーナー出口でのオーバーステアに苦しんでいる様子だった。

竹谷はアクセルを開けるタイミングや開度調整のコツをつかみ、1:50.649と大幅にタイムを更新し、佐藤と遜色ないタイムを出した。

大島も少しずつアクセル開度のコツをつかみタイムを1:52.734に縮める。

ウェットでの走行がつづき、タイヤが予定よりも消耗しなかったため、練習走行後、ドライ路面を走行し、タイヤを慣らした。

 

特別スポーツ走行枠 BEST LAP

 

VITA#610 佐藤 元春   1:50.015

VITA#310 大島 雄一郎  1:52.734

VITA#712 竹谷 和浩   1:50.649

 

<DAY2> 9月24日(日)公式予選(10:15-10:35)

天候は曇り、路面状況はセミウェット。

2輪の走行などが終わって予選となるが、予報とは違い、晴れ間が出ずに路面は湿った状態で予選が始まった。

時間が経つにつれ、一部路面が乾き、ウェットとドライが混在する難しい路面状況。

最初は苦戦している様子だったが、走行するにつれ、路面に慣れてきたのか残り5分で各車ベストタイムを更新した。

 

 

 

~以下、公式予選後コメント~

 

佐藤元春

「前日慣らしたタイヤを履かせてスタートしたが、前後のブレーキバランスが悪く、ブレーキングのたびにタイヤがロックしてしまう。

走行中に前輪側にブレーキバランス調整したが、まだ足りず、決勝ではドライセッティングにし、さらにブレーキバランスを前輪側に調整する予定です。」

 

 

大島雄一郎

「路面が急激に変化していくなか、順応に対応できなかった。前日のスピンが頭をよぎるせいか、中々強気な走行が出来ず、控えめな走りとなってしまった。」

 

竹谷和浩

「もっと踏みたかった意外とブレーキングは奥まで行けた気がする。しかし、全体的に控えめな走りになってしまった。決勝はドライが予想されるため、アグレッシブに行きます。」

 

■9月24日(日)決勝レース15LAP(15:40-)

天候は晴れ、路面状況はドライ。

他のレースが併催されているため、クラブマンカップの決勝は50分近くのディレイスタートとなった。

佐藤が5番グリットからタートし、竹谷は6番グリット、大島は11番グリットからスタートする。

佐藤は良いスタートを決めたものの、前方の平中選手(#61)がスタートに失敗し、前が詰まるような形になってしまう。

行き場を失い出遅れ、2コーナーで竹谷に先行を許す。

 

しかし、ホームストレートでスリップストリームを使い、1コーナーで竹谷をオーバーテイクし、順位を戻した。

オーバーテイクのチャンスを狙っていると、古井戸竜一選手(#3)が4番手に落ち。その差を約5秒に縮めるも、無情にも15周というチェッカーが振られた。

大島は最後、古井戸彩子選手(#10)をオーバーテイクし、コンマ5ほどの差で10位を得た。

竹谷は序盤、佐藤に抜き返される場面はあったものの、その後は危な気ない走りを続け、6位独走でチェッカーとなった。

 

 

 

~以下、決勝レース後コメント~

 

佐藤元春

「ライバル勢に完敗の結果。チーム全員、満足とは到底言えない結果となり、

悔しい以外の言葉はないです。」

 

大島雄一郎

「マシンは接触などもなく無事完走することが出来たので次戦は自信を持ったレース運びに期待してほしい。」

 

竹谷和浩

「佐藤を追いかけるも差は広がる一方。6位単独走行を続け、最後は後ろとのギャップを約10秒作り、十分なマージンを持って6位入賞することが出来てよかった。」

 

今回のレースは満足のいくような結果ではありませんでした。

しかし、この結果をしっかりと心に刻み、次回、10月15日(日)に行われる北海道クラブマンカップレース第4戦では表彰台の中央に登れるよう努力を続けて参ります。

今回もご支援、ご声援頂きました事に感謝申し上げます。

Koshido Racing 佐藤 元春